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【RPA虎の巻】欧米で注目の新たな活用手法「CXA」とは?

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CX(顧客体験)は、企業と顧客の間で発生するすべての接触点ややり取りを指す概念です。この概念には、製品やサービスの購入前から購入後に至るまでのすべてのプロセスが含まれます。CXは、顧客が企業やブランドに対して抱く感情や意見を形成する重要な要素であり、顧客満足度やロイヤルティの向上に直結。現代の競争激しい市場環境では、優れたCXを提供することが企業の競争力を維持するための鍵となっています。では、具体的にCXとは何を意味し、どのようにしてそれを向上させることができるのでしょうか?

CXの向上には、顧客のニーズや期待に応えるだけでなく、それを超えるサービスや対応が求められます。例えば、迅速なカスタマーサポートや、パーソナライズされた製品提案などが挙げられるでしょう。これにより、顧客は自分が大切にされていると感じ、再びその企業を利用する意欲が高まります。

さらに、デジタル技術の進化に伴い、CXの取り組みも変化しました。例えばRPAやAIの導入により業務の効率化やエラーが削減され、また顧客サービスを迅速かつ正確に行うことが可能となったことで、CXの改善に大きな影響を与えています。

今回はCXを変化させるRPAとの関係性や、CX自動化(CXA)という新しい考え方について詳しく解説していきます。 

RPAとCXの深い関係

近年、デジタル技術の進化に伴い、RPAとCXのつながりが注目されているようです。

RPAとCXにはどのようなつながりがあるのか

CXとは顧客が企業やブランドと接触する全過程において感じる体験や印象を指す概念です。CXの向上は顧客満足度やブランドロイヤルティを高め、最終的には企業の収益増加につながります。

一方、RPAは業務プロセスを自動化する技術で、特に繰り返し行われる定型作業を効率化することに優れています。RPAの導入により、業務の自動化が進むと、CXの向上に直結するいくつかのメリットが得られるようです。

顧客サービスの迅速化

RPAを活用することで、問い合わせ対応や注文処理が迅速に行えるようになります。これにより、顧客は待ち時間を減らすことができ、満足度が向上。

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データ入力の誤りの削減

手作業でのデータ入力はミスが発生しやすいですが、RPAを使用すると正確なデータ入力が可能になります。顧客情報の正確性が保たれることで、トラブルの発生を防ぎ、信頼性が向上。

顧客のフィードバックとその活用

RPAは顧客からのフィードバックを自動的に収集し、分析することができます。これにより、企業は迅速に顧客の声を反映させた改善策を講じることができ、CXの継続的な向上が期待できるでしょう。

24時間サービスの提供

RPAは人間の労働時間に制約されず、24時間365日稼働することができます。これにより、顧客はいつでもサービスを利用することができ、利便性が大幅に向上。

さらに、業務の自動化により従業員がルーチン作業から解放されることで、カスタマーサービスにより多くの時間とリソースを割くことが可能となります。これにより、顧客とのコミュニケーションが充実し、よりパーソナライズされたサービスを提供できるため、CXのさらなる向上が期待できるでしょう。

このように、RPAの導入は効率化と正確性をもたらし、結果としてCXの大幅な向上に寄与します。企業が競争力を維持し、顧客との強固な関係を築くためには、RPAの活用が不可欠です。

CXA(CX自動化)という新しい考え方

RPAやAIを活用したCX(顧客体験)の自動化、すなわちCXA(CX Automation)は、欧米を中心に急速に広がっています。

CXAとは何か?定義と基本要素

CXAは、顧客との接点を効率化し、パーソナライズされた体験を提供するための新しいアプローチです。CXAは、以下の基本要素から成り立っています。

オーケストレーション

複数のシステムやプロセスを統合し、一貫した顧客体験を実現するための調整を行います。

セグメンテーション

顧客データを分析し、顧客を特定のグループに分類することで、それぞれのニーズに応じたサービスを提供します。

パーソナライゼーション

個々の顧客の嗜好や行動に基づいて、最適なコンテンツやサービスを提供します。

自動化

RPAやAIを活用して、繰り返しのタスクやプロセスを自動化し、効率を向上させます。

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CXAがもたらす恩恵

CXAには、主に以下のメリットがあるといわれています。

顧客満足度の向上

パーソナライズされた体験が提供されることで、顧客の期待に応えるサービスが実現します。

オペレーショナルコストの削減

自動化によって人手による作業が減り、コスト効率が向上します。

収益の増加

効率的なプロセスと高い顧客満足度により、リピート購入や新規顧客の獲得が促進されます。

これらの要素と恩恵により、CXAは企業が競争の激しい市場で差別化を図り、顧客との長期的な関係を構築するための強力な手段といわれているようです。例えば、RPAを使って顧客からの問い合わせを即時に処理したり、AIを活用して顧客の購入履歴に基づいた推奨商品を提供することで、顧客体験が大幅に向上。結果として、顧客ロイヤルティが高まり、企業の成長が促進されるのです。

カスタマージャーニー例から、CXAの適用イメージをつかもう

カスタマージャーニーを通じてCXAの具体的な適用イメージをつかむことができます。まずは、一般的なカスタマージャーニーの各段階におけるCXAの活用方法を把握しましょう。

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認知(Awareness)

この段階では、顧客が初めてブランドや製品に触れる瞬間です。CXAでは、AI駆動のターゲティングを利用し、潜在顧客の興味やニーズに合った広告や製品を表示することで、効果的な認知向上を図ります。

検討(Consideration)

次に、顧客がブランドや製品に興味を持ち、情報を収集する段階です。CXAでは、顧客が製品ページを訪れた際に個別の顧客データに基づいてカスタマイズされたコンテンツを提供することで、顧客の関心を引き続けることができます。

購入(Purchase)

顧客が実際に購入を決定する段階です。CXAの活用により、支払い情報の入力を自動化し、顧客のプロファイルに情報を保存することで、繰り返し購入が容易になります。

保有(Retention)

購入後、顧客がブランドに対してポジティブな体験を継続的に持つ段階です。CXAでは、購入後のフォローアップメールを自動送信し、製品の使用方法やメンテナンス情報を提供することで、顧客の満足度を高めます。

提唱(Advocacy)

最後に、満足した顧客がブランドや製品を他者に推奨する段階です。CXAを活用して、満足した顧客には自動化されたメールや通知を通じてレビューの投稿を促進し、口コミ効果を最大化します。

 

BtoB事業におけるカスタマージャーニー

BtoB事業におけるカスタマージャーニーは、顧客との関係を深めるためのプロセスが複数のステージに分かれていますが、各ステージでCXAが重要な役割を果たします。

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問題認識(Awareness)

潜在顧客が業界の課題に気づくようなコンテンツを提供します。これにより、顧客が自社の製品やサービスを必要とする理由を理解しやすくなるでしょう。

情報収集(Consideration)

RPAを使用して、リードがウェブサイトで行う特定のアクションに基づいてカスタマイズされたフォローアップを実施します。これにより、顧客の興味や関心に即した情報提供が可能となるでしょう。

検討(Evaluation)

試用版の利用やパイロットプロジェクトへの参加を促す自動化されたキャンペーンを展開します。また、特定のニーズに基づいた提案書を自動生成することで、顧客にとって最適なソリューションを提示することができるようになるでしょう。

購入(Purchase)

RPAを活用して購入プロセスを簡略化し、すべての関連文書(契約書や発注書など)の生成と管理を自動化します。これにより、エラーのリスクが減少し、プロセスが迅速かつ効率的に進行するようになるでしょう。

ロイヤルティと拡大(Loyalty and Expansion)

顧客が成功を収められるようにサポートするため、定期的なパフォーマンスレビューを行い、改善提案を自動生成します。これにより、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことができるでしょう。

これらのステージを通じて、CXAは顧客体験を最適化し、BtoB企業は競争優位を確立することにつながります。

今後日本企業においても重要視されていく可能性が高いCXAの考え方

CXAは、単なる技術の進化ではなく、顧客との関係性をより深く、よりパーソナライズされた形で築くための戦略的アプローチです。例えば、顧客が製品やサービスに関する情報を検索したり、購入手続きを行ったりする際に、CXAはリアルタイムで個別のニーズに応じた最適なサポートを提供します。結果として、顧客満足度の向上だけでなく、オペレーショナルコストの削減収益の増加も期待できます。

欧米を中心に注目されている手法ですが、日本企業もこの新たな手法を積極的に取り入れることで、顧客体験の質を飛躍的に向上させるチャンスを得られるでしょう。

CXAの未来は明るく、今後ますますその重要性が増していくことは間違いありません。企業はこの波に乗り遅れないよう、今から準備を始め、顧客とのエンゲージメントを新たな次元へと引き上げる努力を惜しまないことが求められます。

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