• 2025/12/25
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『営業が協力してくれない』自社のBtoBマーケ施策が空回りする理由

『営業が協力してくれない』自社のBtoBマーケ施策が空回りする理由

多くの企業で、営業とマーケティングの連携不足が、顧客獲得や売上向上の大きな障壁となっています。

マーケティング担当者の方々の中には「営業部門の適切な協力さえあれば必ず成果が出るはず」協力を仰ぐものの、「渡した資料を使ってもらえない」「ターゲットリストへのフィードバックがない」といった理由で、営業の協力を得られず施策が空回りし、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、営業とマーケティングの連携がうまくいかない主な原因は、両部門がスムーズに協力しあえるような「仕組みづくり」が不足している点にあることが多いです。

今回は、マーケティング施策が空回りする根本原因を深掘りした上で、その効果を飛躍的に高めるために欠かせない、営業とマーケティングのシームレスな連携を実現する具体的戦略をご紹介します。

 

マーケ施策が空回りする典型的な4つの「ネガティブパターン」

営業とマーケティングの連携は、ビジネス成果を最大化する上で非常に重要ですが、実際には多くの企業でこの連携がうまく機能せず、マーケティング施策が空回りしてしまうケースが少なくありません。ここでは、よく見られる典型的な4つの「ネガティブパターン」をご紹介します。

  • 1.目標・KPIの不整合による部門間の対立
    営業とマーケティングで追いかける目標やKPI(重要業績評価指標)が異なることが多く、それぞれの部門が自部門の最適化を優先するため、全体としての成果が上がりにくくなる
  • 2.施策内容の理解と情報共有の不足
    マーケティング施策の目的や顧客ニーズへの適合性が営業に十分に伝わらず、営業側が施策の価値や活用方法を理解できないため、協力が得られにくい
  • 3.業務負荷の高さによる協力依頼の拒否感
    営業担当者の業務負荷が高い中、マーケティングからの協力依頼が煩雑であったり、負担感が大きいと、協力が後回しにされるか拒否される傾向がある
  • 4.リードの質に対する信頼不足
    マーケティングが提供するリードの質が営業の期待に達していない場合、過去の失敗体験から営業側の信頼が低下し、リード活用が進まない

これらの問題は、営業とマーケティングの連携不足が根底にあり、放置するとビジネスの機会損失や成果低下を招きます。次の各小見出しでは、これらのネガティブパターンを具体的に掘り下げ、解決のポイントを解説していきますので、ぜひご注目ください。

1.目標・KPIの不整合による部門間の対立

営業とマーケティングが連携して成果を上げるためには、両部門が追いかける目標やKPIが一致していることが不可欠です。しかし、現実にはマーケティングは「MQL(Marketing Qualified Lead)」の増加を目標に掲げる一方で、営業は「受注件数」や「売上金額」を重視することが多く、この目標の不整合が部門間の対立や連携の断絶を招いてしまいます。

この不整合がもたらす主な問題点は以下の通りです。

問題点
具体例
影響・結果
目標の違いによる優先順位のズレ マーケはリード数増加を重視し、多数のリード獲得を優先
営業は受注件数を重視し、質の高いリードを求める

両部門の行動がバラバラになり、連携が弱まる
施策全体の効果が低減

KPI設定の不一致 マーケはクリック数や資料ダウンロード数などの前段階指標をKPIに設定
営業は成約率や受注件数をKPIに設定
評価基準が異なり、成果の共有やフィードバックが困難に
改善策の協議がズレる
部門間の対立や責任の押し付け合い 営業が「マーケのリードは質が低い」と批判
マーケが「営業がリードを活用していない」と反論
信頼関係が損なわれ、協力が減少
組織全体のパフォーマンス悪化

この問題を解決し、営業とマーケティングの連携を強化するためには、目標とKPIの整合性を高めることが最も重要です。

2.施策内容の理解と情報共有の不足

営業とマーケティングの連携において、施策内容の理解不足と情報格差は大きな障壁となります。マーケティング部門が「この資料は顧客の課題解決に必須」と考えて作成したとしても、その意図や具体的な効果が営業現場に十分伝わっていなければ、営業担当者は既存の慣れた方法を優先し、新しい資料や施策を活用しないことが多いのです。

img2

この問題の背景には、マーケティング施策がなぜ必要なのか、どの顧客セグメントに有効かといった情報が営業担当者に適切に共有されていないことがあります。営業とマーケティングの間に情報のギャップが生じると、双方の連携は弱まり、施策の効果が十分に発揮されなくなります。

以下の表は、施策に対する理解不足と情報格差がもたらす具体的な問題点とその影響をまとめたものです。

問題点
具体例
影響・結果
施策の背景情報の不足 営業担当者に「なぜ今この施策が必要か」が伝わらない

営業が施策の重要性を認識できず、協力意欲が低下

顧客セグメント別の有効性が不明瞭 資料がどの顧客層向けか示されていないため、適切な活用が困難 営業が既存のやり方を踏襲し、新資料を使わない
情報共有の不足による誤解や不信感 マーケ側と営業側で施策の目的や効果に認識のズレがある 連携が阻害され、施策全体の効果が減少

この課題を解決するためには、マーケティング施策の背景や目的を営業担当者に丁寧に伝え、顧客ニーズやターゲットセグメントに関する情報を共有することが重要です。

また、営業担当者からのフィードバックを積極的に取り入れ、施策内容の改善や活用方法の具体化を図ることで、協力体制を強化できます。

3.業務負荷の高さによる協力依頼の拒否感

営業に対する協力依頼が過度な業務負荷を伴う場合、ネガティブなイメージを持たれやすく、後回しにされたり協力が得られずに施策が空回りするパターンが考えられます。具体的には、マーケティングがリード情報の提供や顧客フィードバックを求める際、入力項目が多すぎるフォームや慣れていないツールを使わせることが、営業担当者の負担を大きくしているのです。

営業担当者は日々の本業で多忙を極めており、こうした複雑な協力依頼は「本業の邪魔」と感じられやすいのです。その結果、協力が後回しにされたり、最悪の場合は無視されることも珍しくありません。営業にとって、「負担に見合うメリットが感じられない」協力依頼は、定着しないのが現実です。

以下に、業務負荷が高すぎる協力依頼に関する主な問題点とその影響、そして改善のポイントを整理しました。

問題点
具体例
影響・結果
入力項目が多すぎるフォーム リード情報提供のために多くの詳細情報を求めるフォームが複雑

営業の負担が大きく、入力を敬遠される

慣れないツールの使用 新しいCRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)ツールの操作が煩雑で時間がかかる 営業がツール利用を避け、情報共有が滞る
工数見積もり不足 協力依頼にかかる時間や手間が事前に考慮されていない 営業の協力意欲が低下し、依頼が継続しない
メリット不明瞭 協力による営業側の具体的な利益や効果が示されない 営業が協力の必要性を感じず、協力が得られない

この問題を解決するには、マーケティング側が営業の業務状況や負荷感を理解し、協力依頼のハードルを下げることが重要です。

具体的には、協力にかかる工数を正確に見積もり、可能な限り簡便な手段で情報提供を促すこと、そして協力によるメリットや効果を明確に伝えることが求められます。

4.リードの質に対する信頼不足

マーケティングが提供する「リードの質」に対する営業側の不信感は、連携を阻害しマーケティング施策が停滞する大きな要因のひとつになります。営業担当者が過去に「アポイントが取れない」「成果につながらない」リードを多く受け取った経験があると、マーケティングが提供するリードの質に疑念を抱き、結果的にリード活用への積極的な協力が得られない状況に陥るのです。

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この問題の根本原因は、マーケティングと営業の間で質の定義やリードスコアリングの仕組みが整備されていないことにあります。リードの質とは、営業活動に結びつきやすい見込み客の可能性を示す指標であり、これを適切に評価・管理しないと、単に数だけを追い求めることになり、営業の負担増加や成果の低下を招きます。

以下の表は、リードの質に対する不信感がもたらす問題と、その改善策をまとめたものです。

問題点
具体例
影響・結果
リードの質の定義が曖昧 マーケティング部門でリードの質の基準が共有されていない

営業がリードの価値を判断できず、活用が進まない

リードスコアリングの不在 リードの優先順位付けができず、質の良いリードが特定されない 営業が効率的に対応できず、成果が出にくい
過去の失敗体験による信頼低下 以前のリードでアポ獲得率が低く、営業がマーケのリードを信用していない リード活用や協力依頼への消極的態度が続く
リードの質と量のバランス不足 数を増やすことに注力しすぎて質が伴わない 営業の業務負荷増加とモチベーション低下

この課題を改善するには、営業とマーケティングでリードの質の基準を共通化させることが重要です。さらにツールを活用した見込み度合いの可視化も有効です。

信頼できるリードを提供することで、営業側の協力意欲も増し、組織全体のパフォーマンス向上に寄与します。

わたしたち電通B2Bイニシアティブでは、BtoB事業活動全般の戦略立案はもちろんのこと、デジタル領域の知見を活用した具体的な施策の実行から最終的な成果を分析・改善し続けるためのサイクルの創出まで伴走支援が可能です。

支援の詳細については、以下をご覧ください。

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営業連携を改善し施策を成功に導く改善ステップ

営業とマーケティングの連携を強化し、施策の成功を実現するためには、明確な改善ステップに沿って取り組むことが重要です。ここでは、実践的かつ効果的な3つのステップをご紹介します。

  • STEP1:共通の土台をつくる
    ・目標・KPIの統一(SLAの導入)
    ・リードの質を可視化する仕組みの導入
  • STEP2:コミュニケーションフローを整備する
    ・定期的な情報共有と対話の仕組みづくり
    ・協力のハードルを下げる仕組み化
  • STEP3:継続的改善の仕組みをつくる
    ・成果の可視化と相互評価の導入

上記のステップを実行することで、営業とマーケティングの連携は確実に強化され、施策の成功確率が飛躍的に向上するでしょう。

STEP1:共通の土台をつくる

営業とマーケティングの効果的な連携を実現するための最初のステップは、共通の土台をつくることです。この基盤がしっかりしていなければ、いくらコミュニケーションや運用を改善しても、施策の成功にはつながりません。

最初のステップで取り組むポイントは以下です。

  • 目標・KPIの統一(SLAの導入)
  • リードの質を可視化する仕組みの導入

目標・KPIの統一(SLAの導入)

営業とマーケティングの連携強化において、目標・KPIの統一は最も重要な基盤の一つです。特に、両部門が共通の目標に向かって動くことで、連携の質が飛躍的に向上し、施策の効果も最大化されます。

このために有効な手法が「SLA(Service Level Agreement)」の導入です。SLAは営業とマーケティング間で役割や責任、目標を明確にし、双方が合意したベンチマークを設定することで、連携の透明性と実効性を高める仕組みです。

具体的には、マーケティングと営業が「受注金額」や「商談化率」といった共通の最終成果指標を目標に設定し、その達成に向けた役割分担やKPIを連携させます。例えば、マーケティングは質の高いリードの提供を、営業はリードの迅速なフォローアップと商談化を担うといった具合です。

ここで重要なのが、「SAL(Sales Accepted Lead)」の概念です。MQLが営業部門に引き渡された後、営業がそのリードの情報を確認し、フォローアップを行う価値があると判断して「受け入れたリード」がSALとなります。MQLからSALへの移行プロセスにSLAを適用することで、マーケティングはリードの質に対する責任を、営業はリードの迅速な初期対応に対する責任を明確に分担できます。

MQLから受注までの各プロセスでSLAを策定し、双方の責任範囲を明確にすることで、無駄な摩擦や対立を防ぎ、協力体制が強化されるでしょう。

以下の表は、MQLから受注までの主要なプロセスにおけるSLAの具体例と、それぞれの営業・マーケティングの責任範囲を示したものです。

プロセス
マーケティングの責任範囲
営業の責任範囲
SLAの具体例
リード獲得・育成 リードの発掘とMAを活用したナーチャリング

無し

リードの反応を週次で共有

MQL認定・引き渡し 質の高いリードの発掘とスコアリング リード情報の迅速な確認 リード受け渡し後24時間以内に営業が初動アクションを行う
SAL確定 追加情報の提供 フォロー価値の判断・受入 48時間以内に受入可否回答
商談化 商談につながるリードの提供 商談設定と顧客ニーズのヒアリング 商談設定後48時間以内にフォローアップを実施
受注・クロージング 営業支援資料の提供 受注プロセスの進捗報告 週次で進捗状況を共有し、課題を早期に解決

効果的なSLA運用のポイントとしては、定期的なレビューと双方のコミュニケーションを欠かさず行い、状況に応じて柔軟に内容を見直すことが挙げられます。

また、SFA(営業支援システム)やMAなどのツールを活用して情報を一元管理し、リアルタイムで進捗や成果を可視化することで、両部門の信頼関係を築き、連携の効率化を促進できます。

リードの質を可視化する仕組みを導入する

目標・KPI統一と合わせて、リードの質を共通認識として持てる仕組みづくりも重要です。評価基準を統一することで、営業が活用しやすい高品質なリード提供が可能となり、協力体制が強化されます。

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まず、リードの質とは何かを明確に定義することが重要です。リードの質は、顧客の購買意欲やニーズの深さ、企業規模や業種などの属性情報、さらにはウェブサイトの閲覧履歴や問い合わせ履歴などの行動情報に基づいて評価されます。この質の定義を営業とマーケティングが共有し、双方の視点を取り入れることが信頼性向上の第一歩です。

次に、営業部門と連携して、リードの属性と行動に基づいた共通のスコアリング基準を策定します。具体的には、以下のような要素が考慮されます。

スコアリング要素
具体例
効果・メリット
顧客属性 企業規模、業種、役職、地域

ターゲット顧客に合致したリードの選別が可能

行動履歴 ウェブサイト訪問頻度、資料ダウンロード、セミナー参加 リード情報の迅速な確認
SAL確定 追加情報の提供 顧客の関心度や購買意欲を把握しやすい
過去の接触履歴 問い合わせ内容や対応履歴 顧客の状況把握とフォローアップの精度向上

この共通スコアリング基準をMAツールに組み込み、自動的にリードのスコアを算出・可視化しましょう。これにより、営業はリアルタイムにリードの質を把握でき、優先的にアプローチすべきリードを明確にできます。

さらに、スコアリング結果と実際の受注率を定期的に比較・分析し、営業からのフィードバックを基に「良いリード」の定義やスコアリング基準を継続的に見直すことが効果的です。これにより、スコアリングの精度が向上し、営業とマーケティングの連携がより強固なものになります。

施策項目
内容
効果・メリット
属性と行動履歴の分析 企業規模や役職、ウェブサイト訪問履歴、資料ダウンロード履歴などを統合評価

受注確度が高いリードを効率的に抽出できる

営業の視点を反映したスコア項目設定 営業の経験や過去の受注データを基に重要指標を設定し、無駄なリードを除外 営業の信頼獲得とリード活用率の向上
MQL/SQL(Sales Qualified Lead)基準に達した際の即時共有 スコアや行動履歴をリアルタイムで営業に通知し、迅速なフォローを促進 商談化率の改善と営業の対応スピード向上
スコアリング結果と受注率の定期比較 定期的にスコアと実際の受注率を分析し、営業からのフィードバックを受けて基準見直し スコアリングの精度向上と施策の継続的改善

STEP2:コミュニケーションフローを整備する

営業とマーケティングの連携を強化し、施策を成功に導くためには、明確かつ効率的なコミュニケーションフローの整備が不可欠です。STEP1で共通の土台が構築された後は、日々の運用面で双方が円滑に情報共有し、連携を深めるための具体的な仕組みづくりに取り組みます。

コミュニケーションフローの整備は、単なる情報交換に留まらず、営業とマーケティングが相互理解を深め、信頼関係を築く基盤となります。これにより、施策の効果を最大化し、組織全体の営業活動の質を向上させることが可能です。

主なポイントは以下の通りです。

  • 定期的な情報共有と対話の仕組みづくり
  • 協力のハードルを下げる仕組み化

定期的な情報共有と対話の仕組みづくり

営業とマーケティングの連携強化において、定期的な情報共有と対話の仕組みは欠かせません。施策の背景や目的、実施結果を双方が理解し合い、フィードバックを通じて改善を図ることで、組織全体の成果向上につながります。単なる情報の一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションを促進することがポイントです。

まず、施策の背景や目的を営業側に丁寧に説明し、なぜその施策が必要なのかを理解してもらうことが重要です。これにより営業は施策の価値を実感し、積極的な協力が得やすくなります。

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一方で、営業からの現場の声やリードの反応、顧客のニーズ変化などのフィードバックをマーケティングが受け取ることで、施策の改善点を把握しやすくなります。

こうしたフィードバックを活かすためには、定期的なレビュー会議やワークショップなど、対話の場を設けることが効果的です。これらの場では、施策の進捗状況や成果を共有し、成功事例や課題を双方で検討します。

仕組み例
内容
効果・メリット
施策背景の共有 マーケティングが施策の目的や顧客ニーズを営業に説明し、理解を深める

営業が施策の重要性を理解し、協力意欲が高まる

定期レビュー会議の開催 施策の進捗や成果、課題を双方で共有し、改善点を話し合う場を設置 課題の早期発見と迅速な対応が可能となり、施策効果が向上
営業からのフィードバック収集 現場の声や顧客反応を定期的に収集し、マーケティングにフィードバック 施策内容の改善や顧客ニーズの変化に対応しやすくなる
対話の促進 ワークショップや意見交換会を通じて双方の理解と信頼を深める 組織内のコミュニケーション活性化と連携強化
改善策の実行とフォローアップ レビュー結果を基に具体的な改善策を立案・実施し、進捗を追跡 PDCAサイクルの確実な実行と継続的な施策改善

協力のハードルを下げる仕組み化

営業とマーケティングの連携において、協力のハードルを下げることは施策成功の重要なカギです。特に営業が日々の業務で多忙を極める中、負荷なく自然に協力できる仕組みを構築することが求められます。単にフォームの簡素化やツールの導入だけでなく、営業の業務フローに無理なく組み込むことがポイントです。

具体的には、下記のような取り組みが効果的です。

取り組み
内容
効果・メリット
既存フローへの組み込み 営業の既存の業務プロセスや使用ツール(SFAなど)に連携作業を組み込み、別作業として感じさせない工夫をする

協力依頼が日常業務の一部となり、抵抗感や負担感が減少

協力依頼の簡素化 必要最低限の情報に絞った入力項目や、音声入力・自動入力機能の活用で負担を軽減 入力時間の短縮とミスの減少により、協力が継続しやすくなる
ツールの使いやすさの追求 営業目線でのUI/UXを重視し、直感的に操作できるツールを選定・カスタマイズ ツール利用率が向上し、情報共有の質が高まる
協力メリットの明確化と共有 協力することで営業自身の業務効率や成約率向上につながる具体的なメリットを示す 営業の協力意欲が高まり、積極的な連携が促進される
定期的なフォローアップと改善 営業からのフィードバックを定期的に収集し、仕組みやツールの改善に反映 仕組みの使い勝手が継続的に向上し、定着と効果が持続

STEP3:継続的改善の仕組みをつくる

営業とマーケティングの連携を強化し、施策の成功を持続的に実現するためには、継続的な改善の仕組みづくりが不可欠です。

STEP1で共通の土台をつくり、STEP2でコミュニケーションフローを整備した後は、組織としてPDCAサイクルを回し続け、成果を分析し課題を抽出、改善策を実行しフォローアップする体制を確立していきます。

成果の可視化と相互評価の導入

営業とマーケティングの連携に伴う改善の仕組みづくりでは、双方の成果をリアルタイムで可視化し、共通の評価基準に基づいて相互評価を行うための体制整備が不可欠です。これを実現するために、共通のダッシュボードを作成し、部門横断的にKPIや進捗状況を一元管理する仕組みを導入しましょう。

共通ダッシュボードの活用は、以下のようなメリットをもたらします。

メリット
内容
効果・メリット
リアルタイムでの情報共有 営業とマーケティング双方が同じ画面で最新のKPIや進捗を確認できる

認識のズレを防ぎ、迅速な意思決定と連携強化を促進

データに基づく客観的評価 定量的な成果指標を共有し、感情的な対立を回避 信頼関係の醸成と協力体制の強化につながる
全社的な可視化による意識向上 組織全体で施策の成果や課題を把握しやすくする 改善活動の促進と組織文化としての連携強化を実現
PDCAサイクルの効率的な運用 施策の効果分析と課題抽出をリアルタイムで行い、迅速に改善策を実施 継続的な改善と成果最大化に寄与

共通ダッシュボードを導入する際には、営業とマーケティング双方のKPIを適切に設定し、データの正確性と更新頻度を担保することが重要です。

またダッシュボード上ではMQL発生数の把握にとどまらず、より詳細な営業活動の成果指標も一元管理し、マーケティング施策との連携効果を可視化することが重要です。

具体的には、「MQLごとの受注単価」や「施策別商談化率」といった指標を含めることで、どのマーケティング施策が営業の成果に直結しているかを明確に把握できます。

共通ダッシュボードに含めるべき主な指標例とその効果について、以下にまとめました。

指標例
内容
効果・メリット
MQL発生数 マーケティングが創出したリードの数

施策のリード獲得力を客観的に評価可能

MQLごとの受注単価 各MQLから得られた受注金額の平均値 リードの質と施策の収益性を可視化
施策別商談化率 各マーケ施策から商談に至ったリードの割合 営業とマーケティングの連携効果を定量的に把握
施策別リードの反応率 リードの資料ダウンロードや問い合わせなどの反応数 施策の顧客エンゲージメントを測定
営業からのフィードバック件数 営業担当者から提供されたリードに関する意見や評価数 連携状況と改善活動の活性化を促進

このような詳細なデータをリアルタイムで共有することで、営業とマーケティング双方が施策の効果を正確に把握し、改善ポイントの特定や次の戦略立案に役立てることができます。

さらに、ダッシュボードを活用した定期的な相互評価の場を設けることで、双方の成果を客観的に確認し合い、改善点や成功事例を共有する文化を醸成しましょう。

これにより、信頼関係が深まり、施策の効果が一層高まるとともに、組織全体の営業連携力の向上につながります。

評価制度例
内容
効果・メリット
質の高いリードを供給したマーケ施策の評価 受注率の高いリードを多く創出した施策を表彰

営業の協力意欲向上と施策改善の促進

フィードバックを徹底した営業担当者の評価 定期的にリード状況を報告し、改善提案を行った営業を表彰 定期的にリード状況を報告し、改善提案を行った営業を表彰
営業の協力意欲向上と施策改善の促進
インセンティブ付与 金銭的報酬や表彰制度、キャリアアップ支援など 協力行動が義務化ではなく利益につながる文化を醸成

以上のように、成果の可視化と相互評価を共通ダッシュボードで実現することは、営業とマーケティングの連携強化における最先端の施策です。ぜひ導入を検討し、自社の組織力と施策効果の向上に役立ててください。

マーケティングと営業双方が納得する仕組みづくりがスムーズな連携のコツ

営業とマーケティングの連携は、企業が成長を続けるために欠かせない要素です。多くの企業が抱える課題は、部門間での目標や指標のズレ、施策に対する理解不足、過剰な業務負荷、そして質の悪いリードへの不信感などです。

これらの課題を解決するためには、まず共通の目標を設定し、明確なコミュニケーションを確立しましょう。また、双方が納得する仕組みをつくり、継続的な改善を図ることで、シームレスな連携が実現します。

この連携強化により、顧客のニーズに応じた効果的なキャンペーンを展開できるようになり、営業とマーケティングの双方が成果を最大化することが可能です。

ぜひ、今後のビジネス戦略において、営業とマーケティングの連携強化を視野に入れて取り組んでみてください。これが自社の成長を加速させるカギとなるでしょう。

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