• 2025/01/06
  • 2025/01/06

成功する海外展開の広告出稿術ーB2B広告成功事例と戦略5選(前編)

成功する海外展開の広告出稿術ーB2B広告成功事例と戦略5選(前編)

ども~B2Biニューヨーク特派員のようこです!

さて、今回は海外展開時の広告について解説していきます。今後も増々成長していく海外市場への進出を挑む企業の海外事業担当者のみなさんや今後はグローバル進出のマーケティングを担っていく方みなさまのヒントになるような情報をお届けしていきます!

近年、多くの企業が新しい市場での拡大を目指し、海外展開を積極的に推進している一方、異なる文化や消費習慣、商習慣や競争環境の中でビジネスを成功させるのは決して容易ではありません。

たとえ国内市場での成功があっても、そのままの戦略が必ずしも海外で通用するわけではないため、海外市場での認知度向上や新規顧客の獲得を実現するためには、現地の市場に適応した広告戦略が不可欠となります。特に、海外の消費者の関心を引き、信頼を築くためには、現地の文化、言語、そして消費者行動を深く理解が求められます。

今回は、海外市場での広告出稿を成功に導くための戦略やポイントと、実際に成功を収めた企業の事例を基に、海外展開において効果的な広告出稿の方法と戦略について、前編・後編に分けてご紹介します。

日本国内の広告出稿とは異なるアプローチが求められる海外市場で、どのようにしてブランドの価値を伝え、売上を伸ばすことができるのか、具体的な方法を紐解き、異文化を理解し、現地消費者の心を掴むための戦略を解説していきます。

海外広告出稿の基礎:8ステップ

現地の消費者に響く広告を展開するためには、まずは対象国の市場特性をしっかりと理解し、現地の文化や消費者ニーズに合わせたメッセージを発信する必要があります。

ここでは、まず海外広告戦略を構築する上で重要な要素と戦略の基礎とポイントを8ステップで解説します。

  1. ビジネス・ゴールを定義する
  2. ターゲットの国を決める
  3. 対象マーケットと検索習慣を知る
  4. 現地競合他社を分析する
  5. 広告を出す媒体を決める
  6. 広告戦略を決める
  7. スモールスタートで実施する
  8. 配信後のデータを分析と改善

1. ビジネス・ゴールを定義する

海外の広告キャンペーンの成功は、まずは明確なビジネスの目標設定から始まります。

広告は、ビジネスの目標(例:売上拡大、認知度向上、リード獲得)を達成するための手段です。そのため、具体的なゴールがなければ広告の戦略やメッセージ、ターゲティングなどが曖昧になり、効果的な戦略を立てることが困難になります。ビジネスゴールを明確に定義する事で、どのような施策を講じるべきかが明らかになり、投資の成果を最大化する事ができるようになります。

特に投資金額が多くかかる海外での広告キャンペーンでは、広告キャンペーン前の下準備として、ビジネスゴールと目的を洗い出すようにしましょう。たとえば、ブランド認知度を高めたいのか、直接的な売上を目指すのか、顧客単価の引下げたいのか、それともとりあえずテストマーケットをしてみて反応をみてみたいのか、など、結局事業にとってどんな事を成し遂げたく、何をもって成功となるのか?という部分を議論し、明確にしていきます。これにより、広告戦略や成功指標が全く異なるため、ゴール設定は非常に重要な部分となります。

ビジネスゴールを設定した後に、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定し、具体的な業績の目標を数値化し、進捗や成果を把握するための指標を設定するようにしましょう。たとえば、売上、顧客獲得数、コンバージョン率、リード数など、事業やプロジェクトの目的やゴールに応じKPIが設定がされます。KPIを設定することにより成果を客観的に評価し、戦略改善の指針とすることができ、キャンペーン途中でゴールに沿った方向性の調整をする事が可能となります。

以下は、よく挙げられる主なビジネスゴールの一例となります

a. ブランド認知の向上(Brand Awareness)

新製品の発売、ブランドの市場参入などの時にブランドや製品を多くの人に知ってもらう事が目的となります。主な手法として広告のリーチを最大化するキャンペーン、テレビCM、SNSのバイラルコンテンツ戦略などが挙がります。

b. リード獲得(Lead Generation)

ホワイトペーパーのダウンロード、ニュースレターの登録など、潜在顧客から連絡先や情報を取得し、営業につなげる事を目的とします。主な手法として、ランディングページやフォーム付きの広告にてウェビナーやホワイトペーパーのダウンロードのプロモーションなどが挙がります。

c. 販売促進(Sales Promotion)

オンラインショップでの購入、店舗への来店促進など、製品やサービスの直接販売を増やす事を目的とします。主な手法としては限定割引、クーポン広告、リターゲティング広告などが挙がります。

d. 顧客エンゲージメントの向上(Customer Engagement)

SNSでのフォローやコメント、製品レビューの投稿など、顧客との関係を深め、ブランドへのロイヤリティを高める事を目的とした施策です。ソーシャルメディア広告、インタラクティブコンテンツ、キャンペーン参加型広告などが例として挙がります。

e. 市場シェア拡大(Market Share Expansion)

顧客が競合から自社に切り替えるよう促すために、競合他社に対して自社製品の市場での地位を強化するという目的です。広告例としては、比較広告、独自性を強調する広告などが挙げられます。

f. 新市場や新セグメントの開拓(New Market Entry)

新製品のターゲット拡大、海外進出など、新しい地域やターゲット層への進出を目的とします。主な手法として、ローカライズされた広告、文化に合わせたクリエイティブ、パーソナライズ広告などが挙がります。

g. リブランディング(Rebranding)

新しいロゴやスローガンの発表などで、ブランドイメージを刷新し、新しい印象を消費者に与える事を目的とします。イベント広告、ストーリーテリング型広告が主な例として挙げられます。

h. 製品やサービスの利用促進(Usage Stimulation)

サブスクリプションプランのアップグレード促進など、現在の顧客に製品やサービスをより多く利用してもらう事を目的とします。クロスセル広告、顧客向けプロモーションなどが例となります。

i. 危機管理や評判改善(Crisis Management and Reputation Building)

問題解決の取り組みを周知したりし、ブランドへの信頼を回復し、ネガティブな印象を改善する。例えばメディアに取り上げられやすい話題性のあるキャンペーンやパブリシティ広告、透明性を重視したメッセージなどが挙がります。

j. 顧客ロイヤリティの向上(Customer Loyalty)

リピート購入特典の提供など、既存の顧客を維持し、繰り返し購入を促進する事を目的とします。ロイヤリティプログラム、顧客レビュー、リターゲティング広告などが主な手法例として挙がります。

k. 社会的影響の創出(Social Impact)

サステナビリティ、社会貢献活動の紹介など、社会的課題に対する取り組みを示し、ブランドイメージを向上させる事などを目的とします。主な手法として、意識向上広告、協賛キャンペーンなどが挙げられます。

l. 競合差別化(Differentiation)

高品質、低価格、独自技術のアピールなどを通して競合他社との違いを明確にし、自社の価値を強調する事を目的とします。 独自性の強調、ユーザー体験を活かした広告などが主な手法として挙がります。

このように、広告の目的を明確にすることで、使用するプラットフォームや戦術を選びやすくなり、効果的な広告運用が可能となります。

下記はDSP(Demand-Side Platform、デマンドサイドプラットフォーム)やSNS広告の戦略における一部主要なKPIの例となります。これらKPIの活用をする事で、ビジネスの目的やゴールに沿った目標達成度を測定したり、広告の結果を最適化するために利用しましょう。

a. クリック率(CTR)

広告のインプレッションに対するクリック数の割合で、広告の効果を測定。

b. 獲得単価(CPA)

顧客を獲得するためのコストを計算し、投資対効果を評価。

c. コンバージョン率(CVR)

クリックが目的のアクション(購入やサインアップなど)に繋がった割合。

d. 広告費用対効果(ROAS)

広告費に対する売上や収益を測定する指標。

e. CPMとeCPM

CPMは「Cost Per Thousand Impressions(千回あたりの表示コスト)」の略で、広告がターゲットオーディエンスに対して1,000回表示されるごとに支払う金額を指し、eCPMは「Effective Cost Per Thousand Impressions(実効千回表示単価)」の略で、広告がターゲットオーディエンスに対して1,000回表示されるごとに得られる収益を指します。

これらの指標は、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)やSNSキャンペーンの効率性と収益性を評価するのに役立ちます。

2. ターゲット国を決める

ビジネスゴールを明確にした後、ゴール達成にふさわしいターゲット国を選定します。選定基準としては、人口、購買力、トレンド、製品やサービスの適合性などが考えられます。現地調査と市場調査のポイントとしては、各国の経済状況、消費者の購買力、競合企業の活動状況などを把握し、自社ブランドがその市場でどのようなポジションを取るべきを見据えましょう。

また、下記のような現地調査を通じて得られた知見を基に、広告展開におけるリスクや機会を明確化し、その市場に特化した戦略を企てる事も検討するようにしましょう。

  • 経済動向と消費者の購買力:現地の経済成長率や所得水準を調べることで、消費者の購買意欲や支出の傾向を理解します。例えば、アジアの新興国では中流階級が急速に増加しており、購買力が向上しているため、自社の商品やサービスなどとの相性、もしくはプロダクトマーケットフィットがあるか否かを把握します。
  • 競合分析:同業他社やローカル企業の広告活動や市場シェアを分析し、競争環境や自社の強みや弱みを包括的に理解します。また、競合の広告手法やプロモーション戦略も把握し、差別化ポイントを見つけることが重要なポイントとなります。
  • 文化と消費者の価値観:国ごとに異なる文化や価値観も考慮すべき重要な要素です。例えば、欧米では個人の意見や独立性が尊重される傾向がありますが、アジア地域ではコミュニティや家族を重視する価値観が強い場合が多く、後ほどのステップでも出てくる広告メッセージやクリエイティブの作成時にこれら価値観を反映させる必要があります。

3. 対象マーケットと検索習慣やメディアを知る

対象マーケットの検索習慣や利用されるメディアを理解することは、効果的なマーケティング戦略を立てる上で非常に重要です。そのためには、以下の手順を活用することで、マーケットの特性を深く掘り下げることができます。

a. キーワード調査を行う

検索習慣を把握するには、ユーザーが実際にどのようなキーワードを使用しているかを理解する必要があります。ターゲット市場の言語で主要なキーワードをリストアップし、地域別データを取得し、検索ボリュームや競争率を分析しましょう。

b. ローカル検索エンジンの分析

ターゲット国が決まった後は、対象国の検索エンジンの利用習慣を調査しましょう。たとえば、北米ではグーグルやFacebook、Instagramなどが一般的ですが、中国市場ではバイドゥやウィーチャットなどが主流です。対象市場でGoogle以外の検索エンジンが使われている場合、その動向を調査する必要があります。

c. ソーシャルメディア利用状況を調査

また、検索エンジンだけでなく、対象市場で人気のあるソーシャルメディアプラットフォームの使用状況などを把握することも重要です。

d. ターゲット市場のコンシューマー行動データを収集

また、ターゲット国から掘り下げて対象国のどの層が一番潜在的に商機があるのかもリサーチし、商機が一番ありそうな理想顧客や潜在顧客の購買行動や消費パターンを知るためにデータ分析や調査による情報収集しましょう。

e. 現地リサーチやアンケートを活用

実際のターゲットオーディエンスの声を聞くことで、検索習慣やメディア利用状況をより深く理解でき、インサイトの獲得にもつながります。

f. 現地の専門家やパートナーと連携

ターゲット市場に詳しい専門家や現地のエージェンシーと連携することで、正確な情報を得ることができ、時間のロスによる商機ロスを防ぎます。

g. 業界レポートを活用

特定の地域や業界におけるマーケットトレンドを知るために、信頼性の高いレポートを活用して自社の業界に関する情報を収集しましょう。

h. ターゲット市場のローカルニュースやSNSをモニタリング

現地の流行や社会的な関心事を把握するため、ローカルメディアやSNSを継続的にモニタリングし、トレンドや消費に関する動向などを調査しましょう。

4. 現地競合他社を分析する

次に、ターゲット市場での主要な競合他社を調べ、広告戦略やブランディング、メッセージングの手法を分析します。たとえば、競合のWebサイトやSNSの確認を確認したり、製品のラインナップ、価格設定、宣伝や広告手法などを調べてみましょう。そのほかにもレビューサイトや口コミ分析など、顧客の評価や不満点を確認し、強み・弱みを把握するほか、広告活動の調査から広告クリエイティブ、ターゲティング手法、そして広告媒体を観察してみましょう。

そのほかにもキーワード調査から検索エンジンで競合の検索キーワードを分析することで、ユーザーの関心やトレンドを把握し、より自社にふさわしいペルソナや潜在顧客のインサイトを掘り出す事ができます。このような情報収集を経て、自社の差別化ポイントや強化ポイントをより明確にしていきましょう。

5. 広告を出す媒体を決める

市場と競合を理解した後、次にSNS、検索広告、ディスプレイ広告など、自社のユーザーや顧客に最適なリーチが出来る広告媒体を決定していきます。自社の設定するターゲットやセグメント層に効果的な広告フォーマットやメディアを選ぶ上で、SNS、検索エンジン、動画プラットフォームなど、各国のターゲット層がよく利用する主流媒体を選定し、最大限の効果を狙える媒体を選定していきましょう。

例えば、北米ではFacebook、Instagram、Twitter、Linkedin、TikTokなどが主なSNSプラットフォームですが、年齢層によって使われるSNSが異なるため、ターゲットやセグメント層に合わせて適切なプラットフォームを選びましょう。

たとえば、Z世代やミレニアル世代にはTikTokやInstagram、また、ミレニアル世代やベビーブーマー層にはFacebookなどといった具合に、潜在顧客がもっとも使っているだろうと思われるソーシャルメディアの媒体を見出し、選定するようにしましょう。

また、各媒体の特性をよく理解する事も重要となります。それぞれの媒体が持つ特徴を理解し、ターゲットとの親和性を確認しながら選定をしていきましょう。

北米での主な媒体の特徴

デジタル広告

ほぼすべての伝統的なメディアがデジタル広告に対応しており、プログラマティック技術を活用することで、ターゲット層へのリーチは近年より効率的になりました。

特に海外ではデジタル化の進みが早いため、海外展開の広告では、デジタル広告をうまく利用して効果測定やリアルタイム最適化をする一方で、媒体ごとの特性やターゲット層を考慮しながら選定することが重要となります。

  • グーグルのリスティング広告:検索意図が明確なユーザーにリーチが可能です。
  • ソーシャルメディア広告(Instagram、Facebook、TikTokなど):比較的に若年層へのリーチや視覚的なコンテンツに敏感な層に有効的です。
  • プログラマティック広告:記事風のネイティブ広告やデジタルサイネージ広告、コネクテッドTV(CTV)広告など、ターゲティング精度が高く、広告費の効率化が可能な点が特徴です。

テレビ・ラジオ広告

コネクテッドTVやストリーミングではない、地上波の伝統的なテレビ広告や視聴者数が特に多いラジオ広告などは、特にスーパーボウルやサンクスギビングパレード、大晦日など国民的行事や番組での広告は予算規模は大規模ですが、認知度向上を狙うには適しています。しかしB2Bでも最近はDSPを利用したコネクテッドTVやポッドキャスト広告などが主流になりつつあり、広告費の効率化も良いため、地上波のみでの広告配信は少なくなりつつあります。

しかし、年齢層が高めのターゲットやストリーミングなどに登録していない層や業界に特化したテレビ番組など、特定のターゲット層へのリーチをするためには、よく調査をして検討事が重要となります。

印刷広告(雑誌・新聞)

テレビやラジオ広告同様、新聞や雑誌のほとんどがデジタル化しているなかで、紙媒体の広告は効果測定やリアルタイム最適化ができないため、不人気である一方、ニッチな市場のトレードや業界誌などでピンポイントに業界に特化した層を狙えるため、まだ検討の価値はあります。

その他、高級志向の雑誌や新聞などでは信頼性を重視するターゲット層向けにも適しているといえるでしょう。例えば米国在住者でも特定の言語を話すコミュニティーがターゲット層(スペイン語、インド語、中国語など)であれば、各言語のコミュニティー誌や紙新聞などが一番効果的といえるでしょう。

屋外広告(OOH:Out Of Home)

プログラマティック広告の一つとしても挙がる野外広告では、交通量の多い場所でのブランド認知などに非常に有効的です。ジオロケーションなどの技術を使い、ユーザーやターゲットの位置情報を利用したローカルターゲッティングなどに適しています。

イベント・スポンサーシップ

イベントや展示会でのスポンサー広告は、特定の市場や業界のターゲット向けに直接アピールができ、直接的な接点を設ける事で、より専門的な分野でのターゲティングが可能となり、自社のブランドの位置付けを出来る機会を作る事に適しています。

6. 広告戦略を決める

海外の広告戦略には、ターゲット市場や目的に応じ、さまざまな手法があります。下記では代表的な戦略の一部を並べました。

ビジネスゴールや目標を達成するためには、これらのような戦略を組み合わせる事でより効果的に広告キャンペーンを運営できるようになります。ビジネスのゴールや目的に関しては上記1で再度確認するようにしましょう。

a. ターゲティング戦略

  • セグメンテーション:年齢、性別、興味、地域などのデータを利用してターゲットオーディエンスを細分化し、よりピンポイントで理想の顧客層へとアプローチをし、成約率の向上や顧客獲得単価の引き下げなどに役立てるのが狙いです。
  • リターゲティング:以前にウェブサイトを訪れたユーザーや、購入を検討していたユーザーに再度広告を表示し、リピート購入率の向上やLTV(Lifetime Customer Value:顧客生涯価値)の引き上げなどに役立てる事が狙いとなります。
  • カスタムオーディエンス:メールリストやCRMデータを使い、特定のオーディエンス(例えば既存顧客に似たセグメント層など)に広告を配信する事で、成約率の向上や購入率の引き上げ、顧客獲得単価の引き下げなどに役立てる事を狙います。

b. コンテンツ戦略

  • ビジュアルコンテンツ:魅力的な画像や動画で目を惹く広告を作成し、認知度の向上やエンゲージメントの向上などを狙います。
  • ストーリーテリング:ブランドの価値やメッセージを感情的に訴えるストーリー形式の広告で、感情的な共感を生み出し、ブランディングの構築や認知度の向上を狙います。
  • インタラクティブ広告:クイズ、ゲーム、アンケートなど、ユーザーが参加できる形式の広告でエンゲージメントの向上を図ったり、リターゲティングの素材となるトラッキングデータなどの入手や見込み客を惹き入れます。

c. ABM戦略

  • ハイパーパーソナライゼーション:ピンポイントで特定企業の購買意思決定権をもつ担当者へアプローチをしたり、特定の業界や業種、職位など、ピンポイントで特定のユーザーへカスタマイズした広告を配信する方法です。その他にも特定ユーザーの行動や購入履歴に基づいて個別にカスタマイズした広告を配信するという事も可能で、より関連性の高い広告を配信する事で、より成約率の高い広告キャンペーンを狙えます。

d. オムニチャネル戦略

  • クロスデバイス広告:スマホ、PC、タブレットなど複数のデバイスで一貫したメッセージを提供し、あらゆるタッチポイントでエンゲージメントを向上させます。
  • オンライン・オフライン連携:オンライン広告でオフライン店舗(実店舗)への来店を促進したり、オフライン店舗からオンライン広告でリターゲティングする事で、再度実店舗への来店を促したりして顧客や見込み客とのエンゲージメントを図ったりリピート顧客を構築する事などがねらえます。

e. インフルエンサー戦略

  • インフルエンサーマーケティング:インフルエンサーや著名人を活用し、信頼性の高い口コミ効果を引き出します。現地で影響力のあるインフルエンサーやマイクロインフルエンサーなどを起用し、製品やブランドを自然な口コミのような形で広め、新規顧客の獲得へと繋げる手法です。

これら広告戦略は、目的やターゲットによって異なります。これら複数の戦略や手法を組み合わせることで広告をより効果的に運用する事が可能となります。また、最も重要なのは、広告を開始した後に常に効果測定を繰り返し行う事で、データドリブンな手法で広告を進める事です。

例えば、A/Bテストなどを通して広告コピー、デザインなどを複数テストして最適なものを選んだり、複数の広告クリエイティブやメッセージをテストし、最も反応の良いものを見つけて最適化するようにしましょう。

また、アナリティクスなどの分析ツールを活用し、広告のパフォーマンスをデータで追跡し、自動入札やターゲティングの最適化を図りながら、常に広告を改善することに努めましょう。

7. 戦略的予算のスモールスタートで実施する

新たな市場に初めて進出する際は、まずはスモールスタートを推奨します。しかし、「スモール」とはいえども、競争率が全くないような予算だと実際にどれくらいの商機の規模があるのかが逆に不透明で終わる場合もあります。そのため、予算は戦略的に組むように心がけましょう。

例えば進出対象国や市場で、対象となる業界や競合の一般的な広告規模や予算規模をリサーチしておくと非常に便利となります。海外のB2Bマーケティングの予算の決め方と配分ポイントに関してはこちらのブログで解説しているので、よろしければぜひ参考にしてみてください。

また、広告をスタートしたあとは、結果を見ながら徐々に規模を拡大できるよう、柔軟且つ臨機応変に対応できる予算体制を整えておくようにしておきましょう。

8. 配信後のデータ分析と改善

何度も繰り返し言いますが、広告出稿が完了した後は、必ずデータ分析と広告の改善をするようにしましょう。広告配信後の分析と改善の部分に関しては、海外展開の成功を左右する極めて重要なプロセスとなります。

広告の効果を数値で把握することで、現在の取り組みが目標にどれだけ近づいているかを確認し、成功した要素を特定し、次の施策に活用する事でキャンペーンの最適化を図りましょう。例えば、クリック率やコンバージョン率、エンゲージメント率など、ビジネスゴールに沿った成功指標やKPIを評価し、費用対効果を高めるための調整を常に加えて行きましょう。

また、広告の効果を最適化するために、A/Bテストなどを通してコンテンツや広告コピーの効果の最大化に努めましょう。特に北米市場は消費者の反応が早いため、頻繁なテストと改善が成功のカギとなります。

効果の高いキャンペーンやターゲットにリソースを集中させ、予算や時間の無駄を減らし、データを通じて顧客の行動やニーズを深く理解する事で、今後の広告や製品戦略の方向性なども明確化できます。逆に、このステップを省略すると、効果的な広告運用は難しく、費用対効果(ROI)を最大化する機会を逃してしまいますので注意が必要となります。

成功事例と戦略については後編でご紹介

ここまで、海外広告出稿の基礎となる8ステップをご紹介してきましたがいかがでしょうか?

続いて後編では、実際に成功を収めた企業の事例を基に、海外展開において効果的な広告出稿の方法と戦略をご紹介します。

後編もぜひご参考くださいませ!

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ヨウコ・ウィルソン(旧名:内田洋子)

PROFILE

ヨウコ・ウィルソン(旧名:内田洋子)

2014年からニューヨークを拠点に日系企業の海外進出支援とマーケティング事業を展開。現在は電通B2Bi公式パートナー企業として、日系B2B企業の海外進出を支援中。2児のママとして子育てをしながらエッジメディア社他、複数の事業を経営中。

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