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インサイドセールスの効果を最大化する9つの重要なコツ

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インサイドセールスとは、電話やメール、オンラインミーティングなどを通じて、リモートで顧客との関係を構築する取り組みを指します。特にBtoBビジネスで効果を発揮し、顧客との密なコミュニケーションを通じて、ニーズを的確に把握し、最適なソリューションを提案することが求められます。

しかし、インサイドセールスの運用を成功させるには、いくつかの重要なスキルと戦略が必要です。本記事では、インサイドセールスの運用効果を高めるために必要なスキルや具体的なコツについて詳しく解説します。 

インサイドセールスの運用効果を高めるために必要な3つのスキル   

インサイドセールスの運用効果を高めるためには、前提としていくつかの重要なスキルが必要です。

  • ヒアリング力
  • 継続力
  • トークスキル(提案スキル)

ヒアリング力

インサイドセールスでは「いかに顧客のニーズを聞き出すか」が成功の鍵です。顧客が抱える課題やニーズを深く掘り下げるためには、高いヒアリングスキルが欠かせません。顧客の言葉に耳を傾け、的確な質問を投げかけることで、真のニーズを引き出すことができます。

継続力

インサイドセールスは地道に顧客との関係性を築いていく活動です。そのため、チーム全員が常にモチベーションを高く保ち続けることが求められます。適正のあるメンバーを選ぶことはもちろん、モチベーションを維持し続けられるような効果的なチームマネジメントも欠かせません。定期的なフィードバックや評価制度を導入し、メンバー一人ひとりの成長をサポートすることが重要です。

トークスキル(提案スキル)

顧客の課題やニーズに合わせて、柔軟に提案の仕方を変えるためには、応用的なトークスキルが求められます。トークスクリプトやシナリオをきちんと用意することで、チーム全体のトークスキルの質を高めることが可能です。これにより、どのメンバーも一貫性のある高品質な対応ができるようになります。

これらのスキルを身につけることで、インサイドセールスの運用効果を飛躍的に高めることができます。

インサイドセールスの効果を最大化する9個のコツ    

先述の3つの重要なスキルを踏まえて、ここからは具体的に効果最大化に繋げるための運用のコツについてみていきましょう。

  • チーム全員がカスタマージャーニーをきちんと把握する
  • KPIの設定、周知
  • リードに合わせたトークスクリプト・シナリオを設計する
  • アプローチ前に顧客に関する情報を収集し、仮説を立てておく
  • ヒアリング時には「BANTCH」を活用し、漏れなく情報を聞くようにする
  • トークスキルを高めるためにロールプレイングや「SPIN話法」などの手法を活用する
  • MAやSFA、CRMツールを活用し、インサイドセールスの取り組みを数値化する
  • 定期的にメンバー間でノウハウやナレッジを共有する
  • 受注、失注それぞれの要因を分析し、可視化する

コツ1:チーム全員がカスタマージャーニーをきちんと把握する

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カスタマージャーニーは、リードに対して最適な提案を行うための基盤となるもので、すべてのチームメンバーがその重要性を理解し、共有することが不可欠です。カスタマージャーニーをきちんと作成し、チーム全員に周知させることで、メンバー全員が同じ方向を向いた状態で顧客との関係構築を図ることができます。具体的には、顧客がどのような経路を辿って購買に至るのか、どのポイントでどのような情報を提供すべきかを明確にすることが重要です。

また、作成したカスタマージャーニーをチーム全員に共有する上で、理解を深めるためのトレーニングやワークショップを実施することも重要です。これにより、各メンバーが一貫性のあるアプローチを行い、顧客との関係性を強化することができます。

コツ2:KPIの設定、周知

KPIの設定と周知は、インサイドセールスチームが一丸となって目標達成に向けて取り組むために不可欠です。KPIを具体的に設定することで、各メンバーが何を目指し、どのような行動を取るべきかが明確になります。KPIには、リード数、コンバージョン率、成約数、フォローアップ回数など、各プロセスの重要な指標を含めましょう。

設定したKPIはチーム全体に周知させる必要があります。これにより、全員が同じ目標に向かって努力することができ、チームの一体感が生まれます。また、KPIは単に設定して終わりではなく、定期的に達成状況を振り返り、必要に応じて目標を見直すことが重要です。例えば、月次や四半期ごとにKPIの進捗を確認し、達成度に応じたフィードバックを行うことで、チーム全体のモチベーションを維持し続けることができます。

KPIの達成状況や内容を定期的に振り返ることで、各メンバーが自分の役割や行動の効果を実感しやすくなります。さらに、達成度が低い場合には、問題点を明確にし、改善策を講じましょう。このようなプロセスを繰り返すことで、効果的な運用が実現し、結果的にインサイドセールスのパフォーマンス向上につながります。

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コツ3:リードに合わせたトークスクリプト・シナリオを設計する

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リードに合わせたトークスクリプトやシナリオを設計することは、インサイドセールスにおける成功の鍵です。セールストークの質を一貫して高めるためには、チーム全員が共通のフレームワークを持つことが重要なためです。

まず、トップセールスマンの成功事例を分析し、その特徴を取り入れてみましょう。彼らがどのように顧客の心を掴むのか、そのトークの流れやアプローチ方法を具体的に洗い出します。例えば、初対面の顧客に対してどのような言葉で信頼感を築くのか、クロージングの際にどのような質問を投げかけるのかなどです。

過去に断られたトークや失敗事例も貴重な情報源です。なぜそのトークが失敗したのか、どの部分が顧客に響かなかったのかを分析することで、同じ過ちを繰り返さないようにします。これにより、トークスクリプトやシナリオがより実践的で効果的なものとなるでしょう。

【フローチャート付き】インサイドセールスを成功させるトークスクリプト作成のコツ

 

次に、リードの特性に合わせてカスタマイズすることも重要です。リードの業種、規模、ニーズに応じて異なるアプローチが求められるため、それぞれに最適なトークスクリプトを用意します。例えば、技術系のリードには具体的な技術的メリットを強調し、経営層にはROIやコスト削減効果を前面に出すなど、ターゲットに応じた柔軟な対応が必要です。

さらに、トークスクリプトやシナリオの効果を定期的に振り返り、必要に応じて更新することも欠かせません。顧客の反応や市場の変化を踏まえて、常に最新の情報と戦略を取り入れることで、セールストークの質を維持し続けることができます。

コツ4:アプローチ前に顧客に関する情報を収集し、仮説を立てておく 

顧客にアプローチする前に、徹底的な情報収集と仮説立ては極めて重要です。まず、顧客の業界情報、企業の背景、担当者の役職や職務内容、過去の取引履歴などを詳細に調べることで、顧客の現状や課題を把握することができます。また、SNSや業界ニュース、企業のプレスリリースなどを活用し、最新の動向やトレンドも押さえておきましょう。

次に、収集した情報を基にして、顧客が抱えるであろう問題やニーズを予測し、仮説を立てます。この仮説があることで、アプローチ時に具体的な話題を提供でき、より深いヒアリングが可能となります。さらに、仮説が正確であれば、顧客は「この営業担当者は自社のことを理解している」と感じ、信頼関係の構築もスムーズに進むでしょう。

例えば、顧客が新しい製品を発表したばかりであれば、その製品の市場投入に伴う課題やニーズについて質問することが効果的です。また、競合他社の動向や市場環境の変化についての仮説を立てることで、顧客の戦略や計画に関する具体的な質問も可能となります。

情報収集の段階で重要なのは、単にデータを集めるだけでなく、そこから有益なインサイトを引き出すことです。これにより、顧客との対話が単なる質問の連続ではなく、価値のある情報交換となります。仮説を基にした質問や提案は、顧客のニーズを深掘りし、より具体的な解決策を提供するための重要なステップとなります。

また、顧客との初回接触で得た情報を基にして仮説を修正・補強し、次のアプローチに活かすことも忘れないようにしましょう。情報収集と仮説立ては一度きりの作業ではなく、継続的に行うことで、より精度の高い提案が可能になります。

コツ5:ヒアリング時には「BANTCH」を活用し、漏れなく情報を聞くようにする   

img4顧客とのヒアリング時において、情報を漏れなく収集するために「BANTCH」というフレームワークを活用することが非常に効果的です。

BANTCHとは、営業において顧客の受注確度を明確化するためのヒアリングフレームワークであり、以下6つの要素から成り立っています。

 

  1. Budget(予算):顧客がどの程度の予算を持っているかを確認します。これにより、提案する商品やサービスが顧客の予算内に収まるかどうかを判断できるでしょう。
  2. Authority(決裁権):誰が最終的な決定権を持っているのかを把握することが重要です。これにより、適切な人物に対してアプローチを行い、無駄な時間を省くことができます。
  3. Needs(ニーズ):顧客が何を求めているのか、どのような問題を解決したいのかを明確にすることで、より具体的な提案が可能になります。顧客のニーズを深堀りすることで、より効果的なソリューションを提供できるでしょう。
  4. Timeframe(検討時期):顧客がいつまでに問題を解決したいのか、または購入を検討している時期を確認します。これにより、提案のタイミングを最適化し、成約率を高めることができるでしょう。
  5. Competitor(競合):顧客が他にどのような競合製品やサービスを検討しているのかを把握することで、自社の強みをアピールし、差別化を図ることができます。
  6. Humanresources(人員体制):顧客の組織内で、どのような人員がプロジェクトに関わっているのかを知ることも重要です。これによって、関係者全員に対して適切な情報提供やフォローアップが可能となります。

 

BANTCHを活用することで、顧客の現状と課題を適切に聞き出し、漏れなく情報を収集することができます。

コツ6:トークスキルを高めるためにロールプレイングや「SPIN話法」などの手法を活用する

トークスキルを高めるためには、単にトークスクリプトを用意するだけでは不十分です。顧客との関係構築においては、マニュアル化できないリアルなコミュニケーションが求められるからです。

そのため、ベースとなるトークスキルの向上が欠かせません。ここで有効なのがロールプレイングや「SPIN話法」などの手法です。

ロールプレイングは、実際のセールスシナリオをシミュレーションすることで、セールスチームが直面する可能性が高い状況に対する対応力を養います。例えば、顧客からの予期しない質問や反論に対する即興の応対力を高めることができます。これにより、現場でのパフォーマンスが大幅に向上するでしょう。

「SPIN話法」は、顧客の潜在ニーズを引き出す営業手法のひとつであり、特にBtoBセールスで効果的な対話技術です。この手法には4つの質問が含まれます。

 

  1. 状況質問(Situation Questions):顧客の現状や背景を把握するための質問です。例えば、「現在のシステムはどのように運用されていますか?」といった質問が該当します。
  2. 問題質問(Problem Questions):顧客が直面している具体的な問題や課題を明らかにする質問です。「現在のシステムにどのような問題がありますか?」と尋ねることで、顧客のニーズを深掘りします。
  3. 示唆質問(Implication Questions):問題が解決されない場合の影響を示唆する質問です。これにより、顧客が問題の深刻さを認識するようになります。「この問題が続くと、どのような影響がありますか?」といった質問が有効です。
  4. 解決質問(Need-payoff Questions):問題が解決された場合のメリットを確認する質問です。顧客に解決策の価値を感じさせることで、購入意欲を高めます。「もしこの問題が解決したら、どのようなメリットがありますか?」と問いかけます。
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これらの質問手法を駆使することで、顧客のニーズをより深く理解し、適切な提案が可能になるでしょう。

コツ7:MAやSFA、CRMツールを活用し、インサイドセールスの取り組みを数値化する

img5インサイドセールスの取り組みを効率化し、効果を最大化するためには、MA、SFA、CRMツールの活用が不可欠です。これらのツールを活用することで、顧客情報の詳細な分析やフォローアップが容易になり、インサイドセールスの様々な取り組みで得た情報を効果的に蓄積することができます。

またツールを効果的に活用することで、インサイドセールスの取り組みを数値化し、具体的なデータに基づいた改善策を導き出すことも可能です。例えば、KPIを設定し、定期的に振り返ることで、目標達成に向けた進捗を確認し、必要に応じて戦略を修正することができるでしょう。

おすすめなツールとしては、HubSpot、Salesforce、Zoho CRMなどが挙げられます。各ツールの特徴や機能を比較検討し、自社のニーズに最適なものを選定することが重要です。これにより、インサイドセールスの取り組みを一層強化し、ビジネスの成長を促進することが可能となります。

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コツ8:定期的にメンバー間でノウハウやナレッジを共有する 

インサイドセールスチームが成功するためには、定期的なノウハウやナレッジの共有が不可欠です。データ分析やツールによって得られる情報も重要ですが、現場でのリアルな経験や知見は、数値データだけでは捉えきれない価値を持っています。例えば、新しいアプローチ方法や顧客対応の工夫、失敗から学んだ教訓など、定性的な情報はチーム全体のスキルアップに大いに貢献するでしょう。

このようなノウハウやナレッジを効果的に共有するためには、いくつかのポイントがあります。まず、定期的なミーティングやワークショップを開催し、チームメンバーが自由に意見を交換できる場を設けることが重要です。これにより、最新のトレンドや成功事例、失敗事例など、実践的な情報を共有しやすくなります。また、オンラインのナレッジベースや共有フォルダを活用することで、いつでもどこでも情報にアクセスできる環境を整えることも効果的です。

さらに、情報共有の際には、定量的なデータと定性的な情報をバランスよく取り入れることが求められます。例えば、顧客対応の成功事例を共有する際には、その背景にある数値データ(KPIの達成状況や顧客満足度の向上など)と、具体的なアプローチ方法やコミュニケーションの工夫を併せて説明することで、より具体的で実践的な学びが得られます。

コツ9:受注、失注それぞれの要因を分析し、可視化する

img6受注や失注の要因を分析し、それを可視化することは、インサイドセールスの成長において極めて重要なステップです。まず、受注や失注のすべてのケースをデータとして収集し、それを分析するためのツールを活用しましょう。例えば、CRMツールやデータ分析ツールを使用することで、受注に至った成功要因失注に至った失敗要因を具体的に洗い出すことができます

ツールだけでなく、メンバーとのリアルなコミュニケーションも欠かせません。定期的なミーティングやフィードバックセッションを通じて、各メンバーが感じた成功の要因や改善点を共有する場を設けることが重要です。これにより、データからは見えにくい感覚的な要因や、現場でのリアルな体験が反映され、より深い洞察が得られます。

分析結果は、チーム全体で共有し、視覚的にわかりやすくすることがポイントです。グラフやチャートを用いることで、多くの情報を一目で把握できるようにし、全員が同じ理解を持つことができるようにします。これにより、情報の透明性が高まり、メンバー間での共通認識が生まれます。

次に、得られた分析結果を基に具体的な取り組みの見直しや改善策を実行に移しましょう。例えば、失注の要因が顧客のニーズの不十分な把握にあった場合は、ヒアリングスキルを強化するためのトレーニングを実施するなどの具体策が考えられます。また、受注の成功要因が特定のトークスクリプトにあるとわかった場合は、そのスクリプトを全体で共有し、標準化することも有効です。

外注も活用しながら、優先度をつけてインサイドセールスの効果をスムーズに高めていこう

インサイドセールスは現代のビジネスにおいて非常に重要な役割を果たします。その効果を最大化するためには、9つのコツを押さえることが求められます。しかし9つすべてをスムーズに網羅するのは難しいですし、企業の状況によって優先すべきコツは異なってくるため、これを整理する必要があるでしょう。そのような時、外部のコンサルタントや専門家の力を借りるのがおすすめです。

外部の知見を取り入れることで、自社のリソースを効率的に活用し、より高い成果を上げることが可能となります。

インサイドセールスの成功は、持続的な成長と顧客満足度の向上に直結します。ぜひ、これらのポイントを参考にして、インサイドセールスの戦略を見直してみてください。

 

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