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経営者や営業マン向けの営業サポートコンサルティングを行っている菊原と申します。「対人恐怖症」にまで陥りながらも新たな営業スタイルを確立してトップ営業マンになった私の営業の考え方をシリーズで配信していきます。
第11回目の今回は「一瞬で相手の心をつかむ方法」をテーマにお話し致します!!
新型コロナウイルスの影響で営業方法が従来から様変わりしている中で、営業方法に迷うことが増えてきた方に少しでもお力になれば嬉しいです!
INDEX
私はいろいろな業界の営業スタッフとお会いします。
営業研修でお会いすることもあれば、私がお客様の立場として出会うこともあります。
その際、交わしたひと言で「この人はやりそうだ」と好印象を持つ営業スタッフがいます。
こういった営業スタッフから話を聞くとたいていは結果を出しているものです。
その逆に、交わしたひと言で「きっと苦戦しているだろうな」といった印象を受ける営業スタッフもいます。
少し前のことです。
知人の紹介でお会いした保険の営業スタッフは「私は保険全般得意です!損保から生保まで、なんなりとご相談ください」と言ってきました。
おそらくいつも言っている決めフレーズなのでしょう。
やたらと自信満々で言ってきたのです。
本人は満足そうな顔をしていましたが“保険全般得意”では私にはまったく響きませんでした。
ハッキリ言って「何の特徴もない営業スタッフだ」という印象を持ったのです。
”全般得意”ではどうしても“浅い知識しかない”といった印象を受けてしまいます。
当たり障りのない話を5分程度して「また機会がありましたら」と言って別れたのです。
出会った瞬間に「ちょっとこの人は期待できないな」と思われてしまう。
これは非常に痛いことです。
このことについて、本人が気づけばまだマシです。
しかし、多くの営業スタッフは間違いに気づいていません。
こうして知らず知らずのうちに機会損失をしているのです。
初めてお会いする人に対して伝える言葉を決めておくこと自体は悪いことではありません。
その内容が問題なのです。
トップ営業スタッフは”一瞬で相手の心をつかむトーク”を用意しています。
同じ保険の営業スタッフの方とお会いした時のことです。
名刺交換をすると「私は医療保険系などは苦手ですが、税金対策用の保険は得意です」と言ってきました。
この瞬間に「この人になら相談できそうだな」といった印象を受けたのです。
私は事業主ですから税金対策には興味があります。
“税金対策”に特化していることを伝えるのは効果的です。
こういったことは少し調べたり、考えたりすればすぐにわかることです。
いろいろと相談させて頂きました。
先ほどの保険の営業スタッフの”保険全般得意”というのは大違いです。
たったひと言でチャンスが広がることもあれば、チャンスを潰すこともあるのです。
営業心理術に“片面・両面提示”というものがあります。
人はいい面だけではなく“いい面と悪い面”の両方を言う人を信頼するといった傾向があるのです。
トップ営業スタッフはこの心理をうまく活用しています。
いい面だけでなく”欠点・苦手なこと・ちょっと弱い面”も伝えているのです。
先ほどのトップ営業スタッフは”医療保険は苦手”という欠点を伝えてきました。
それがかえって”税金対策が得意”という長所を際立たせています。
トップ営業スタッフはこのように両面効果で信用させ「この人なら話を聞いてもらえるそう」といった印象を与えます。
こうしてお客様の心をつかんでいるのです。
多くの営業スタッフは長所やメリットしか伝えません。
多くの営業スタッフがお客様に対して「〇〇に関してすべてお任せください!」
と言ってきます。
これでは何も響きません。
ダメ営業スタッフ時代の私も似たようなことを言っていました。
その当時はそれなりに考えて長所を伝えていたと思います。
こうして多くのチャンスを潰していたのです。
その後、私は”両面効果”を利用して自分のことを伝えるようにしました。
トップ営業スタッフ時代の私は名刺を渡し「口下手ですが、住宅ローンの知識は誰にも負けません」と伝えたのです。
まずは「口下手ですが」という欠点を伝えます。
口下手は欠点ですが、そんなに悪い印象を与えません。
目の前に現れた営業スタッフが「口はうまいですよ」と言ってきたらどうでしょうか?
間違いなく警戒するしょう。
その点、口下手は「説明はうまくはないが、きっと誠実な人なんだろう」といった印象を持つはずです。
もしあなたが口下手であれば、隠さずに挨拶の際に伝えるのも効果的です。
そして欠点を伝えた後「住宅ローンの知識は誰にも負けません」と伝えます。
欠点を伝えたこともあり、長所が際立つのです。
このトークをするようになってから、出会って間もないお客様が真剣な顔で「資金の相談をしたいのですが」と言ってくることもよくありました。
そのまま商談になることも。
このトークは本当に効果的だったのです。
お客様は出会って数秒で「この営業スタッフと付き合うメリットがあるのか」と判断します。
だからと言って「私はこれが得意で、あれも凄いです」と長所を羅列するのもいただけません。
お客様は「本当にそんなに実力があるの?」と疑うでしょう。
両面効果で短所と長所の両方を伝えることで信用してもらえるのです。
「どう伝えればお客様から必要とされるか」についてとことんまで考えてみてください。
出会った時にお客様の心をつかめれば、チャンスは一気に広がるものです。
ちょっとした言い方の違いで"売れる・売れない"が決まります。
アプローチから接客、商談、クロージングまで、心をつかむフレーズを紹介。
【嫌われるひと言】→【心をつかむひと言】に言い換えて結果を出す。
苦戦している営業スタッフは売れるようになり、トップ営業スタッフはさらにダントツの結果を出すことができる1冊です。
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営業サポート・コンサルティング(株)代表取締役
菊原 智明(きくはら ともあき)
群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない”“お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て4年連続トップの営業マンに。約600名の営業マンの中においてMVPを獲得。