インサイドセールスとは?非対面式営業を導入して費用対効果を高めようー電通B2Bイニシアティブ

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インサイドセールスとは?非対面式営業を導入して費用対効果を高めよう

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コストを抑えて大量の見込み顧客に対応できるインサイドセールスに注目が集まっています。営業地域や時間による制限がなく、リモートワークでも顧客対応が可能なところも大きな利点です。

本記事ではインサイドセールスの概要、導入プロセスや活用方法を分かりやすく解説しています。インサイドセールス導入を検討されている方々に向けて、お役に立てる情報となれば幸いです。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスはインターネットやメール、電話などを使って商談の機会を創出する非対面式の営業活動です。

インサイドセールスはコスト効率が良く、大量のリード※1に対応できます。インターネットを用いた顧客との接点を迅速に作り出すことが可能です。

※1 リードは将来的に取引相手となり得る見込み顧客のことです。

インサイドセールスが注目される背景

  • デジタル技術の発展
  • リモートワークの一般化
  • 人員コスト削減

インサイドセールスは働き方の多様性に対応する柔軟な営業モデルとして注目されています。

デジタル技術の発展

デジタル技術の発展により、インサイドセールスで効率的にビジネスを進めることが可能になりました。インターネットやメール、ソーシャルメディアなどを利用することで地理的な制約を超えた営業ができます。

リモートワークの推進

新型コロナウイルスの影響で企業はリモートワークの導入を進めました。インサイドセールスはリモートワークにおいても営業活動を続けることができました。移動自粛やソーシャルディスタンスの要請によりフィールドセールスに制限がかかる中、インサイドセールスの役割はより大きくなったといえます。

人員コスト削減

インサイドセールスはコスト効率が良いという利点があります。出張費や移動時間などが削減できるため、営業活動にかかる時間と費用を大幅に節約することが可能です。

インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスはコスト削減や効率化などのメリットがある一方で、相手に感情が伝わりにくい、信頼関係の構築が難しいなどのデメリットもあります。インサイドセールスを導入する際には、メリットとデメリットを認識し、自社に適しているかを判断することが重要です。

メリット
コスト効率 顧客訪問のための移動費や時間が必要ないため、費用対効果が高い。
スケーラビリティ2 デジタルツールを用いることで、多くの顧客や潜在的な顧客に同時に接触することが可能。
迅速な対応 オンラインや電話の専用窓口を設置することで、顧客の問い合わせに対して迅速に対応できる。

インサイドセールスはインターネットを使用することで一度に多くのリードにアプローチできます。システムをしっかりと構築することで高い費用対効果が得られます。

※2 スケーラビリティは拡張の可能性です。リードの増加に合わせた対応の許容度を意味します。

デメリット
感情が伝わりにくい 非対面式では感情が伝わりにくく、信頼関係の構築に時間がかかる場合がある。
ツールの導入コスト 公式サイトの作成やインターネット、電話での受付窓口を作る際にコストが発生。
システムへの依存 インターネット接続やデジタルツールのトラブルが営業活動に影響を及ぼす可能性がある。

インサイドセールスは非対面式の営業ですので、顧客からの信頼獲得に時間を要する場合があります。また、インサイドセールスに使用されるインターネットや電話などの環境整備にコストがかかり、それらのシステムがダウンした際は営業活動ができなくなります。

インサイドセールスとフィールドセールス

フィールドセールスは顧客に実際に会い、対面で商談を行う営業活動です。インサイドセールスとフィールドセールスは対比させられますが、どちらも企業の営業活動にとって重要なプロセスです。

インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせることで、営業活動の効率化と効果向上を図ることができます。

インサイドセールスによってリードの開拓と育成を行い、フィールドセールスによって商談と受注を目指すというように、それぞれの営業活動を補完することで、より多くの成果を上げることが可能です。

インサイドセールスの種類

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インサイドセールスはSDRが行うインバウンド型とBDRが行うアウトバンド型に分けることができます。

SDRは主にSMB※3企業に対して反響型のインサイドセールスを進めます。BDRは未接触のエンタープライズ企業に対してアウトバウンド型のインサイドセールスを行います。

SDRとBDRのそれぞれの役割を理解し、うまく連携させることで、より多くのビジネスチャンスを創出できます。
SDRとBDRのインサイドセールスを詳しく見ていきましょう。

※3 SMB(Small and Medium-sized Business)は中小企業を指します。

SDRのインサイドセールス

SDR(Sales Development Representative)は販売開発代表/担当者と訳されます。主な目的はリードジェネレーションと商談や契約への誘導です。直接の問い合わせやオウンドメディア、SNSでのエンゲージメントに対応し、インバウンド型/反響型のセールスを進めます。

SDRのインサイドセールスプロセスは以下の通りです。

  1. 窓口の設定
  2. リードの発掘
  3. リードへのアプローチ
  4. 商談の創出
  5. 商談の引き渡し
窓口の設定

顧客流入のルートを選定し、設定します。インサイドセールスにおいてはオウンドメディアやペイドメディア、アーンドメディアを活用し、窓口の多様化を図ります。

リードの発掘

電話やメール、ウェブサイトフォームからの問い合わせを通じて、自社製品・サービスに興味を持っているリードを見つけ出し、リード情報をデータベースに蓄積します。

リードへのアプローチ

問い合わせてきたリードに対して電話やメールで返信を行います。自社製品・サービスのメリットを説明し、ビジネスにおける有効性をアピールします。

商談の創出

リードに対して自社製品やサービスのメリットを説明し、商談の機会を創出します。事前に相手方が契約の決定責任を有していることを確認しましょう。

商談の引き渡し

商談の成立確率が高いリードに対して、契約担当者に商談を引き渡します。商談を引き渡す際には、リードの情報や商談の状況などを契約担当者に伝えます。

BDRのインサイドセールス

BDR(Business Development Representative)はビジネス開発代表/担当者と訳されます。主な目的は新規顧客の獲得です。SDRと異なり、企業側から顧客にアプローチしていきます。

BDRが行うのはアウトバウンド型、新規開拓型のインサイドセールスです。企業戦略に沿ってターゲットの選定を行い、メールや電話、SNSで直接連絡をしていきます。

BDRのインサイドセールスプロセスは企業や業界によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。

  1. ターゲット企業の選定
  2. 企業情報の収集
  3. 企業へのアプローチ
  4. 商談の創出
  5. 商談の引き渡し
ターゲット企業の選定

自社がターゲットとする企業を選定します。ターゲット企業の選定には、自社の製品・サービスを提供できる企業、自社の製品・サービスを必要としている企業、自社の製品・サービスを購入する可能性が高い企業であることを考慮します。

企業情報の収集

ターゲットとして選定した企業情報を収集します。企業情報の収集には、インターネットや電話帳、企業情報データベースなどを活用します。

企業へのアプローチ

ターゲット企業に対して電話やメールでアプローチを行います。自社製品やサービスのメリットを説明し、商談に進んでもらうよう促します。

商談の創出

ターゲット企業に対して自社製品やサービスのメリットを説明し、商談の機会を創出します。エンタープライズ企業との中長期にわたる信頼関係を醸成する目的で、ナーチャリングの期間を長くとる場合もあります。

商談の引き渡し

ターゲット企業の責任者と十分な信頼関係を築いた上で、自社の契約担当者に申し送りをします。

インサイドセールスへのニーズ

企業は幅広い市場への効果的なマーケティングを模索しています。マーケティング業務の展開にあたっては社内リソースの最適な利用を追求し、費用を抑制したいという思いもあります。リモートワークなどの働き方の変化、オンラインマーケティングの進化に対応する上でもインサイドセールスは注目されています。

ここではインサイドセールスに対する企業側のニーズについて解説します。

より多くの購買層にアプローチしたい

インサイドセールスでは、デジタルツールを用いることで、同時に多数の顧客や潜在的な顧客に接触することが可能です。企業はより多くの購買層にアプローチし、製品やサービスの認知度を高めることができます。

コスト削減の狙い

インサイドセールスは、移動費や出張費などの従来の営業に関連するコストを大幅に削減します。営業担当者が一日に接触できる顧客の数が増えるため、営業活動の効率も向上します。インサイドセールスは企業の費用対効果を高める役割を果たします。

リモートワークへの対応

インサイドセールスはリモートワークを進める企業でも有効に機能します。営業担当者は自宅や遠隔地からでも顧客と接触し、製品やサービスを販売することが可能です。リモートワークに対応した営業方法としても期待されています。

オンラインマーケティングの進化に対応したい

コミュニケーションの主要なプラットフォームは紙メディアや対面方式からオンラインに移行しています。企業側はトレンドを認識して、オンラインマーケティングに対応する必要があります。

顧客データ管理の最適化を図りたい

インサイドセールスは顧客とのやり取りをデジタルで行うため、データの収集が容易になります。CR※4システムと連携させることで、さまざまな顧客データを一元的に管理できます。データ管理業務もコストダウンすることが可能です。

※4 CRM(Customer Relationship Management)は日本語では「顧客関係管理」と訳されます。顧客との関係性を管理しながら長期的に深めていくマネジメント手法です。

インサイドセールスのポイント

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インサイドセールスを成功させるためには、適切な市場を見つけ、その市場に向けて効果的な戦略を立てることが重要です。インサイドセールスの効率を上げるために社内リソースを最適化し、必要に応じスタッフの再教育も計画しましょう。

ここではインサイドセールスを活用する上で重要なポイントを解説します。

ターゲット顧客の明確化

それぞれの商品やサービスは特定の顧客のニーズに対応して設計されています。インサイドセールスでは、商品やサービスに最も関心を持つ可能性が高い顧客層を明確にすることが重要です。

リードジェネレーション戦略の策定

リードジェネレーションは見込み顧客を獲得するためのプロセスです。自社の製品・サービスに関心を示す個人や企業の情報を獲得することを目的としています。最適なリードジェネレーション戦略を策定し、インサイドセールスの資とします。

セールスプロセスの整備

一連のセールスプロセスを整備し、組織内で共有することでインサイドセールスの狙いが明確化されます。リードの発見から初期のコンタクト、プレゼンテーション、ネゴシエーション、最終的なクロージングに至るまでの一連のステップを整備し、組織で共有しましょう。

コミュニケーション能力の高いスタッフの採用

非対面式のインサイドセールスにおいても信頼関係を築き、顧客の疑問や懸念に丁寧に対応するスタッフが必要です。コミュニケーション能力の高いスタッフを採用することで、インサイドセールスの成功につなげます。

適切な教育の実施

インサイドセールスのスタッフは、商品やサービスの知識だけでなく、コミュニケーション技術や営業戦略、CRMツールの使用法など、多岐にわたるスキルを身につける必要があります。変化し続けるビジネストレンドはもちろん、時代背景や社会情勢なども考慮したスタッフ教育は重要です。

CRMツールやセールスアシストツールの導入

インサイドセールスを有効活用するためには、CRMツールやセールスアシストツールを導入し、営業活動を効率化することが重要です。これらのツールを導入することで、営業担当者はより多くの見込み客にアプローチできます。

電通B2Bイニシアティブでは、事業や企業に最適化されたCRMツール、セールスアシスタントツールの導入をサポートいたします。顧客管理の効率化に関するご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。

メトリクスの確立と分析

メトリクスはビジネス活動を数値化し、そのデータを使って作成された指標です。メトリクスはプロジェクトの進捗状況や品質を把握するために利用されます。メトリクスを利用することで、プロジェクトの進捗状況や品質を客観的に把握することが可能です。インサイドセールスのクオリティ管理に活用できます。

リードフォローアップの徹底

リードフォローアップはリードを獲得した後に積極的にフォローアップを行い、顧客との関係を深めることです。リードフォローアップの徹底により、顧客との信頼関係を構築していきます。

PDCAサイクルの確立

PDCAサイクルはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(対策/改善)の4つのステップを繰り返して業務を継続的に改善する手法です。インサイドセールスは実行して終わりではありません。結果をレビューし、PDCAサイクルを確立させましょう。インサイドセールスのスキル向上やプロセスの改善などにつながります。

インサイドセールスの導入

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インサイドセールスの導入プロセスについて解説します。インサイドセールスの導入プロセスは企業や業界ごとに異なる場合があります。今回解説するのは一般的なインサイドセールス導入のプロセスです。

電通B2Bイニシアティブでは、インサイドセールスの導入に関して個別のソリューションを提案いたします。お気軽にご連絡頂ければ幸いです。

目標の設定

まずはインサイドセールスの目標を明確にします。目標にはリードジェネレーションやマーケティングコスト削減、市場への浸透や顧客満足度の向上、セールスサイクルの短縮などが掲げられます。目標は業界や企業の具体的な状況を反映させて決定していきましょう。

また、インサイドセールスの具体的な目標は企業全体の戦略的目標と一致していなければなりません。このことはインサイドセールスが企業全体の成功に寄与するために重要です。

インサイドセールスチームの編成

インサイドセールスチームの編成を行います。必要な人員、役割、業務内容などを定義し、組織を設計します。

チーム編成にはSDR、BDR、アカウントマネージャー(アカウントエグゼクティブ)※5、セールスエンジニア※6が加わります。

インサイドセールスは非対面式の営業ですが、スタッフには素養として高いコミュニケーション能力が求められます。特にSDRやBDRは最初にリードとやり取りをします。チーム編成の際はスタッフの素養をしっかりと考慮しましょう。

※5 アカウントマネージャーは顧客のニーズや課題を把握し、商品やサービスの提案を行います。契約後の顧客管理やアフターサポートも担当することがあります。

※6 セールスエンジニアは顧客からの技術的な質問に対応します。サービスの実演なども行います。

プロセスの策定

インサイドセールスにおける業務プロセスを策定します。リード獲得からクロージングまでの一連のプロセスを明確に定義し、運用を確立します。ビジネスの分野、もしくは顧客の事業規模などによってはナーチャリング期間を長くとる場合もあります。顧客に合わせたプロセスを策定することも大切です。

技術環境の整備

インサイドセールスを実施するためのツールやシステムを整備します。CRMシステムやコールセンターシステム、オートダイヤルなどは導入に時間がかかる場合があります。計画的に進めましょう。

すでにホームページをお持ちということであれば、電通B2Bイニシアティブがシステムの整備をサポートいたします。

インサイドセールスの実施

インサイドセールスの環境が整い、チーム目標やプロセスの共有が完了したら実際にインサイドセールスを実施していきます。

PDCA

インサイドセールスを実施する中で、プロセスの改善点が見つかった場合は改善を行います。定期的なレビューを実施し、プロセスの改善点を見つけ出します。

PDCAサイクルによって業務の効率化や成果の改善を行い、チームのパフォーマンスを向上させましょう。

まとめ

インサイドセールスは企業のマーケティングを効率化する上で非常に重要な役割を果たします。また、リモートワークやフレックスタイムワークなど働き方に多様性が求められる時代です。限られた社内リソースを有効活用し、ビジネスチャンスを拡大していきましょう。

電通B2Bイニシアティブではインサイドセールスの導入を進める企業を強力にサポートいたします。リードジェネレーション、マーケティングコスト削減、顧客管理の最適化など具体的なソリューションを提案させて頂きます。インサイドセールス導入に関するご相談はお気軽にお寄せください。速やかに対応いたします。

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B2Bのビジネス課題を解決に導く、コンパス(羅針盤)となるような情報をお届けします。