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【2024年問題】Web-EDIとは?EDIとの違いと導入の必要性

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EDIは、企業間で取引データを電子的に交換する技術です。従来のEDIは専用の通信回線やプロトコルを使用しており、導入や運用には高いコストと技術的なハードルが伴っていました。しかし、近年ではWeb技術の進化に伴い、インターネットを介して手軽に利用できるWeb-EDIが注目を集めています。本記事では、まずEDIの基本的な概念を把握しつつ、近年話題の移行問題と、Web-EDIに焦点を当てて詳しく解説していきます。

デジタル化が進む現代において、EDIの最新動向を理解し、適切に活用することは企業の成長戦略において不可欠です。この記事を通じて、Web-EDIの導入を検討する際の参考となる情報を提供し、実際のビジネスにどのように役立つかを具体的に示していきます。

EDIとは?EDIの定義とできること

まずはEDIについて、何ができるのか、改めて理解を深めておきましょう。

EDIの定義

EDIとは、Electronic Data Interchange(電子データ交換)の略称で、企業や行政機関などがコンピュータをネットワークで繋ぎ、伝票や文書を電子データで自動的に交換することを指します。この技術により、手動でのデータ入力や紙ベースの書類のやり取りが不要になり、業務効率の向上とエラーの削減を実現します。

平成元年、通商産業省の「電子計算機相互運用環境整備委員会」では、EDIを「異なる組織間で取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること」と定義しました。この定義は、異なるシステム間でのデータ交換を円滑にするための標準規約の重要性を強調しています。

また、JIS X 7011では、EDIを「トランザクション又はメッセージデータを構成することを目的に合意された規約を用いた、商業上又は行政上のトランザクションの電子計算機適用業務から電子計算機適用業務への電子的な転送」と定義しました。この定義は、商業活動や行政手続きにおけるデータ交換の効率化と標準化を目的としています。

EDIができること

EDIの主な利点には、データの正確性の向上、業務処理の迅速化、コスト削減、そして取引先との関係強化が挙げられます。これにより、企業は在庫管理の精度を高め、注文処理のスピードを向上させることが可能です。さらに、電子データ交換は環境に優しく、紙の使用量を減少させるというエコロジカルなメリットもあります。

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例えば、EDIは注文書や請求書、出荷通知などの標準的なビジネス文書を電子フォーマットで交換することが可能です。これにより、手作業による入力ミスを削減し、データの正確性を確保します。さらに、EDIを導入することで、取引先とのコミュニケーションを効率化し、ビジネスプロセス全体のスピードアップが図れます。例えば、在庫管理のリアルタイム化や、納期の短縮が実現するでしょう。

また、取引に関わるコストも削減できます。紙や郵送費、手作業による処理時間の削減により、企業は経費を節約することができます。そして、EDIは高いセキュリティ基準を持つため、データの機密性や整合性を保つことも可能です。これにより、企業間の信頼関係を強化することができます。最終的に、EDIの導入は企業の競争力を向上させ、ビジネスの成長をサポート。デジタル化が進む現代において、EDIは不可欠なツールとなりつつあります。

従来のEDIからWebEDIへの移行の動きが始まっている

従来のEDIからWebEDIへの移行の動きが始まっているNTT東西は2024年初頭(1月頃)をもって「ISDN(INSネット ディジタル通信モード)」のサービス提供を終了することを発表しました。

この決定は多くの企業にとって大きな影響を及ぼします。特に、INSネット ディジタル通信モードを利用してEDIを行っている企業にとっては深刻な問題です。補完策は提供されているものの、伝送遅延などの問題が発生する可能性が高く、またその補完策も2028年末で終了となる予定です。

この状況を受けて、日本の企業は従来のガラパゴス化したEDIシステムから脱却し、グローバルスタンダードとなっているWeb-EDIへの移行を検討する動きが活発化しています。Web-EDIはインターネットを利用するため、従来の電話回線を利用したISDNよりも柔軟で迅速なデータ交換が可能です。また、グローバルに展開する企業にとっても、国際標準に準拠したシステムを導入することで、海外との取引がスムーズになるという利点があります。

これがいわゆる「2024年問題」と呼ばれるものであり、日本企業にとっては大きな転換点となるでしょう。今後は、WebEDIへの移行を迅速に進めることで、競争力を維持し、さらには向上させることが求められます。この移行が円滑に進むことで、企業間のデータ交換が効率化され、業務のスピードや精度が向上することが期待されます。

したがって、多くの企業は今すぐにでもWebEDIへの移行計画を具体化し、システムの導入と運用開始に向けた準備を進めることが重要です。

 Web-EDIとは?従来のEDIと何が違うのか?

Web-EDIとは、企業間の商取引業務をインターネット回線を利用して電子的にやり取りするシステムのことです。これにより、従来のEDIよりも多くの利便性と効率性が提供されます。

img3Web-EDIの特徴

Web-EDIの特徴として、主に以下が挙げられます。

  • 大容量のデータをスムーズに処理できる
  • 通信コストを削減できる
  • 電話やFAX対応が不要でペーパーレス化やテレワークの実現につながる
  • アナログな受発注よりもコストがかからない

まず、大容量のデータをスムーズに処理できる点が挙げられます。これにより、大量の取引情報を迅速かつ正確に交換することが可能です。また、インターネット回線を利用するため、通信コストを削減することができます。従来の専用回線を使用するEDIと比較して、より経済的です。

さらに、電話やFAX対応が不要となり、ペーパーレス化やテレワークの実現にも寄与します。紙を使わないことで環境負荷を減らし、業務の効率化にもつながるでしょう。また、アナログな受発注よりもコストがかからないため、中小企業でも導入しやすいという利点があります。

従来のEDIとの違い

一方、従来のEDIとの違いとしては、主に回線の違いが挙げられます。従来のEDIは専用回線を使用するため、インフラ整備や維持にコストがかかりますが、Web-EDIはインターネット回線を利用するため、これらのコストが削減されます。さらに、インターネット回線を使用することで、遅延などの問題が発生しにくくなり、リアルタイムでのデータ交換が可能です。

このように、Web-EDIは従来のEDIに比べて多くの利点を持っており、現代のビジネス環境において非常に有用なツールです。企業が効率的かつ経済的に取引を行うための選択肢として、Web-EDIはますます注目されています。

Web-EDI移行におけるポイント

Web-EDIへの移行は、企業に多くの利点をもたらす一方で、以下のようなリスクも伴います。

 

  • セキュリティリスク
  • データの整合性と信頼性
  • システムの互換性
  • 技術的な問題への対応
  • コンプライアンスと法的要件

 

まず、セキュリティリスクは重大な懸念事項です。不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑えるために、強固なセキュリティ対策が欠かせません。次に、データの整合性と信頼性も重要なポイントです。正確なデータが常にやり取りされることを保証するために、リアルタイムでのデータ監視と検証が求められます。

さらに、システムの互換性も見逃せません。異なるシステム間でのデータ交換がスムーズに行えるよう、標準化されたプロトコルの使用が推奨されます。また、技術的な問題への対応も不可欠です。不具合やシステム障害が発生した際に迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

最後に、コンプライアンスと法的要件の遵守も忘れてはなりません。データ保護法や業界特有の規制に適合するための措置を講じることが必要です。これらのリスクに対処するためには、包括的なリスク管理とセキュリティ対策が欠かせません。

 

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企業はこれらの要素を考慮した上で、計画的にWeb-EDIへの移行を進めるべきです。適切な準備と対策を講じることで、リスクを最小限に抑えながら、効率的で安全な取引環境を構築することが可能となります。

Web-EDI主要ツール4選

Web-EDIの特徴などを理解した上で、続いては主要ツールについて把握していきましょう。

NTTデータのWeb-EDIサービス「NTTデータ WebEDIサービス」

「NTTデータ WebEDIサービス」は、ビジネスの効率化と最適化を実現するための先進的な電子データ交換サービスです。

「NTTデータ WebEDIサービス」の特徴

このサービスは、特にグローバルなビジネス環境での高度な対応力を持ち、国際的な取引やコラボレーションを円滑に進めるための強力なツールを提供します。

また、先進的なクラウドインテグレーションを特徴としており、企業のITインフラとシームレスに連携します。これにより、柔軟性とスケーラビリティが向上し、迅速な環境設定や変更対応が可能です。クラウド技術を活用することで、コスト効率と運用効率が大幅に改善されるでしょう。

さらに、総合的なデータ分析ツールを備えており、取引データや業務データをリアルタイムで分析することができます。これにより、企業はデータ駆動の意思決定を行い、戦略的なビジネス運営をサポートします。データの視覚化やレポート生成機能も充実しており、洞察を得るためのプロセスが簡単かつ迅速です。

「NTTデータ WebEDIサービス」の利点

まずグローバルビジネスのサポートが挙げられます。多言語対応や国際規格に準拠した機能を提供することで、異なる国や地域との取引をスムーズに行うことができます。また、クラウドの強みを活かした運用により、インフラのメンテナンス負担を軽減し、ビジネスに集中することが可能です。そして、データ駆動の意思決定をサポートすることで、企業の競争力を高め、迅速かつ正確な戦略立案を実現します。

「NTTデータ WebEDIサービス」は、企業の成長と成功を支えるための不可欠なツールであり、未来志向のビジネス運営を後押しします。

 

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GMOグローバルサインホールディングスのWeb-EDIサービス「GMO B2B Cloud EDI」

GMOグローバルサインホールディングスが提供する「GMO B2B Cloud EDI」は、ビジネス間の電子データ交換を手軽に行えるWebEDIサービスです。このサービスは、以下の特徴と利点を兼ね備えています。

「GMO B2B Cloud EDI」の特徴

まず、利用の手軽さが挙げられます。ユーザーは特別なソフトウェアのインストールや高度な技術知識を必要とせず、インターネットに接続できる環境さえあれば、すぐに利用可能です。次に、コストパフォーマンスも大きな魅力です。初期費用や運用コストを抑えた設計になっているため、中小企業から大企業まで幅広い規模のビジネスが導入の恩恵を受けられます。

また、迅速なセットアップとサポートも提供されます。導入プロセスが迅速であり、専門のサポートチームが常にバックアップしているため、トラブル発生時も安心です。

「GMO B2B Cloud EDI」の利点

まず迅速な導入と簡便性が挙げられます。短期間でシステムを立ち上げ、即座に業務を開始できるため、ビジネスの迅速な展開が可能です。さらに、低コストでの運用が実現されており、初期投資を抑えつつも高い効果を発揮します。これにより、コストパフォーマンスに優れた運用が可能となります。

最後に、フレキシブルなプランとサポートが用意されている点も重要です。企業の成長に合わせて柔軟にプランを変更でき、必要に応じてサポートを受けることができます。

これらの特徴と利点を兼ね備えた「GMO B2B Cloud EDI」は、ビジネスの効率化とコスト削減を目指す企業にとって、非常に有力な選択肢となるでしょう。

富士通のWeb-EDIサービス「INTERSTAGE e-文書サービス」

富士通のWebEDIサービス「INTERSTAGE e-文書サービス」は、ビジネスプロセスのデジタル化を強力に支援するために設計されています。

「INTERSTAGE e-文書サービス」の特徴

まず高いセキュリティと信頼性が挙げられ、企業の機密情報をしっかりと保護します。情報の漏洩や不正アクセスを防ぐための最先端の技術を採用しており、安心して利用できる環境を提供。また、幅広い業界に対応しており、製造業、流通業、金融業など、さまざまなビジネスニーズに応えることができます。業界特有の要件にも柔軟に対応できるため、どのような企業でも効果的に利用することが可能です。

さらに、統合ソリューションを提供しているため、他のシステムやサービスとシームレスに連携し、一貫した業務フローを実現します。

「INTERSTAGE e-文書サービス」の利点

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まず業界最高水準のセキュリティが挙げられるでしょう。富士通は長年にわたり、セキュリティ技術の研究と開発を続けており、その成果が「INTERSTAGE e-文書サービス」にも反映されています。次に、カスタマイズと柔軟性です。企業のニーズに合わせてサービスをカスタマイズできるため、特定の業務プロセスに最適化されたソリューションを提供します。

最後に、総合的なビジネスサポートです。富士通の専門チームが導入から運用まで一貫したサポートを提供し、企業のデジタル化を全面的にバックアップします。これにより、企業はコアビジネスに集中でき、生産性の向上を図ることができます。

JSOLのWeb-EDIサービス「JSOL EDIサービス」

JSOLのWebEDIサービス「JSOL EDIサービス」は、企業が効率的かつ効果的にビジネスを遂行するための強力なツールです。このサービスは、業界固有のカスタマイズ、統合ITソリューションの提供、全面的なビジネスプロセスサポートという3つの主要な特徴を持っています。

「JSOL EDIサービス」の特徴

まず、業界固有のカスタマイズにより、各業界の特性やニーズに応じた柔軟な対応が可能です。これにより、企業は自社の業務フローに最適化されたEDIシステムを構築でき、効率的な運用を実現します。次に、統合ITソリューションの提供により、EDIだけでなく、他のITシステムともシームレスに連携します。これにより、情報の一元管理が可能となり、業務の効率化とデータの精度向上が図れるでしょう。

さらに、全面的なビジネスプロセスサポートにより、導入から運用、保守まで一貫したサポートが提供されます。これにより、企業は安心してシステムを運用でき、トラブル発生時も迅速に対応できるでしょう。

「JSOL EDIサービス」の利点

まず業界特化型カスタマイズが挙げられます。業界ごとのニーズに応じたカスタマイズにより、企業は自社に最適なEDIシステムを利用可能です。次に、「統合ソリューションによる効率化」があります。複数のシステムを統合することで、業務プロセスの効率化とコスト削減が実現します。

最後に、持続的なビジネスサポートとコンサルティングにより、企業は長期的な視点でのビジネス成長を支援。専門家によるコンサルティングとサポートにより、常に最適な運用が可能となります。

以上のように、JSOLのWebEDIサービスは、企業の業務効率化と競争力向上に貢献する総合的なソリューションです。

各Web-EDIツールを選ぶポイントとは?

Web-EDIサービスは多岐にわたり、企業ごとに異なるニーズや業務規模に応じた選択が可能です。まず、GMOのWeb-EDIはコストパフォーマンスに優れているため、特に中小企業に最適です。中小企業は予算制約が厳しいことが多く、低コストでありながらも必要な機能を備えたGMOのサービスは大きな魅力でしょう。

一方、富士通とNTTデータのWeb-EDIサービスは、セキュリティの高さと信頼性が求められる大企業や特定の業界に向いています。これらの企業は、取引データの保護や複雑な業務プロセスの管理に必要な高度なセキュリティ機能を提供しており、医療や金融業界など、非常に高い信頼性が必要とされる分野でも安心して利用できます。

さらに、JSOLのWeb-EDIは高度なカスタマイズ性を誇り、特に大規模な企業に適しているでしょう。多様なニーズに応じた柔軟な対応が可能であり、企業独自の業務フローや特殊な要件に合わせたシステム構築が可能です。これにより、JSOLのサービスは、複雑な業務プロセスを持つ企業や独自の運用方法を求める企業にとって、非常に有効な選択肢となります。

これらのサービスを選ぶ際には、企業の規模や業種、求められる機能や予算を総合的に考慮することが重要です。適切なWeb-EDIサービスを選ぶことで、業務効率の向上やコスト削減、そして情報セキュリティの強化など、さまざまなメリットを享受することができます。

スピーディーなビジネス変化に対応すべく、Web-EDIを早めに検討しよう

2024年に向けて、多くの企業がWeb-EDIの導入を検討する中、その重要性はますます高まっています。従来のEDIと比較して、Web-EDIはインターネットを介して取引データを交換するため、リアルタイムでの情報共有が可能となり、導入コストも抑えられる点が魅力です。また、国際標準規格に準拠しているため、異なるシステム間でも円滑にデータ交換が行え、グローバルなビジネス展開にも適しています。

しかし、導入には事前準備が必要です。システムの選定、社員教育、取引先との連携など多くの課題がありますが、これらを克服することで、企業は競争力を高めることができます。特に中小企業にとっては、資源の有効活用と業務効率化が鍵となります。

結論として、2024年問題を見据えたWeb-EDIの導入は、企業の持続可能な成長を支える重要な要素となるでしょう。今後のビジネス環境の変化に柔軟に対応できるよう、早期の準備と適切な対応が求められます。これにより、企業は新たな成長機会を捉え、競争力を一層強化することが可能となるでしょう。

PROFILE

B2B Compass編集部

B2Bのビジネス課題を解決に導く、コンパス(羅針盤)となるような情報をお届けします。