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メールマガジンはマーケティングの様々なシーンで活躍するコミュニケーションツールです。一度配信システムを構築してしまえば非常に安価なコストで運用することができます。
本記事ではメールマガジンの概要や役割、導入プロセスを分かりやすく解説します。
メールマガジンは業界や企業の最新情報、専門的な知識、製品のアップデート情報などを定期的にメールで配信するマーケティングツールです。
新製品の発売時に割引コードをメールマガジン購読者に先行して提供することで、購買意欲の促進が期待できます。また、パートナー企業に対しては独自のソリューションやサービス実績などを定期的に発信/共有することで、信頼関係の醸成を図ることができます。
メールマガジンはマーケティングプロセス全体を通じて、見込み客の関心を引きつけ、育成し、誘導する強力なツールとなります。
メールマガジン自体は見込み客の獲得のフェーズで直接活用されるわけではありませんが、その登録を促す行為は見込み客を生成する一部として機能します。
例えば、ウェブでメールマガジンの内容を一部公開し、CTA※1ボタンを設置することで訪問者からメールアドレスを収集できる可能性があります。
※1 CTA(Call to Action)は行動喚起です。CTAボタンはリンクボタン、申込ボタンなどを指します。
メールマガジンは見込み客の製品やサービスに対する理解を深めるのに役立ちます。製品の詳細情報、ケーススタディ、顧客の声などの情報は企業への信頼性を高めます。
メールマガジンの開封率やクリック率などの行動データは、見込み客が製品やサービスにどの程度興味を持っているかを測るのに役立ちます。セールスチームは高価値なリードに焦点を当てることができます。
メールマガジンは商談のフェーズでも役立ちます。特定の見込み客に対してパーソナライズされたメッセージを送信し、製品やサービスの利点を強調することができます。
このフェーズでメールマガジンは製品の特別なオファーや割引、または契約を促すその他のインセンティブを提供する手段として活用できます。
ここではメールマガジンに掲載される一般的な内容について解説します。
メールマガジンの内容やトーンはマーケティングフェーズ、顧客の興味やニーズ、企業のブランディング戦略に基づいて調整する必要があります。
電通B2Bイニシアティブは企業の戦略に最適化されたメールマガジンのコンテンツ制作をサポートいたします。BtoBマーケティングのフェーズに合わせたコンテンツ制作もお任せください。
新製品やサービスの発表、または既存製品やサービスのアップデート情報は顧客にとって非常に重要です。顧客に新しい可能性を提示し、最新のソリューションへの理解を深めてもらいます。
期間限定の特別価格やパッケージ、ロイヤルティ報酬などの特別オファーは顧客のエンゲージメント※2を刺激し、販売を促進する上で有効です。
※2 エンゲージメントは顧客が企業や製品、サービスなどに対して抱く愛着や関心です。再エンゲージメントは再び関心を持たせることです。
企業の重要なマイルストーン、新たなパートナーシップ、人事情報、社会貢献活動などのニュースをメールマガジンで発信しましょう。企業ブランドの信頼性と透明性を向上させ、顧客との関係を深めるのに役立ちます。
業界のトレンド、ベストプラクティス、ケーススタディ、ホワイトペーパーなどの教育的なコンテンツは顧客がビジネスを改善するヒントになります。メールマガジンに対する評価向上も期待できます。
テスティモニアル※3やケーススタディを共有することは顧客に具体的なソリューションをイメージアップしてもらう上で重要です。リードナーチャリングはもちろん、既存顧客のロイヤルティ強化に対しても有効です。
※3 テスティモニアルは専門家や使用経験者、有名人などによる商品やサービス説明や推奨意見です。
メールマガジンは定期的に発信されます。その間隔は日次や週次、隔週、月次など、企業のマーケティング戦略に合わせて調整します。顧客が次の発信を期待できるように、一貫性を持った配信サイクルを追求しましょう。
通常の定期配信サイクルとは異なるタイミングでイベントやニュース発表がある場合は臨時・特別配信も有効です。一方で、臨時・特別配信を頻繁に行うと顧客に煩雑な印象を持たれる可能性があります。あくまで定期配信の補完という認識を持つことが大切です。
メールマガジンはBtoBマーケティングにおいてリードジェネレーションからクロージングまで様々なシーンで活用できます。ここではメールマガジンが果たす役割を具体的に解説します。
メールマガジンはリードジェネレーションの契機になる可能性があります。魅力的なメ―ルコンテンツをウェブページやSNSなどに掲載することで企業や製品/サービスに対する興味を持ってもらいます。CTAボタンを活用することで、メールマガジン登録によるリードの生成も期待できます。
メールマガジンでリードナーチャリングをスタートすることができます。製品やサービスの情報を定期的に提供することで、顧客の関心を維持し、購入行動へと導きます。ケーススタディや顧客の声など、実用性の高い情報を掲載することで企業への信頼も高まります。
メールマガジンはエンゲージメントの強化を図る上で重要です。顧客と定期的にコミュニケーションを取り、企業との関係を維持する役割を果たします。
定期的に製品/サービス情報を発信することで顧客のブランドに対する理解を促し、企業のブランディング戦略をサポートします。
教育的なコンテンツは顧客の製品やサービスに対する理解を深め、顧客ロイヤルティを高める効果があります。
特別なプロモーションや新製品の発売情報などをメールマガジンに掲載することで直接的な販売促進活動のチャネルとしても使用できます。
メールマガジンは顧客リテンション※4の強力なツールです。最新の製品情報やサービスのアップデートを定期的に提供することで顧客とのつながりを強化します。
※4 顧客リテンションは顧客との関係を維持していくためのマーケティング活動です。
一般的なメールマガジン導入プロセスを解説します。
企業戦略や企業のリソースによって導入プロセスは最適化される必要があります。電通B2Bイニシアティブではパーソナライズされたメールマガジン導入プロセスをご提案いたします。メールマガジン導入に関してご質問がある場合はお気軽にご相談ください。
メールマガジンを導入する目的を明確に設定することが必要です。製品やサービスの認知度向上、リード生成、クライアントエンゲージメントの強化など企業戦略に沿ったものを設定しましょう。
オーディエンス像を特定していきます。デモグラフィックデータ※5、消費者の行動、既存の顧客データなどを使用し、より具体化していきます。
※5 デモグラフィックデータは人口統計学資料です。ターゲットオーディエンスの性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などを裏付けます。
メールマガジンを受け取る人々が有益と感じ、行動を起こすようなコンテンツを追求しましょう。教育的な情報、製品やサービスの更新、特別なオファーやプロモーションなど、具体的なコンテンツを挙げてコンテンツ戦略を立案していきます。
信頼性のあるメールマーケティングツールを選択します。ツール選択の際はトラッキング、リスト管理、分析などの機能を比較しましょう。
配信頻度は企業戦略やオーディエンスのニーズに基づいて設定していきましょう。定期的な配信スケジュールを設定して読者がコンテンツを期待できるようにすることが重要です。
メールマガジンの配信後は開封率やクリック率、返信率などの重要なメトリクス※6を追跡します。蓄積されたデータを分析してパフォーマンスを評価し、戦略を調整します。
※6 メトリクスはパフォーマンスや成功の度合いを数値化したものです。
メールマガジンのターゲットオーディエンスが何を求めているかを理解することは重要です。具体的なニーズと興味を把握することで、関連性のあるコンテンツを提供することができます。
メールマガジンは読者に具体的な価値を提供しなければなりません。教育的な情報や業界の最新動向、独占的なオファーなど有益な情報を掲載しましょう。
メールマガジンのコンテンツには読者が何をすべきかを明示するCTAが大切です。読者は具体的な行動を起こしやすくなります。
開封率やクリック率、返信率などのメトリクスを追跡し、蓄積されたデータを利用してメールマガジンのパフォーマンスを評価し、改善します。
時代の推移とともにターゲットオーディエンスのボリュームやトレンドの変化が起こる可能性があります。メールマガジン戦略自体も状況に応じて最適化していく必要があります。
メールマガジンはマーケティングプロセス全般で肯定的な効果をもたらすことが期待されています。一方で、導入に際して認識しておくべき注意点もあります。
メールを送信したからと言って、必ずしも開封されるわけではありません。開封されても、しっかりと読まれる保証もありません。分析ツールなどでコンバージョン※7率を掌握しましょう。
※7 コンバージョンはウェブサイトを訪れた顧客の行動です。サインアップ、製品の購入、特定のリンクのクリックなどがあります。
メールマガジンは受信者のメールソフトによっては迷惑メールと見なされる可能性があります。読者に真に有益なコンテンツとして認識してもらい、必要に応じてフィルタリングの再設定を提案しましょう。
効果的なメールマガジンを作成/管理するには、多くの社内リソースが必要になります。導入を計画する段階で使用できる社内リソースを見積もりましょう。コンテンツ制作においてはアウトソーシングも有効です。
メールサーバーやネットワークの問題でメールが適切に配信されない可能性もあります。解析ツールなどを活用し、メールが適切に配信されているかを逐次確認しましょう。
メールマガジンはリード獲得から契約まで幅広い様々なマーケティングシーンで活用できます。配信システムの構築や専門コンテンツの作成にはリソースが必要ですが、運用が始まれば極めて高い費用対効果を発揮します。
以上、メールマガジンについて概要や役割、導入プロセスを解説させて頂きました。本記事がメールマガジン導入を進める企業経営者、マーケティング担当者の方々に向けて有益な情報となれば幸いです。
電通B2Bイニシアティブはメールマガジンの導入から運用までサポートいたします。企業ごとに最適化されたメールコンテンツ、配信サイクルをご提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
B2B Compass編集部
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