お役立ち記事

“他のお客様トーク”で聞きにくいことをサラッと聞く

作成者: 菊原 智明(きくはら ともあき)|Nov 20, 2024 8:13:35 AM

経営者や営業マン向けの営業サポートコンサルティングを行っている菊原と申します。「対人恐怖症」にまで陥りながらも新たな営業スタイルを確立してトップ営業マンになった私の営業の考え方をシリーズで配信していきます。

第13回目の今回は「言いにくいことを聞くテクニック」をテーマにお話し致します!!

新型コロナウイルスの影響で営業方法が従来から様変わりしている中で、営業方法に迷うことが増えてきた方に少しでもお力になれば嬉しいです!

聞きたいけど聞きにくい・・・さあどうする?

営業活動をする上で”聞くべきこと”がたくさんあります。

だからと言って、出会ったばかりのお客様に対して、核心を突く質問はしにくいものです。

ましてや悩みやプライベートの話なども無理でしょう。

営業として聞きたいことはあるけどなかなか聞けない・・・という悩みを抱えている営業スタッフは少なくありません。

そんな時にいいテクニックがあります。

それは”他のお客様トーク”というものです。

他のお客様トークとは「他のお客様に言わせる」といった感じです。

このトークをつかえば、聞きにくいことも格段に聞きやすくなります。

この言い方ですと、お客様の方も答えやすくなるといった効果もあります。

他のお客様の例を聞いて「実はうちも・・・」と本音が出てきたりします。

結果を出している営業スタッフはこの”他のお客様トーク”を上手く使ってお客様から上手に情報を聞き出しているのです。

失礼にならず貴重な情報を聞き出す

この”他のお客様トーク”はいろいろな場面で応用できます。

例えば”この人に決定権があるのかな”ということが分からないお客様がいたとします。

商談を進めておいて最後に「では上司に決済を取り付けます」となったのではなかなか契約には至りません。

その前に決定権があるかどうか知っておきたいところですが、ストレートに「あなたは本当に一人で決断できるのですか?」などとは聞きにくいのです。

そんな時に”他のお客様トーク”を使います。

「私が担当しているクライアントは”〇千万以上案件は上司から決済が必要だ”と言っていましたが、お客様はいかがでしょうか?」と聞くのです。

こう聞かれれば「そうですね、当社も上に決済が必要になってきます」と答えるかもしれませんし、「いや、私だけで判断します」と答えるかもしれません。

どちらにしても失礼にならず、貴重な情報を聞き出すことができるのです。

”他のお客様トーク”は便利だが、注意点もある

他のお客様トークは便利ですが、使い方に注意しなくてはなりません。

例えばですが、あなたが服を買いに行ったとします。

接客してくれた店員さんから「他のお客様もこのタイプを選んでいて”とてもいい”と言っていますよ」と言われたらどうでしょうか?

服にあまりこだわりがない人ならば「他の人も選んでいるんだから、これでいいか」と思う場合もあります。

しかし、場合によっては「他のお客様と一緒にしないで欲しい」と思うこともあるのです。

オシャレな知人は「人とかぶったらその服は捨てる」というこだわりを持っています。

このケースでは逆効果になってしまうのです。

以前、パソコンを見に行った際、店員さんから「こちらの商品は他のお客様も選んでいて、大変満足頂いております」と言われました。

見るとかなり高額です。

この時「なにか高いものを売りつけられそうだ」といった印象しか持ちませんでした。

何かを薦める時にはあまり適していないのです。

他のお客様トークで不安なこと、心配なことを聞き出す

“他のお客様トーク”のベストの活用としてはベストなのが“不安なこと、心配なことを聞き出す”ということです。

住宅営業の例でお話しします。

住宅営業の場合、多くのお客様は“ローンが借りられるか”もしくは“借りたお金を返していけるか”ということに関して不安に思っています。

そこで「私が担当しているお客様の多くが、お金の問題に関して心配される方が多いのですが、お客様はどうでしょうか?」と投げかけるのです。

ほとんどのお客様が「家を建てるのはいいが、払っていけるだろうか・・・」と不安に思っていました。

この他のお客様トークすると、たいていのお客様は「うちもそのあたりが一番心配でして」と言ってきます。

ここから話を深く聞いていくのです。

話したがらないお客様にはツールを使う

お客様によっては不安や心配ことはあるものの、詳しく話したがらない人もいます。

そんな時はツールを使います。

「他のお客様の例ですが・・・」と事例をチラッと紹介します。

もちろん個人情報には十分注意を払いますが。

私が作ったツールはこのようなものでした。

  • 年収300~500万円ゾーンの資金シミュレーション
  • 年収500~700万円ゾーンの資金シミュレーション
  • 年収700~1000万円ゾーンの資金シミュレーション
  • それ以上の年収の資金シミュレーション

と4パターンの資金シミュレーションを作成していました。

これを見せると、お客様は自分のゾーンを見て「うちはこのくらいまで借りられるのね」と指をさしたりします。

これでお客様の予算感がつかめます。

ツールを使って今後の商談において非常に大切な情報が手に入れるのです。

心配ことが解決すれば購入のモチベーションは上がる

もちろん他の商品を扱っている方でも“お金の問題”は重要です。

話を進める場合に必ずクリアしなくてはなりません。

「資金はまったく心配ない」といったクライアント、お客様という方が少ないと思います。

そんなお客様も資金シミュレーションを見て「この予算ならば大丈夫そうだな」と安心する場合が多いものです。

問題点がクリアできれば話が進みます。

こうなればお客様の購買のモチベーションは上がっていきます。

“他のお客様トーク”で活用し話を有利に進めてください。

参考文献:一瞬で心をつかむ!聞く力

営業で結果を出すのはもちろんのこと、コミュニケーションスキルを磨くには”聞く力”が必要不可欠です。

聞く力をマスターすれば人に好かれ、仕事がうまく回るようになります。

そこで、私が長年かけて身につけてきた聞く力について1冊の本にまとめました。

これからは聞く力を身につけた人が生き残り、結果を出していきます。

営業、仕事、プライベートなど、あらゆる場面で使えます。

ぜひ参考になさってください。

Amazon.co.jp:一瞬で心をつかむ! 聞く力:菊原 智明

関連記事
77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.1

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.2

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.3

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.4

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.5

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.6

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.7

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.8

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.9

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.10

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.11

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る’’ここだけの話’’:vol.12