経営者や営業マン向けの営業サポートコンサルティングを行っている菊原と申します。「対人恐怖症」にまで陥りながらも新たな営業スタイルを確立してトップ営業マンになった私の営業の考え方をシリーズで配信していきます。
第5回目の今回は「お客様が思わず読んでしまう”お役立ち情報”の作り方」をテーマにお話し致します!!
新型コロナウイルスの影響で営業方法が従来から様変わりしている中で、営業方法に迷うことが増えてきた方に少しでもお力になれば嬉しいです!
INDEX
レッドオーシャンでもがき苦しむのではなくブルーオーシャンで勝ち残る
ほとんどの営業スタッフはホット客へのフォローを重視します。
”ホット客”とは購買意欲が高まっているお客様です。
ホット客は反応もよく、話が上手く進めばすぐに契約になります。
「今月はノルマの達成が苦しい」という時には非常に魅力的に見えるのです。
しかしホット客だけ追いかけて十分な結果を出せる人はほんの一握り。
ほとんどの営業スタッフはもがき苦しむことになるのです。
ホット客は購買意欲が高まっていますからいろいろな会社の営業スタッフに声をかけます。
そして他社の営業スタッフが「我こそが契約を取るぞ」と集まります。
競合他社がひしめくレッドオーシャン状態です。
他社の営業スタッフも本気で契約を取りにくるわけですからどうしても勝率は下がります。
ここで勝ち抜くにはかなりの営業センスと根性と必要になってきます。
甘い世界ではないのです。
私自身もこのレッドオーシャンで戦っていたこともあります。
競合10社からスタートして、一社一社振り落とされていきます。
最後の3社まで残るものの最後の最後で「ごめんなさいね。今回はA社に決めたの」と通告されます。
この間、どれだけ時間と労力をつぎ込んだか分かりません。
この手のお客様はとにかく勝率が低く、やればやるほど疲弊していったのです。
では、営業センスと根性がなければ生き残れないのでしょうか?
そんなことはありません。
営業センスがイマイチでも根性がなくても、営業として生き残る方法があります。
それは”中長期客を攻略する”ということです。
中長期客と言うのは”1~2年先に具体的に考える”といったお客様のことをいいます。
幸い、凄腕営業スタッフたちはこの手のお客様を好みません。
「どうせだったらもっと決まりそうなお客様を攻めよう」と思うからです。
ようするに中長期客は競合が少ないブルーオーシャンです。
このブルーオーシャンのお客様から契約が取れるかどうかで、営業として勝ち残れるか、それとも消えていくのかが決まるのです。
お客様が思わず読んでしまう「お役立ち情報」とは?
ブルーオーシャンのお客様から信頼を得て契約を取るためには”お客様にとって価値ある存在”になる必要があります。
そのために「この情報は役立つぞ」と思ってもらえる情報を送ることが不可欠になってくるのです。
メールで送るのであればすぐにクリックされ、郵送であればその場で開封されなくてはなりません。
お客様が読まずにいられず、思わず読んでしまうといった感じです。
ただ単に情報を送っていたのでは効果は低くなります。
時間と手間をかけて送っても読まれないのでは意味はありません。
忙しいお客様にもしっかり読んでもらえるための型と秘訣があります。
効果的な情報提供について4つのポイントにまとめました。
これから紹介しますので、このポイントをおさえて情報を作りお客様に提供してください。
ポイント1・・・お役立ち情報は”問題点”と”解決先”の二部構成でつくる
お役立ち情報を作る際「こんな感じでいいんじゃないのか」とノープランで進める人もいます。
よくある失敗が、いきなり「これがあると便利です」ですとか「このツールがあれば時間短縮になります」といった内容にしてしまう、ということです。
多少役立つかもしれませんが、ほとんどのお客様は「まあ、そうだよね」程度しか思いません。
これではまったく印象に残りません。
そうではなく「気をつけないとこんな困ったことが起こります」といった問題提起からはじめるのです。
それを見たお客様が「これは読んでおかないとマズイことになるぞ」と思います。
不安を煽り立てることでどんどん興味がひきつけられます。
興味を十分引き付けあと「このようにすればその問題が解決できます」といった解決策を伝えます。
【問題点】→【解決策】
この順番をしっかり守るようにしましょう。
これで開封率が何倍も上がります。
ポイント2・・・お客様が情報を見て3秒以内で理解できるようにする
お役立ち情報は「こういった問題がありますよ」といった問題提起から始まります。
その方が何倍も興味を引けます。
しかし、その文章が長文だったらどうでしょうか?
ほとんどのお客様は「まあ、大切かもしれないけど今は手が離せないし、あとで読もう」と後回しにしてしまいます。
そしてその”あとで”は訪れないのです。
これではせっかくの情報も読まれず終わってしまいます。
お客様を問題点に引き込む工夫が必要です。
まずは「お客様は忙しい」ということを前提として作りましょう。
イメージとしてはその情報を見たお客様が”3秒以内で理解できる”といったようにするのです。
私はこれを”3秒ルール”と呼んでいます。
印刷物であれば封筒を開けて3秒以内に「なるほど、こんな問題があるんだな」と理解してもらえるようにします。
メールやSNSであればタイトルに
【現場ではこんな問題が起こっている!〇〇のミスを防ぐワザを紹介】
としてもいいでしょう。
お客様がパッと見て「これは必要だ」と3秒以内に判断してもらえるようにするのです。
これで何倍も読んでもらえるようになります。
ポイント3・・・解決策の内容は”原因と3つの解決策”を伝える
問題点でお客様の興味を十分に引きます。
心理術のひとつに恐怖モチベーションというものがあります。
恐怖のモチベーションとは、「このまま仕事がうまくいかなかったらどうしよう」「今あるものを失ってしまうのでは」という感情から起こるモチベーションのことです。
これは何かを得るといったモチベーションより強力なのです。
事例や物語でしっかりと伝えてください。
しかし恐怖をあおっただけでおしまいではお客様を不安にさせるだけです。
問題点についてしっかり理解してもらったら、次は「でもこうすれば大丈夫ですよ」「問題を回避できます」と解決策を提示する必要があります。
その場合、どうしてそんなことになったのかという原因とどうすれば解決できるのかを伝えます。
解決策は2つか3つに絞るといいでしょう。
「この3つの点を注意すれば安心です!」としっかりとポイントを絞って書くことが大切です。
★お役立ち情報の流れ
・こんなことが起こりますという問題提起
↓
・なぜこんな問題が起こるのか?
・ミスの原因を解明
↓
・具体的な解決策
・2~3のポイントとして紹介
ポイント4・・・お役立ち情報のシリーズとか次回予告
最後のポイントは“シリーズ化と予告”です。
お役立ち情報を単発で送るより、シリーズ化したほうが印象に残ります。
接触回数が多くなればなるほど、お客様は親近感を持ってくれるのです。
ザイアンスの法則によると「接触を繰り返すことで次第に愛着が増す」とされています。
シリーズ化によってお客様との関係が深まります。
また、情報の最後に「次回はこういった情報を送ります」と予告しておくのもいいでしょう。
これを見たお客様は「次も楽しみだ」と思ってもらえるようになります。
ちょっとした予告で情報への興味を持続させることが可能になります。
数回に渡りお客様があなたからの情報を楽しみにしてくれ、何度も目にすることになるのです。
こうなれば「この人に相談してみようかな」という気持ちになります。
検討段階になった際、あなたに声がかかる確率がグッと上がるのです。
これからは今まで以上にクライアントが減少していきます。
レッドオーシャンのお客様を奪い合うのではなく、検討段階が低い段階から接点を持ち、良い関係を構築していく方がいいのです。
今後はこういった営業スタッフが勝ち残っていきます。
参考文献:訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書
ダメ営業マンだった著者が、4年連続トップ営業になる決め手となった「営業レター」の極意を紹介。「アプローチレター」「レスポンスレター」「クロージングレター」と3つのステージに分けて、営業レターを書くときのポイントや注意点を解説していきます。
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PROFILE
営業サポート・コンサルティング(株)代表取締役
菊原 智明(きくはら ともあき)