• 2025/02/03
  • 2025/02/13

世界が驚いた!海外のクリエイティブなオモシロB2B広告6選

世界が驚いた!海外のクリエイティブなオモシロB2B広告6選

どもども~!B2Biニューヨーク特派員のようこです!

さて、今回はB2B事業を率いる経営者やマーケターのみなさんのために、今後のB2B広告のインスピレーションや、アイディアのヒントに直結するような内容をお送りします。

B2Bの広告やマーケティング案で煮詰まってる方!これを読めば、今後のB2B広告やマーケティングのあり方にちょっぴり勇気がでるかもしれない(?!)ので、是非気晴らしにでも読んでみてくださ~い!

近年、B2B広告でもユニークでクリエイティブなアプローチを採用する企業が増えており、製品やサービスを印象づけるだけでなく、ビジネスの課題解決に役立つことを効果的に伝える手法としてB2B広告が進化してきています。従来、B2B広告は機能性や価格などビジネスのコアな要因などに焦点を当てる傾向がありましたが、近年は顧客体験やブランド価値が重視されるようになり、B2Cや一般消費者向けの広告同様、よりクリエイティブなアプローチが必要とされるようになってきました。

このような近年のB2Bマーケティングの役割が急速に進化している事を象徴するかのように、広告とクリエイティブ産業における国際的なアワードで知られるカンヌライオンズでは、2022年に「クリエイティブB2B(Creative B2B)」部門が新設され、B2Bマーケティングでは今後より感情的な訴求やストーリーテリングを広告やブランディングの一部として取り入れる傾向にあることが分かります。

特に海外のB2B企業は、競争力を高めるブランディングやマーケティングを推進するためにも、よりクリエイティブでユニークな広告が今後も業界全体でさらに促進されることが予測されています。そこで今回は、今後のB2B広告のインスピレーションとして、今まで世界的に注目されたユニークなB2B広告の実例を紹介し、その成功となったヒントやポイントを解説いたします。

INDEX

1.インパクト大!オモシロB2B広告事例6選

事例1:ゴールドラッシュ

広告主:セールスフォース社(Salesforce)

業種:SaaS系


概要

セールスフォース社の広告「ゴールドラッシュ」は、俳優のマシュー・マコノヒーを起用し、西部開拓時代のゴールドラッシュ時代と重ね併せ、AIデータ時代の到来を描いています。

マコノヒーは「もしAIが新しい西部開拓時代だとしたら、データは新しいゴールドなのか?」と問いかけ、AI時代のデータの価値とデータ保有権、プライバシーなどに関する問題を提起しています。そして、セールスフォース社ではデータは個人・または各社のものであって、データは我々の商品ではありませんというデータ保護のポリシーをメッセージ化しています。

この広告はYouTubeで1年の間に約300万回以上視聴され、歴史的なゴールドラッシュと現代のAIデータビジネスの関係を表現しました。

ポイント

一部AIの生成動画を利用したこの広告は、マーケターや経営者の想像力をかきたたせ、AI時代の到来やデータの価値という複雑なテーマを西部劇というより身近なストーリーとして捉えさせ、メッセージをシンプル化しています。

  • 複雑さをシンプルに表現:特にB2B広告の領域では、様々な複雑なビジネステーマやコンセプトを、シンプルで且つ誰でも分かりやいメッセージにどれだけ凝縮できるかが成功のポイントとなります。この広告では「AIの役割」を視聴者に再考させるための簡潔ながら深い質問が、ターゲット層の好奇心と関心を引き出し、議論を促進しています。
  • 著名人の起用:YouTubeの視聴回数にも表れている通り、マシュー・マコノヒーがメッセージを伝えることで、トピックに興味のない人や、ビジネス関連のドライで面白みのないトピックでも親しみやすさや重厚さ、そして興味を与えてくれる部分がポイントとなります。
  • 印象的なコピー:この広告では西部開拓時代を隠喩しAI時代の到来と現状、そして今後の探検、冒険、未知の可能性といったイメージを視覚的に分かりやすく表現しています。シンプルなコピー且つ分かりやすい文脈で、印象的で視聴者の頭に残るイメージとメッセージをうまく起用している事が分かります。

事例2:サイバーセキュリティとスキンケア

広告主:ワンパスワード社(1Password)

業種:SaaS系

概要

サイバーセキュリティの重要性を伝えるワンパスワード社(1Password)の広告では、ライアン・レイノルズがイギリスのサッカーチーム「レクサムFC」のオーナーとしてチームと一緒に登場。

レイノルズは、彼特有のコメディスタイルでチームにサイバー保護の重要性を説き、ワンパスワード社の商品を紹介するが、予想外の展開としてチームメンバーはすでにワンパスワードを知っているというオチが待っています。

ポイント

この広告は、ライアン・レイノルズのスター性とユーモアを活用し、サイバーセキュリティへの関心を惹きつけ、幅広い視聴者に対して楽しく、親しみやすい形でメッセージを伝えています。

  • セレブ(&テレビ番組)の影響力の利用:ライアン・レイノルズは、サイバーセキュリティのような本来であれば硬いテーマを、彼のユーモアと魅力で親しみやすく、印象的なトピックに一変しています。レイノルズ自身がプロデュースしているフールー(Hulu)・ディズニープラス(Disney+)のドキュシリーズ系テレビ番組「レクサムへようこそ」のスターでもあるサッカーチーム、レクサムFCの登場によって、ユーチューブで2年間で170万回以上の視聴やSNSでの話題にもつながりました。
  • ユーモアの活用:特にレイノルズがチームのなかでも人気のサッカー選手に「おいムリン(選手)!レッドカードをおしりから皆がベロだと思うまでいれてやるぞ!」と言うセリフは、サイバーセキュリティのような真面目なテーマをアメリカンジョークで面白ろおかしく表現。
    その後すぐにトピックをずらすかのように、「さて、夜のスキンケアについてでも話そうか?」と、レイノルズ特有のユーモアで最後まで笑いを交えたセリフでCMを終えています。
    このようにレイノルズが持つ彼独特なスタイルのアメリカンジョークを交えたユーモアで、視聴者に楽しさを提供しながらデジタルセキュリティの重要さを伝え、ユーモアを巧妙な表現術として利用している事がわかります。

img4

画像:YouTubeより

  • 幅広い視聴者層へのリーチ:一般的にB2B広告ではよりニッチなターゲットやセグメント設定をしがちですが、この広告では、レイノルズ自身が所有しているサッカークラブや彼自身が制作しているテレビ番組をうまく利用し、彼自身が持つセレブとしての影響力とスポーツチームの起用による幅広いオーディエンスのリーチを狙っていることが分かります。
    そして、スポーツとテクノロジーの共通点でもあるセキュリティーをハイライトすると同時にギャップを埋め、サイバーセキュリティが誰にとっても重要であることを提示。
    ワンパスワードについて知っているか?と聞かれたときに、チームメンバー全員が手を挙げるシーンは、同社の製品の認知度の高さを象徴し社会的証明的な安心感を促していることが分かります。

事例3:グーグルハイマー・カウントダウン

広告主:マトモ社(Matomo)

業種:SaaS系

概要

マトモ社の「グーグルハイマー」という広告では、クリストファー・ノーラン監督の伝記映画『オッペンハイマー』を反映し、グーグルアナリティクスの移行に対する批評を話題の映画やトピックに乗せてパロディ予告編として表現しています。

このパロディでは、グーグルアナリティクス4(GA4)への強制移行に伴うフラストレーションをユーモアと風刺で描き、マーケターやウェブ専門家が抱える不安や疑問をドラマチックに捉えています。マトモ社ではこの問題を浮き彫りにすることで、グーグルアナリティクスの代替手段としてプライバシー保護をより重視した自社のサービスを位置づけし、データプライバシーや倫理的なアナリティクスを重視するユーザーに対して自社製品の価値のアピールをしています。

マトモ社の「グーグルハイマー」広告のキャンペーンでは、競合を創造的に批評しながら、自社のユニークな価値を際立たせた見事なマーケティングキャンペンの一例ともいえます。

ポイント

タイムリーに話題性のあるトピックと掛け合わせたユーモア溢れるユニークなパロディ調のこの広告は、専門性のある文脈でどのターゲットにリーチをさせ、刺すべきかという目的をしっかりと狙っており、面白いながらもあくまでもウェブやマーケティング専門家を狙っている部分がポイントとなります。

  • タイムリーで話題性のあるトピックを活用:世界中で話題となった大作映画、オッペンハイマーの話題性を利用したこの広告は、戦略的に紐づけたトピックの関連付けで、GA4に対する専門的な批評を視覚的且つユーモアでもって、おもしろおかしく問題提起をしています。セリフにはマーケターやウェブ専門家から多くの共感を呼ぶメッセージが形成されており、面白いストーリーを見ながらマトモ社のサービスに興味を抱かせている部分がポイントとなります。
  • 市場の問題点が焦点:データ所有やプライバシー問題など、マーケターの懸念点をユーモアを利用し強調することで、マトモ社の顧客層やターゲットへのリーチと共鳴を狙った内容となっています。またGA4の細かい問題提起を通じて、業界の問題に対する懸念点をストーリーの焦点に打ち出す事で、ユーザーが直面している課題に対して深く理解していることを伝えています。それよって、自社の解決策がなぜ良いのかという点が分かりやすく伝えられており、問題点の提起と深い理解が商品の信憑性や信頼性を高めている事がわかります。
  • 代替手段として自社商品の位置づけ:また、風刺的な表現の裏には、データプライバシー問題に関する真剣なメッセージが込められており、それにより自社を第三者の観点から差別化し、プライバシー保護を重視する業界関係者や顧客層にアピールをしている事がわかります。ドラマチックなストーリーを通してこのようなB2B特有の複雑なビジネストピックをしっかりと埋め込み、自社のポジショニングや位置付けを効果的に行っていることが分かります。

事例4:トロイ

広告主:クラウドストライク社(Crowdstrike)

業種:SaaS系

概要

トロイの木馬の伝説を現代のサイバーセキュリティの脅威に重ね合わせたユニークな内容のこの広告は、古代ギリシャで有名なトロイの木馬がどのようにして「歴史上最も有名な侵入事件」を生み出したかを振り返り、現代における同様のサイバーセキュリティの脅威を描写しています。

広告では、戦士たちが木馬の進入を進めようとする一方、クラウドストライク社のソフトウェアの判断で「侵入を阻止せよ」というメッセージが強調され、悪意ある攻撃者が隠れみのを使ってどのように組織に侵入しようとするか、またそれを防ぐために高度なサイバーセキュリティ対策が不可欠であることを訴えています。

ポイント

この動画では、視覚的にインパクトのあるシーンとともに、トロイの木馬に象徴されるサイバー攻撃をわかりやすく解説しています。

視覚的な魅力、ストーリーテリング、明確なメッセージを組み合わせたことで、ブランドの認知度を高め、サイバーセキュリティの重要性を視聴者に印象づけることに成功し、単なる製品紹介に留まらず、強いブランドイメージを築く要因も含まれています。

  • 古代の神話を現代の脅威に結びつけたストーリーテリング:トロイの木馬という歴史的かつ象徴的な物語を、現代のサイバーセキュリティに関連付けることで、視覚的に印象深いストーリーを構築しています。伝説では、大きな木製の馬をプレゼントと見立てながらギリシャ兵士が隠れ、トロイの街に侵入しギリシャ軍がトロイを占領することに成功したというストーリーにちなんで、現代のコンピュータマルウェアの一種も「トロイの木馬(Trojan Horse)」と呼ばれています。
    この伝説のストーリーとマルウェアのトロイの木馬重ね合わせたストーリーにより、見た目には無害または有益なプログラムやファイルに見えるようなものでも、実際は悪意のあるコードが含まれており、インストールされると有害な行動を引き起こすリスクを喚起し、クラウドストライク社のソフトウェアなら見抜く防御力がある事を強調しています。
  • ターゲットオーディエンスへのリーチ:この広告は、世界的に注目されるイベントでもあるスーパーボウルで放映され、1年間で約1,100万回ビュー以上YouTubeで閲覧され、同社のブランドメッセージ「Protection That Powers You(あなたの力となるセキュリティーを)」がスーパーボウルの視聴者、約1億人以上に届けられました。
    この広告により、クラウドストライク社の最先端のセキュリティ技術が企業を保護し、ビジネスを推進する力になるというミッションを伝えると同時に、ビジネスリーダーやIT担当者を含む幅広い視聴者にリーチすることに成功しています。また、スーパーボウルでの放送により、企業ブランドの知名度を一気に高める事にも成功した事例となります。
  • タイムリーなテーマ設定:昨今のサイバー攻撃の増加を背景に、トロイの木馬という象徴を用いることで、視聴者の関心を惹きつけています。ユーモアを加えたストーリーは、幅広い視聴者へのリーチを期待できると共に、特にB2B市場でのサイバーセキュリティの重要性をアピールするには効果的となりました。

事例5:コマンドセンター

広告主:デロイト社

業種:SaaS系&コンサルティング

概要

デロイト社の「シンクロナイズドプランニング&フルフィルメント(Synchronized Planning & Fulfillment)」(通称SP&F)というコマーシャルは、デジタル技術を活用してサプライチェーン全体をリアルタイムで連結させたシステムの動きや意思決定や判断方法を擬人化。ハリウッド映画のワンシーンのような臨場感溢れる演出でストーリーを構成しています。

このストーリーでは従来の線形的な計画から、エコシステム全体が連携するデジタルサプライネットワーク(DSN)への移行を目指したシステムによって、不可能でありそうな事を可能にする脅威的なシステムを描写していると同時に、最終的に意思決定を行い、最高機関であるコマンドセンターとその向こう側にいる実際の意思決定をしているユーザーや顧客の権威を描写しています。

ポイント

この広告では、クラウドコンピューティング、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ロボティクスなどの先端技術を活用し、サプライチェーンを能動的で柔軟、且つ効率的に変革する方法を視覚的に擬人化し、スリリングなストーリーとして展開しています。また、予測分析とリアルタイムの情報共有を可能にすることで、需要と供給のバランスを図り、顧客満足度を向上させると同時にコスト削減を実現する様子が描かれており、専門的なトピックでしっかりとサプライチェーン分野の人々をストーリーに惹きつけるような構成になっています。

  • B2B独特のドライなトピックを手に汗握るストーリーに:デロイト社のSP&Fチームが新規顧客の関心を惹きつけ、会話のきっかけ作りにもなり、最終的には契約に結びつけられるような動画として企画したこの動画。多くのホワイトペーパーや販売資料はあったものの、目を引くようなものもなく、サプライチェーンやフルフィルメントのテーマ自体が一般的に退屈と思われがちなトピックである事も課題でもありました。
    しかし、この動画ではそんなドライなトピックを一転し、サプライチェーンの一連を「手に汗握る体験」として表現することに成功しています。その結果、SP&Fそのものをテーマとして説明をするのではなく、まずは視聴者を楽しませる事にフォーカスし、臨場感溢れる映画調に仕立てて、ヒーローたちが数々の危機を乗り越えていく様子を描いた短編ドラマに仕上がっています。
    同時にただ単に楽しませるだけでなく、専門性溢れるトピックや内容でしっかりとサプライチェーン分野の人々を惹きつけるようなストーリーで、質の高い見込み客を惹きつけ、エンゲージメントを図る事にも成功しています。
  • 情報はエンターテイメントとして伝えよ:わずか4か月でデロイトUS社のチャンネルで最も「いいね!」がされたSP&Fの動画。エンターテインメント性が高いたため、すべてオーガニック(自然流入)による視聴で、チャンネルの平均視聴数と比較して500%の増加を記録しました。
    B2Bでは複雑でドライなトピックが多くなりがちですが、このようにどんなにドライな情報でも、エンターテインメント性を与える事で、視聴者を楽しませ、人を惹きつける力を使って情報を伝えることで、視聴者の心を動かすことができる事が分かります。

事例6:Time To Take Controlー主導権を握る時

広告主:スリングショットバイオサイエンシズ社

業種:バイオサイエンス・製造業系

概要

「Time to Take Controlー主導権を握る時」と題されたこちらの動画は、ユーモアを交えながら科学研究の現場で直面する課題を描き、その解決策を提示しています。

この広告は、研究者らが細胞制御ができない問題に焦点を当て、焦燥感やプレッシャーなどを感じている現場の共感を誘うとともに、運任せに頼る姿や、研究結果がうまくいかない現状をユーモラスに表現。

一方、同社の商品であれば、調整が可能でオンデマンドな細胞制御ができる解決策として紹介され、研究における精度と信頼性を向上させるツールとしてアピールされています。

ポイント

スリングショットバイオサイエンシズ社(Slingshot Biosciences)は、免疫学、がん研究、細胞生物学などの分野で広く使用されるフローサイトメトリー実験用に細胞制御を手助けする製品を製造するバイオサイエンス企業です。この実例ではCTV(コネクテッドTV)広告を使い、ブランド認知度を高めることに成功した実例となります。

同社の競合他社が退屈な広告ばかりを制作していた中で、スリングショット社ではあえてリスクを取り、ユーモアを活用した広告を制作した結果、一際目立つ広告となり、業界では話題を呼びました。

その結果、ブランド認知度と売り上げ向上に成功しただけでなく、既存顧客との関係の強化や、新規顧客の獲得に成功することができた事例となります。

  • 問題提起の明確さ:この広告では、研究者が直面する課題を具体的かつ共感しやすい形でユーモアを活用して提示しており、研究者の不安や希望がリアルに描かれ、視聴者の心に響くよう、感情的な共鳴ができるようなストーリーの演出をしていることが分かります。
    また、同社の製品がもたらす効率化や信頼性の向上がストーリー上に提示されており、深い業界知識に基づいた顧客の痛点に触れながら、解決策としての自社製品のアピールもしっかりとしています。
    実際に売上が700%増したというこの広告は、B2Bでも面白くユニークな広告を打ち出すことにより、認知度だけではなく売り上げにも多いに貢献できることが証明できる実例となります。
  • ユーモアの活用:B2B製品は時に複雑すぎて面白さを伝えられないという課題に直面しがちかもしれないですが、科学分野という真面目なテーマを扱いつつも、ユーモアを交えて視聴者の関心を惹きつけています。
    特に、業界の一般的な課題に焦点を当て、研究者の多くが実は「おまもり」や「おまじない」などを使って実験に臨んでいるという例えを通じて、現状を風刺する部分は、業界プロはおもしろ可笑しいながらも深く共感できる点となり、業界での大きな反響を呼びました。
    このように、厳しく規制された業界での複雑な製品を面白く表現することは非常に難しいケースもありますが、それでもうまくユーモアを活用することによって、この事例からは同社のウェブ訪問数が3倍増加したという結果から、広範囲での視聴者へのリーチによる見込み客の獲得もできることが分かります。
  • 視覚的なインパクトと商品の効能アピール:また、この広告では製品の精密さや信頼性を強調し、視覚的に訴求力を高めている部分がポイントとなります。視覚的に同社商品の正確さや革新性をアピールし、科学者に確信と効率化を与えられる点など、風刺調のストーリーで効果と効能をうまく伝えています。

2. クリエイティブなB2B広告に共通する成功要素

多くの場合、B2B広告では、クライアント企業や見込み客に製品やサービスの価値を効果的に伝えることが一般的に目的となります。しかしその一方で、複雑になりやすいビジネスのコンセプト等の広告は「退屈」や「形式的」という印象を与えがちです。

そのため、クリエイティブな要素を取り入れることで、上記の事例のように見込み客の関心を惹きつけ、きちんと結果を出す広告に作り上げることが可能となります。

ここでは上記のような広告事例から、ユニークでクリエイティブなB2B広告に共通するいくつかの成功要素を解説していきます。

メッセージの明確さと簡潔さ

どれほどクリエイティブであっても、伝えるべきメッセージが不明瞭では効果が減少します。

例えば斬新で目を引くデザインやアイデアをストーリーに盛り込んだとしても、広告の根幹であるメッセージが不明瞭では意味がありません。

複雑なビジネスのトピックを伝えるにあたり、混乱を避けるためにもメッセージのシンプルさは非常に大切な要素となります。 過剰なデザインや曖昧なキャッチコピーは避け、伝えたい内容をシンプル化し、そのメッセージに集中する事がポイントとなります。

ターゲットの共感を得る

ターゲット層の悩みやニーズに焦点を当て、共感や共鳴を呼ぶ内容で見込み客を惹きつける事が重要となります。B2B広告では、ターゲット層のペインポイントを特定し、ターゲット業界や役職特有の課題を深く理解し、それに焦点を当てることが重要となります。

実際に顧客がどんな悩みや課題を抱えているのかをじっくり分析・理解し、その解決策として自社サービスや商品をストーリーの中で提示することで効果的なB2B広告を展開する事ができます。

エンターテイメント性重視のストーリー構成

エンターテイメント性重視のストーリー構成は、視聴者の注意を惹き、ブランドやメッセージを記憶に残りやすくし、ドライで専門的、そして情報量が多いものになりがちなB2B広告でも、視聴者のエンゲージメントを高めてくれる要素となります。

エンターテイメント性を取り入れることで、複雑なメッセージでもわかりやすく効果的に伝え、感情的なつながりを生み、人間的なストーリーを通じて、ブランドに親近感を持たせることができ、シェアや共有も促進してくれます。

これにより見込み客や既存顧客との強い信頼関係を築く手助けにもなるでしょう。また、製品やサービスの価値提案の明確さもストーリーにしっかり埋み込むことにより、 見込み客に対して「なぜこの製品が自分たちにとって重要なのか」を簡潔にストーリーの一部として伝える事で、より効果的な広告として展開する事ができます。

視覚的なインパクトとユーモア

特にB2B広告において、インパクトとユーモアは視聴者にとって覚えやすく、印象に深く残すための有効的な要素となります。B2B広告だからといって堅苦しい表現ばかりではなく、インパクトのあるデザインやユーモアをしっかりと取り入れ、複雑なアイデアを簡単に理解させる演出など重要な要素となります。

ユーモアは視聴者の注意を惹きつけ、広告のスキップや無視を防ぎ、笑いや楽しさを提供することで広告が受け入れられやすくしてくれます。また、視覚的インパクトをうまく利用する事で難解なコンセプトを簡潔化してくれ、親しみやすく伝えることができ、ブランドに対する親近感や好意的な印象を生み出してくれます。

視聴者が「面白い」と感じることで、ソーシャルメディアでのシェアや口コミにつながり、これによって認知度の拡大とブランドの話題性を生み出してくれる事も上記の広告事例でよくわかります。

SNSやデジタルメディアとの連携

広告キャンペーンにおいて、SNSやデジタルメディアは欠かせない要素となりますが、それはB2B広告においても例外ではありません。拡散を促進する施策の一つとしてSNSとの連携をする事によって、ついついターゲットがシェアしたくなるようなコンテンツやインタラクティブな要素を取り入れることによって広告効果を最大限に発揮させることが可能となります。

また、他のSNS施策としてターゲット業界のインフルエンサーやセレブを活用した広告は、SNSやその他メディアでの拡散されやすくなり、リーチの拡大と信頼の向上が期待できる施策となるでしょう。

3.まとめ

差別化の必要性とデジタル化の影響により、B2B広告はよりクリエイティブな方向へ進化しているなか、海外のクリエイティブなB2B広告の実例を分析すると、これら広告の成功には明確なメッセージをはじめとした、ターゲットからの共感を呼ぶエンターテイメント性の高いストーリー構成、そして視覚的インパクトやユーモアの活用を組み合わせ、SNSメディアでの拡散による相乗効果を狙った戦略などが成功の要因となっている事が分かります。これらの要素を組み合わせ、ターゲットや見込み客にとって「価値のある」広告を作り上げることで、競争の激しい市場でも成果を上げることが期待できるでしょう。

今後もB2Bの分野では、製品やサービスだけでなく企業全体のブランドや価値観を伝えるための広告がますます求められ、他の分野と同様に視聴者の共感と関心を得るための工夫などが期待されるでしょう。そのためにも、これらのB2B広告の成功事例のように、ターゲット層の心に響くユーモアあふれるや効果的なメッセージを組み込んだストーリー構築で、認知拡大と信頼構築を両立させることが、今後のB2B広告の成功の鍵となるでしょう。

いかがでしたか?淡々にビジネストピックに特化した無難なB2B広告よりも、カジュアルでユーモアを活かした内容で今後のB2Bマーケティングや広告に取り組んでみるのも悪くないかも!?と少しでも思えていただけたら嬉しいです!

常に進化を遂げているグローバルなB2Bのコミュニケーション戦略にどんどん追いついていけるよう、今後も皆さんにニューヨークから最新の情報をお届けします!それではまた次の投稿でお会いしましょう~See you next time!

「デマンドジェネレーションを根本から改善する 電通の「B2Bグローススイッチ」を紹介」ダウンロード

デマンドジェネレーションを根本から改善する 電通の「B2Bグローススイッチ」を紹介
ヨウコ・ウィルソン(旧名:内田洋子)

PROFILE

ヨウコ・ウィルソン(旧名:内田洋子)

2014年からニューヨークを拠点に日系企業の海外進出支援とマーケティング事業を展開。現在は電通B2Bi公式パートナー企業として、日系B2B企業の海外進出を支援中。2児のママとして子育てをしながらエッジメディア社他、複数の事業を経営中。

Contactお問い合わせ