B2B Compass
インサイドセールスの導入は、企業がビジネスの成長を達成するための重要な戦略の一つです。しかし成功させるためには、戦略の適切な理解と運用が不可欠となります。
そこで本記事では、インサイドセールスの成功事例をご紹介し、その事例をもとに成功までの道のりでとくに重要となる運用ポイントについてなどを詳しく解説していきます。
商談率や受注率を上げるための具体的なアクションも掲載しているなど、インサイドセールスの効果を最大限に引き出すためのヒントが満載です。これらの情報を活用して、あなたのビジネスも次のレベルへと進化させてみませんか?
インサイドセールスは企業の成長を牽引するための重要な戦略であり、その成功事例は多岐にわたります。
本セクションでは、11の事例を
・商談率向上
・受注率向上
・アポイントの新規獲得
・業務効率や組織強化
の4つの軸に分類し、効果的なインサイドセールスの運用ポイントを詳しくご紹介していきます。
BtoB向けのセキュリティサービスを提供している企業の事例です。同社はサービスの特性上購買関与者が多く、リードタイムが長くなるという課題がありました。そのため営業内で完全に対応できず、一度商談をして見込みが薄いと判断した顧客に関しては放置してしまうという状況に。
そこでアポの獲得数よりも有効商談数を重視すること、また注力セグメントにリソースを集中することを方針と定め、従業員と業種でセグメント化して顧客の優先順位を整理。
顧客の状態に合わせてアプローチした結果、有効商談数は3倍にまで増加しています。
クラウドセキュリティサービスを提供している企業の事例です。同社は利用企業の増加やマーケットの拡張などの影響から、営業リソース不足の課題を抱えることとなります。
そこでリソース不足の中でも生産性を向上させるべく、インサイドセールスを実施。顧客分析・市場調査をもとにターゲットを選定していった結果、フィールドセールスの生産性向上を成功させました。また休眠顧客のナーチャリングに取り組み、特定エリアの商談機会創出も達成しています。
福利厚生サービスを提供している企業の事例です。同社はテレビ出演をきっかけにインバウンドの問い合わせが増加したものの、既存顧客のフォローアップをこれまで以上に重視していきたいという考えからインサイドセールスを導入しました。
インバウンドで問い合わせをした企業の7割にはインサイドセールスで提案が完結できるよう対策し、さらにフィールドセールスによる移動時間の削減を実現。1日4~5件だった商談数を、14件以上にまで増やすことに成功しました。
求人広告などの人材サービスを提供している企業の事例です。
同社では、営業トークのAI分析ツール「UpSighter(現COGシリーズ)」や、「ベルフェイス」というオンライン商談ツールを導入。
ツールの活用によりトークを可視化したり、複数回必要だったコミュニケーションを減らし顧客への負担軽減に成功しています。
具体的には、UpSighter(現COGシリーズ)を使いトークを可視化したことで成績上位の営業担当者のコミュニケーションテクニックが把握でき、このテクニックを社員教育に活用。
またベルフェイスの導入では、ファーストコンタクトから商談へスムーズにスライドできるようになり受注率の向上を達成。さらには画面共有機能のおかげで顧客とのやりとりも効率化できるようになりました。
商品撮影サービスを提供している企業の事例です。同社は顧客から「一度サービス(撮影機材など)を見たい」と問い合わせを受けた際、本当にサービスを必要としているのかわからない状態で商談を行っていました。そのためなかなか受注につながらない状況に陥っていたようです。
そこで非効率な営業活動を改善すべく、インサイドセールスを導入しました。
導入後、電話段階で顧客ニーズを把握できるようになったほか、確度の高いリードに集中できるようになり、結果、受注率は2倍以上にまで増加。電話段階でサービスについて十分に理解してもらった上で商談を行うやり方に変えたことで、リードタイムを従来の1/2にまで縮小することにも成功しています。
通信サービスを提供している企業の事例です。同社は中規模顧客や中堅企業層への定期的なコミュニケーションを適切に行えていない課題がありました。
そこで15名体制のインサイドセールスチームを作り、約2,000社のリードナーチャリングを実施。電話やネットワーク・セキュリティサービスなど、通信に関するさまざまな商材のアプローチをしたことで確度が高いホットリードを営業部門に引き渡すことができるようになり、結果年間15億円規模の売り上げにも貢献したのだそうです。
日本最大級の不動産情報サービス事業を展開する企業の事例です。
同社は、Salesforceが提唱する営業モデル「The Model」を自社向けにアレンジした営業プロセスを策定し、自社に最適な営業プロセスによる営業の効率化とDXを進めました。
商談ログ蓄積ツール「MiiTel」を導入したことで、チーム内での商談情報共有とフィードバックが可能に。トップセールスメンバーの通話内容を分析してトークスクリプトを改良したり、録音データを新入社員研修に利用したりするようになりました。ほかにも、不通率とアポイント獲得率の関連性を分析した上での通話ルールの策定などもしているようです。
Webマーケティング支援を行う広告代理店の事例です。同社のインサイドセールスは、新規開拓企業の課題特定や分析に時間をかける点が特徴。マーケティングを重視した取り組みでターゲットをできるだけ細かく絞り込み、効率的な新規開拓に繋げています。
他にメルマガに記載のセミナー情報から他社のアポイント獲得方法や成功事例を学習し、自社で活用するなど、積極的な情報収集を行い、自社に最適なインサイドセールス手法を導入することも行っています。
また同社はセミナー開催も行っており、開催時には主宰者や企業が発表する内容をアプローチのフックとして利用し、アポの獲得へとつなげているようです。
セキュリティサービスを提供している企業の事例です。新規リードを多く獲得してもほとんど育成できていないという問題を抱えていました。
そこできちんとリードナーチャリングを行うために、インサイドセールスを導入し始めました。
結果、保有していた1万件ほどのメーリングリストを資産化することに成功。リードの課題を把握でき、ペルソナ像が以前よりクリアになったそうです。合わせてリードイベントの案件化率も改善されました。
決済サービスを提供している企業の事例です。同社は、顧客層や製品ごとに効果的なアプローチができていない課題がありました。そこで、製品ごとにフォーカスしたインサイドセールスを行うことに。
現状の手法のブラッシュアップからリード定義の設計、製品別のトークスクリプト作成などを行ったことで、リードの購買意欲を効果的に高められるようになり、効率的な案件化に繋げているようです。
CRM/SFAツールを提供する企業の事例です。同社はアポイントの獲得率や商談から受注までの変動など、さまざまな指標を数値ベースで把握することで、組織全体の業務効率化とスキル向上を達成しています。
具体的にはBIツール「Tableau」を利用し営業活動の各プロセスや進捗状況をリアルタイムにチェック。メンバーごとの感覚や経験ではなく、データベースをもとにした迅速な判断と対応を可能としました。
加えてAI技術を活用したインサイドセールスの営業トーク分析により、最適なトークを再構築。さらにスコアリングも実施し、トークの質向上に繋げています。
またメンバー間でのフィードバックも公開チャットで行い、組織全体のスキル向上を図っているようです。
インサイドセールスを成功させるためには、明確な戦略設計と適切な人員配置が不可欠です。効果を発揮できるインサイドセールスの運用ポイントとして、主に以下が挙げられます。
営業活動を行う上で重要な要素となるのが顧客情報や市場のニーズです。これらの情報を日々収集し、更新していくことで顧客とのコミュニケーションや提案の質を向上できます。
顧客のビジネスや業界状況、個別の課題やニーズを深く理解できれば、より具体的で効果的なソリューションを提案できるようになるでしょう。
インサイドセールスはさまざまなメンバーや部署が連携して行われることが多いです。各部署、各メンバーが持つ視点や役割は異なるため、全員が共通の目標に向かって努力できるようにするためにもKPIの設定は必須です。明確な共通指標があることで、メンバーは自分の役割と目標を理解しそれに基づいた行動をとれるようになります。
なお、組織の課題や改善点を明らかにし、より効果的な戦略を立てるためにもKPIは定期的に見直すことが大切です。
インサイドセールスでは、リードジェネレーションとリードナーチャリングの要素を組み込んだ全体的な戦略設計が重要となります。
見込み客の獲得から育成はもちろん、最終的な成約に至るまでの一連のプロセスを見据えることが大切です。それぞれの段階で効果的なアプローチや通信手段を計画的に選択し、適切に活用していきましょう。
インサイドセールスを成功させるためには、営業能力だけでなくマーケティングスキルやITリテラシーが必要であり、こういったスキルを持つ人材の確保や業務の適切な分担も重要な要素です。とくにデジタルツールを使った営業活動が主流となる中においては、ITリテラシーの持つ重要性はますます高まっています。
内部に適切な知見を持つ人材が不在の場合、外部の支援会社を活用することも手法の一つです。外部に委託することで、戦略策定から運用までのフローをスムーズに進められるでしょう。
私たち電通B2Bイニシアティブでは、インサイドセールスはもちろん、インサイドセールスの効果最大化に繋げるために欠かせないリードジェネレーション〜リードナーチャリングまで、各マーケティング施策を一気通貫でご支援します。
B2B領域の専門チームが担当いたしますので、戦略設計〜各施策をハイクオリティなレベルで実施でき、リソースが限られた企業さまでも高い成果にコミットしていけます。
インサイドセールスの外部活用をお考えでしたら、ぜひご検討くださいませ。
BANT条件などの受注見込み度合いを判断するフレームワークを活用することで、各顧客へのアプローチ方法が明確化され、受注の可能性を高められます。
を判断するためのフレームワーク。これを活用することでより効率的な営業活動を行えます。
また近年のテクノロジーの進化に伴い、高品質なセールスツールも増えてきておりますいる模様。こういったツールを使うことで顧客情報の管理をより精密に行え、受注可能性を高められます。
顧客の動向やニーズをより詳細に把握でき、それに応じた提案が可能となるため、インサイドセールスの効果を最大限に発揮するための重要なポイントと言えるでしょう。
インサイドセールスの効果的な導入運用について、以下記事でもご紹介しております。
インサイドセールスとは?非対面式営業を導入して費用対効果を高めよう
インサイドセールスの要である商談率・受注率を上げるポイントとして、大きく2点が挙げられます。
効果を最大限に発揮するためには、適切な運用ポイントの理解と活用が必要です。本セクションでは、これら商談率・受注率の向上につながる要素について深掘りしていきます。
インサイドセールスは、見込み客の育成から確度の高い商談への橋渡しまでの一連のプロセスを担っています。そのため見込み客と良好な関係を構築することは、貴重な商談の機会につながるだけでなく、結果として受注率の向上を目指せるのです。
関係構築は、お客様のニーズを理解すること、またそれに対する適切な解決策を提供することで実現できるでしょう。
見込み顧客の育成はマーケティングの領域に属している一方、商談はフィールドセールスの領域となります。マーケティングとフィールドセールスの間の領域として位置しているインサイドセールス。相互連携は欠かせず、両者間での情報共有と連携は重要な要素となります。
両者間でのきちんと連携できていれば、見込み顧客のニーズを正確に把握できるだけでなく、適切なタイミングで商談を進行できるでしょう。それに伴い、商談率や受注率の向上も期待できます。
企業によって成功事例はさまざまですが、いずれも「顧客ニーズ」にフォーカスした取り組みを行っていることがわかりました。適切なKPIや顧客分析、リードナーチャリングの設計などは、顧客に合わせたアプローチを可能とし、結果受注率やアポイント率の向上をもたらします。
いずれも形だけではなく、自社の既存の体制や営業プロセス、リソース状況を加味することで、最適なインサイドセールスの構築が可能となります。ぜひ本記事を参考に、自社に最適なインサイドセールスの形を検討してみましょう。
B2B Compass編集部
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