「インターネット検索でキャンペーンサイトを上位表示させたい」
「自社サイトからの顧客流入を増やしたい」
そうお考えのWebマーケティング担当者におすすめのソリューションとして、SEOがあげられます。SEOとは検索エンジン最適化のことで、自社のWebサイトが検索エンジンの検索結果ページで上位に表示されるようにするための施策を指します。SEOはWebマーケティングを成功に導くために重要な戦略です。SEOの理解を深め、インターネットにおける自社サイトのプレゼンスを向上させましょう。
本記事では、BtoBビジネスにおける課題解決に特化したソリューションを提供している電通B2Bイニシアティブが、SEOの概要や評価基準、導入プロセス、対策のポイントについて詳しく解説します。皆様のWebマーケティングの成功にお役に立てる情報となれば幸いです。
INDEX
SEOとは?基礎情報や役割をわかりやすく解説
SEO(Search Engine Optimization)とは、WebサイトやWebページが検索エンジンの検索結果で上位に表示されるようにするための一連のプロセスです。
検索エンジンは、GoogleやBingなどが代表的であり、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、関連性の高い情報を提供することを目的としています。
SEOは、キーワードリサーチ、コンテンツの質、内部リンクの構造、外部リンクの質や数、メタタグの最適化などが含まれ、これらは検索エンジンのアルゴリズムによって評価され、検索結果の順位に影響を与えます。
例えばユーザーが「SEOとは」というキーワードで検索した場合、適切なキーワードを含み、質の高いコンテンツが提供されているWebページが上位に表示される可能性が高くなるということです。
年代ごとにSEOは進化している
- 1990年代
インターネット黎明期にSEOの試行は始まります。検索エンジンが多数存在していたため、それぞれの特性を理解することが必要でした。初期のSEOはキーワードの詰め込みやメタタグ操作など、検索エンジンのアルゴリズムを利用した手法です。
- 2000年代
Googleが日本に進出してきます。Googleは悪質なSEO手法を排除するためにアルゴリズムを頻繁に更新するようになります。そこでユーザー体験を重視したSEOが求められるようになります。
- 2010年代
Yahoo!JAPANがGoogleの検索エンジンを採用したことで、SEOは事実上Google対策と同義になります。
- 2024年現在
SEOは企業のWebマーケティングを成功させるために極めて重要な手段として広く認識されています。モバイルフレンドリーや画像/音声検索などにも対応し、SEOは進化し続けます。
SEO対策の強みと弱み
強み
SEO最大の利点は、自然検索からのトラフィックを増加させることができる点です。これにより、広告費をかけずに持続的なアクセスを得ることができます。またUXも向上し、訪問者が求める情報に素早くアクセスできるようになれば、結果的にコンバージョン率の向上にもつながります。
弱み
SEOは即効性が低く、結果が出るまでに時間がかかることが多いです。競争の激しいキーワードで上位表示を狙う場合、数ヶ月から数年かかることもあるでしょう。また検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に更新されるため、それに応じた対策を常に行う必要がありますし、SEO対策が過度に行われると、ペナルティを受けるリスクもあります。
強みを最大限に活かし、かつ弱みを最小限に抑えるためには、最新の情報を常にキャッチアップし適切な戦略を立てることが求められます。
SEOがWebマーケティングで果たす役割
- 視認性とブランド認知度の向上
- Webサイトへのトラフィックの増加
- コンバージョン率の向上
- ユーザーエクスペリエンスの改善
- 企業の信頼性と権威性を強化
視認性とブランド認知度の向上
SEOはWebマーケティング戦略の一部として、ブランドの成長と成功に向けて重要な役割を果たします。特定のキーワードに対する検索結果でWebサイトが上位に表示されることによって、ユーザーとの接触機会が増え、ブランドの露出が大幅に増加します。ユーザーがブランドや製品について知る機会が増えることで、製品やサービスへの関心を引き出します。
Webサイトへのトラフィックの増加
SEOはWebサイトの認知度を高めるだけでなく、オーガニックトラフィック※1 を増加させる役割も果たします。特定のキーワードに対する検索エンジンのランキングを向上させることで、そのキーワードを検索するユーザーがWebサイトを訪れる確率が向上。例えば、「自転車の修理」というキーワードで上位にランクインすることで、自転車の修理を必要とするユーザーがそのWebサイトを訪れる可能性が高まります。
※1 オーガニックトラフィック:検索エンジンの検索結果ページからWebサイトへの流入
コンバージョン率の向上
コンバージョン率は訪問者が目的の行動(製品の購入、メーリングリストへの登録など)をとる確率です。例えば、オンラインストアが特定の製品ワードにフォーカスしたSEOを実施した場合、製品を探しているユーザーがストアを訪れ、購入に至る確率が高まります。
ユーザーエクスペリエンスの改善
SEOはWebサイトを使いやすくする役割も果たします。ページのロード時間を短縮することで、ユーザーは情報に素早くアクセスでき、待ち時間のストレスを軽減できます。スマートフォンからのアクセスが増える現代において、モバイルフレンドリーなサイトデザインは快適なユーザー体験を提供できるでしょう。
また直感的なナビゲーションは、ユーザーが求める情報を効率的に見つけられるようサポートすることで、サイト内でのロスト(迷いや混乱)を防ぎます。ワード検索フォームの設置も有効です。
企業の信頼性と権威性を強化
SEOは企業Webサイトの信頼性と権威性を強化し、検索エンジンから高い評価を受けるための基盤を築きます。信頼性と権威性を強化は関連性の高い他Webサイトからのバックリンク※2 獲得、専門的なコンテンツの作成/掲載、ユーザーエクスペリエンスの最適化によって達成されます。
これらの取り組みは企業のオンラインプレゼンスを強化し、ビジネスの長期的な成功に寄与するでしょう。
※2 バックリンク:他Webサイトに設置された本Webサイトのリンク
SEOの取り組み
- オンページSEO(内部施策)
- オフページSEO(外部施策)
- テクニカルSEO
オンページSEO(内部施策)
オンページSEOは、Webサイトの内部要素に焦点を当てた対策を指します。キーワード配置、価値あるコンテンツ、メタデータ、適切なURL、内部リンキングなど、多くの要素から成り立ちます。これらの試行全てがユーザーエクスペリエンス向上につながり、検索エンジンからの評価を高めます。
- キーワード:ページのコンテンツの象徴
- オリジナルコンテンツ:ユーザーに価値を提供
- メタデータ:ページ内容の要約
- 短く意味のあるURL:検索エンジンのインデックスを支援
- 内部リンキング:サイト構造とページ間の関連性を明確化
オフページSEO(外部施策)
オフページSEOは、Webサイトの外部で行われるSEO対策のことです。他のWebサイトからのバックリンクの取得、ソーシャルメディアでのブランド露出、オンラインでのブランディングなどの手段を用います。特にソーシャルメディアマーケティングやインフルエンサーマーケティングは、オフページSEOの一部としてWebサイトの検索ランキング向上に役立ちます。
テクニカルSEO
テクニカルSEOは、Webサイトの「技術的」要素に焦点を当てた対策です。サイトのロード速度、モバイルフレンドリーなデザイン、SSL証明書の有無、サイトの構造(サイトマップ)、404エラーページの管理などが点検項目となります。検索エンジンがWebサイトをクロールし、ランク付けするプロセスに影響を与えます。
Webサイト評価のシステム
- クロール(crawl)
- インデックス(Index)
- 検索クエリ(Search Query)
クロール(crawl)
クロールは検索エンジンがWebサイトの内容を理解し、評価するための基本的なプロセスです。クローラー(スパイダー/検索ロボット)がWebサイトの各ページを訪れ、内容を解析します。SEO担当者は、メタデータ(タイトルタグやメタディスクリプション)やサイトマップの作成、Webサイトの定期的な更新などのクロール対策を実施しましょう。
クロールされたくないページを設定することも可能です。例えばプロフィール情報ページのURLを「robots.txt」ファイルに記述し、クローラーにスキップするように指示してみましょう。
インデックス(Index)
インデックスは検索エンジンがクロールしたWebサイトの情報を保存し、検索結果を生成するためのデータベースのことです。ユーザーが特定のキーワードで検索を行ったとき、検索エンジンはインデックスから関連性と品質に基づいてページを選出し、検索結果を生成します。
検索クエリ(Search Query)
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードまたはフレーズのことです。検索エンジンは検索クエリを使用してインデックスから関連するWebサイトを検索します。SEO担当者は、キーワードリサーチ※3 やコンテンツの最適化※4 によって検索クエリ対策を行いましょう。
※3 キーワードリサーチ:ユーザーが使用する可能性のあるキーワードを特定するプロセス
※4コンテンツの最適化:検索クエリに対応するコンテンツ作成のこと。キーワードをページ内に適切に組み込んでいく。
SEOで重視される評価基準とは?
主要な検索エンジンであるGoogleのWebサイト検索基準について解説します。高評価項目だけでなく、低評価を下される基準についても理解を深めていきましょう。
Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)
Google検索品質評価ガイドラインは、Webページの品質を評価するための基準を記した文書です。このガイドラインはGoogleの検索品質評価者※5 向けに作られており、Webページの品質評価に一貫性を付与します。
ガイドラインはGoogleの検索アルゴリズムそのものを説明しているわけではないため注意が必要ですし、常に更新される情報であるということも認識しておかなければなりません。SEO担当者にとってはガイドラインを参考にしてWebサイトを最適化することができるため、SEOを進める上で有効な資料であることは間違いありません。
※5 検索品質評価者(Search Quality Raters):Googleの外部委託業者。Googleの検索結果の品質を評価する役割を果たす。
優先すべき評価基準
- E-E-A-T
- YMYL
- ユーザーエクスペリエンス
Google検索品質評価ガイドラインが具体的に示す評価基準を解説します。特にE-A-Tは2022年末のアップデートでE-E-A-Tとなっており、新たなSEO対応戦略を得る上で認識しておくべきポイントとなっています。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)
E-E-A-T※6 は、Googleの「検索品質評価ガイドライン」で強調されている評価基準です。E-E-A-Tを優先することで、Webサイトは検索エンジンからの信頼を獲得し、検索結果ランキングの向上が期待できます。
E-E-A-Tの具体的な試行として、実体験に基づいたコンテンツの提供、作者の資格や経歴の明記、信頼性の高いソース表記、プライバシーポリシーページの設定などがあります。
※6 E-E-A-T:Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の略
YMYL(Your Money or Your Life)
YMYL(Your Money or Your Life)は、ユーザーの生活や財産に大きな影響を及ぼす可能性のあるコンテンツ/ページです。Googleが独自に設定した概念であり、誤った情報はユーザーに重大な結果をもたらす可能性があるため、特に厳格な評価基準が適用されます。
具体的には、金融サービス、医療/健康、法律分野など、重要な決定を下すための情報を提供するページが対象です。YMYLページの評価では、情報の正確さと最新性、情報源の信頼性、透明性(例えば、作者の情報や引用元の明示)などが重視され、ユーザーのフィードバックやレビューも評価の対象となります。
ユーザーエクスペリエンス
ユーザーエクスペリエンス(User Experience、UX)は、ユーザーがWebサイトを使用する際の感じ方や体験のことです。Webサイトの使いやすさ、情報の見つけやすさ、魅力的なデザイン、技術的なパフォーマンス(ロード時間など)など、多くの要素によって形成され、Webサイトのロード時間の短縮、モバイルフレンドリーなデザイン、直感的なナビゲーションなどが具体的な対策として挙げられます。
2022年12月にGoogleの検索品質評価ガイドラインが更新され、新たに「Experience(経験)」が追加されており、SEOを進めるうえで優先すべき対策です。
注意すべき低評価基準
- 単純なページ量産
- 使いにくいサイト構成
- 反社会的情報
単純なページ量産
単純なページ量産とは、ページを多く生成することで検索エンジンのインデックスを占める試みです。量産ページは低品質なコンテンツや重複したコンテンツとみなされ、SEOの観点から見て低評価の基準となります。
(例)Eショップなどで同じ商品を色ごとに別々のページを作成する場合
それぞれのページのコンテンツがほとんど同じであれば、単純なページ量産と見なされ、検索エンジンから低評価を受ける可能性があります。検索エンジンはユーザーに最も関連性の高く、価値のある情報を提供することを目指しているため、単純なページ量産はその目的に反します。
使いにくいサイト構成
使いにくいサイト構成は、ユーザーエクスペリエンスを著しく損なう可能性があり、結果的に検索エンジンの評価を下げる要因となります。Webサイト内のナビゲーション不全、ページ読み込みの遅延、頻繁な404エラーなどには対策が必要です。ユーザーがWebサイトでの体験を不快に感じ、サイトを早期に離れる可能性があります。
反社会的情報
SEOを進める上で、反社会的情報の掲載には細心の注意を払う必要があります。検索エンジンはユーザーの利益を最優先に考え、有害な情報を提供するWebサイトを排除。違法な薬物の販売を促進する情報や、ヘイトスピーチ、誤った医療情報などが反社会的情報の一例となり、社会全体に悪影響を及ぼす可能性があるため、検索エンジンから厳しく評価されます。
反社会的情報を含むWebサイトは検索結果のランキングでペナルティを受けるリスクを負います。ペナルティの形は様々で、検索結果のランキング低下、ページのインデックス削除、あるいは最悪の場合、サイト全体のインデックス削除となることもあります。
SEOにおける評価基準の展望
- 技術革新に対応
- 社会情勢に対応
- ユーザビリティに対応
優先すべき評価基準と注意すべき低評価基準を踏まえて、評価基準の展望について解説します。検索エンジン自体のアップデートはもちろん、イノベーションや社会情勢なども考慮した対策が必要です。
技術革新に対応
GoogleはすでにAIと機械学習を一部使用して検索機能を強化しており、2023年2月には「Google Search's guidance about AI-generated content」というブログを公開。AIが生成するコンテンツに関するルールとベストプラクティスを公表しました。AIとともに次世代のコア技術とされる量子コンピューティングやXRにもSEOは対応を迫られます。
社会情勢に対応
社会情勢の変化もSEOの展望に影響を与えます。新型コロナウイルスのパンデミックではYMYLの重要性が一層認識されるようになりました。金融サービス、医療/健康、法律分野の情報は社会情勢や時代の価値観と共に変化し、Webサイトに掲載されるコンテンツには正確さと最新性、情報源の信頼性、透明性が引き続き求められます。
ユーザビリティに対応
モバイル検索、音声検索、画像検索など、新たな検索方法の出現はSEOの戦略を多様化させます。すでにスマートスピーカーで商品検索から購入まで行えるサービスもあり、音声検索などは一般化されつつあります。大切なのはユーザビリティの追求です。様々な検索方法に対応したSEOを目指しましょう。
SEO対策を行うためのプロセス
1.既存サイトのSEO評価
2.キーワードリサーチ
3.オンページSEO
4.テクニカルSEO
5.オフページSEO
6.コンテンツ戦略
7.パフォーマンスのモニタリングと調整
ここで解説する一連のSEOプロセスは一般的なものであり、企業戦略やリソース制限に合わせて手順の調整を行うことが大切です。
電通B2Bイニシアティブでは、企業ごとに最適化されたSEO導入をサポートいたします。ぜひお気軽にご連絡ください。
1.既存サイトのSEO評価
まずはじめに、最初に既存サイトのSEOパフォーマンスを評価するための評価/分析についてです。検索エンジンのランキング、Webサイトの構造、ユーザーエクスペリエンス、コンテンツの品質、技術的なSEO要素(メタタグ、URL構造、リンク構造など)の項目を点検していきます。既存サイトの問題点を洗い出し、改善点としてチームで共有し、SEOの方向性を決定しましょう。
2.キーワードリサーチ
キーワードリサーチは、SEOプロセスの基礎です。適切なキーワードを特定することで、目標とするオーディエンスがWebサイトにアクセスしやすくします。
業界やニッチの検索ボリューム、競争レベル、そして検索意図を考慮することが大切です。適切なキーワードを特定してWebサイトのコンテンツに適切に組み込むことで、SEOの効果を最大化することができます。
3.オンページSEO
オンページSEOでは、メタデータの設定、ヘッダータグの最適化、URL構造の改善、内部リンクの配置、そしてコンテンツの品質の確保などを実施。メニュー/カテゴリー設定し、サイト内循環を高める工夫も追求しましょう。サイト制作者情報、プライバシー情報の掲載はサイトの信頼性を高め、検索エンジンに対するアピールとなります。
4.テクニカルSEO
テクニカルSEOは、オンページSEO同様、検索エンジンがWebサイトを効率的にクロール/インデックスするのを助けるプロセスです。Webサイトのロード速度の最適化、モバイルフレンドリーな設計、サイトマップの作成、robots.txtファイルの設定、そしてSSL証明書の導入などに取り組みます。
5.オフページSEO
オフページSEOは、バックリンクの獲得、ソーシャルメディアでのプロモーション、インフルエンサーマーケティング、他ブログへの投稿などが主な手段です。
一方、スパム的なリンク作成やリンクの購入など、不自然なリンク獲得はGoogleによってペナルティを受ける可能性がありますので、細心の注意を払いましょう。
6.コンテンツ戦略
コンテンツはキーワード戦略と密接に関連しており、ページに適切なキーワードを含めることで検索エンジンのランキングを向上させることができます。検索エンジンがWebサイトを評価する際の主要な要素で、ユーザーがWebサイトを訪れる理由を提供し、滞在時間を延ばし、再訪を促す役割を果たします。ブログ記事やホワイトペーパーなど掲載し、専門性を高め、ユーザーのタイムリーなニーズに対応させましょう。
7.パフォーマンスのモニタリングと調整
パフォーマンスのモニタリングと調整は、SEO戦略の成果を評価し、必要に応じて戦略を調整するためのプロセスです。Google AnalyticsやGoogle Search Console、その他の分析ツールを使用して、Webサイトのトラフィック、検索エンジンのランキング、コンバージョン率などのKPI※7 を定期的に追跡/分析します。
このプロセスはSEO戦略の進捗状況を確認し、必要な改善点を特定するために不可欠です。例えば、特定のキーワードでのランキングが低下している場合、原因の特定をしてコンテンツ戦略、テクニカルSEOを調整していきます。また、検索エンジンのアルゴリズムは逐次更新されるため、最新のSEOトレンドに対応するための調整も必要となります。
※7 KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標):組織の目標を達成するための指標
SEO対策のポイントを5つご紹介
- キーワードリサーチ
- ユーザーエクスペリエンスの最適化
- 高品質なコンテンツの作成
- 定量的・定性的分析
- 持続可能なリソース配分
キーワードリサーチ
検索トレンドは常に変化するため、定期的にキーワードリサーチを見直し、最新のトレンドに対応することが求められます。
キーワードリサーチの成功は、ユーザーの視点を理解し、そのニーズに合わせたキーワードを選択することから始まります。競合他社がどのようなキーワードを使用しているかも調査しましょう。また特定のニッチをターゲットにした長尾キーワード※8 の活用も大切です。特定のユーザーグループに対するコンバージョンが期待できます。
※8 長尾キーワード(ロングテールキーワード):3つ以上の言葉からなる複合キーワード
ユーザーエクスペリエンスの最適化
ユーザーエクスペリエンスの最適化は、SEO成功の鍵です。最適化することでユーザーがサイトを訪れたときに好印象を与えるだけでなく、サイトへの滞在時間を延ばし再訪を促します。サイトデザインの直感性、明確なナビゲーション、有用なコンテンツ、ページのロード時間短縮などを追求していきましょう。
なお、最適化は一度行ったら終わりではなく、ユーザーのニーズや行動の変化、技術の進歩に合わせて常に更新し続ける必要があります。
高品質なコンテンツの作成
ユーザーが求める情報を提供することはSEOを進める上で重要です。
選択したキーワードに関連し、ユーザーのニーズに答えるコンテンツを作成することが求められます。単にキーワードを詰め込むだけではなく、情報の利便性と適時性も追求していきましょう。
キーワードの過剰な使用は「キーワードスタッフィング」と呼ばれ、ペナルティの対象となります。ので、E-E-A-Tを意識してコンテンツのブラッシュアップに努めましょう。
定量的・定性的分析
- 定量的分析:数値やデータを用いて客観的に評価する手法です。具体的な数値を追跡し、分析することでSEO対策の効果を把握します。
- 定性的分析:数値化できない情報を評価する手法です。ユーザーの感想や意見などからユーザーエクスペリエンスの質を分析します。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどのツールを活用して、訪問者数、ページビュー、直帰率、滞在時間などの具体的な数値を追跡しましょう。また、ユーザーレビューやフィードバックを分析することで、ユーザーがサイトに何を求め、どの部分に満足/不満を感じているのかを把握できます。
持続可能なリソース配分
SEO対策には企業戦略と合わせてリソース配分を的確に継続していく必要があります。専門的知識をもったスタッフの育成、最新のSEOのベストプラクティス情報の獲得と対処、魅力的なコンテンツ制作にリソースを割り振ることが大切です。
社内リソースに制限がある場合はアウトソーシングも有効です。アウトソーシングを活用する場合は、しっかりとSEO戦略の共有を図りましょう。
SEO対策のマネジメントとは?担当者が大切にすべきこと
SEOマネジメントとは、SEO担当チームや戦略を最適化していく管理プロセスです。ここではSEOを管理する担当者/チームがSEOを成功させるために大切なポイントを解説します。
- トレンドに合わせた目標の評価
- パフォーマンス指標の追跡
- 定期的なレポート作成
- SEOのベストプラクティスの適用
- チームとのコミュニケーション
- 持続的な最適化
トレンドに合わせた目標の評価
はじめに、SEOの目標を明確に設定することが重要です。目標は「SMART※9 」を意識しましょう。具体的、測定可能、達成可能、関連性がある、時間制限のあるものであれば、SEOの成功を定量的に測定できます。
※9 SMART:目標設定のためのフレームワーク。Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限がある)の頭文字。
パフォーマンス指標の追跡
SEOのパフォーマンスを監視するためにKPIを追跡することも大切です。サイトのトラフィック、ページ毎の閲覧数、バウンス率、滞在時間、コンバージョン率など、SEO担当者/チームは定期的にKPIを把握して、改善に役立てましょう。
定期的なレポート作成
定期的にSEOのパフォーマンスレポートを作成し、SEOの担当チーム内で共有することで戦略調整がスムーズになります。レポートは月次、四半期ごと、または必要に応じて作成され、主要なKPI、トラフィックの傾向、ランキングの変動などを詳細にカバーします。
SEOの担当チーム内だけでなく、企業経営陣への報告資料としても役立ちますので、社内リソースの調整時にも使用できるでしょう。
SEOのベストプラクティスの適用
SEOのベストプラクティスは、検索エンジン最適化の効果を最大化するために推奨される手法や戦略です。検索エンジンのアルゴリズムの変更やユーザー行動のトレンドにより頻繁に更新されますので、SEO担当者はGoogleの公式ガイドラインやSEO専門家からの最新のアドバイスを定期的にチェックし、それらを自社のWebサイトに適用することが求められます。
各部署とのコミュニケーション
SEOの効果を最大化するためには、各部署とのコミュニケーションが不可欠です。SEO担当チームだけでなく、マーケティング担当チーム、Web開発/保守チーム、コンテンツ/デザイン担当チームなどと積極的に情報共有を図りましょう。前出の定期的なレポートは他部署との情報共有にも有効で、他部署からのフィードバックも大切です。
持続的な最適化
検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に更新され、ユーザーの検索行動も変化します。そのため、SEO対策チームは常に最新のトレンドをキャッチアップして戦略を見直し、最適化を続けることが必要です。
またチーム内の役割分担やスキルセット、リソースの配分も見直すことで、より効率的なSEO対策を行えます。必要に応じて専門的な知識や技術を持つ外部のパートナーと協力することも、持続的な最適化に寄与します。
SEO対策におすすめのツール5選
SEO対策ツールを活用することで、SEOへの取り組みを効率化できます。ここでは、SEO専門家やマーケティング担当者に特におすすめの5つのツールをご紹介。キーワードリサーチ、競合分析、バックリンクの確認、サイトのパフォーマンス測定など、多岐にわたる機能がありますのでぜひ利用してみましょう。
なお、SEO対策ツールにはそれぞれ特化した機能があります。電通B2Bイニシアティブは企業にとって最適なSEO対策ツールの導入を支援いたしますので、お気軽にご相談ください。
Google Analytics
Google Analyticsは、Webサイトのトラフィックを詳細に分析できる無料ツールです。ユーザーの行動パターンを把握し、どのページが人気か、どのキーワードで訪問者が来ているかなどを分析できるため、SEO対策の効果を測定し、必要な改善点を特定できます。
Google Search Console
Google Search Consoleは、Webマスター向けの無料ツールで、検索エンジン結果ページでのサイトのパフォーマンスを監視できます。サイトのインデックス状況、クロールエラー、検索クエリのパフォーマンスなどを確認でき、問題があれば早期に対応することが可能です。
SEMrush
SEMrushは、キーワードリサーチ、競合分析、バックリンク分析など、多機能な有料ツールです。特に競合サイトのSEO戦略を分析するのに有効で、自社サイトがどのキーワードで競合しているか、競合サイトがどのようなバックリンクを持っているかを把握できます。
Ahrefs
Ahrefsは、バックリンク分析に優れた有料ツールです。自社サイトのバックリンクプロファイルを詳細に分析でき、どのサイトからリンクが来ているか、リンクの質がどうかなどを確認できます。また、競合サイトのバックリンク戦略を分析し、自サイトのリンク構築に役立てることができます。
Moz Pro
Moz Proは、総合的なSEOツールセットを提供する有料ツールです。キーワードリサーチ、サイト監査、ランク追跡、バックリンク分析など多岐にわたる機能を持っています。特に、Mozの独自のドメインオーソリティ(DA)スコアは、サイトの信頼性や権威を評価する指標として広く利用されています。
SEO対策を導入するにあたっての注意点
SEO戦略を進行する上でSEO対策導入の注意点を解説します。ペナルティを避け、SEOの効果を継続させていきましょう。
- 長期的な取り組みへの理解
- 専門的知識の必要性
- リスク対策
- コストの確認
- 万能ではないという認識
長期的な取り組みへの理解
SEOは即時の結果をもたらすものではありません。効果を見るためには時間が必要です。
上位表示に時間がかかる理由は、検索エンジンがWebサイトの評価を行うプロセスの複雑性にあり、新規または更新されたコンテンツをクローラーが訪れ、その情報を検索エンジンのインデックスに追加するまでに時間がかかるのです。
検索エンジンはページの品質と関連性を評価し、他の何千ものページと比較してランキングを決定します。ランキングプロセスは継続的に行われ、競合他社のSEO努力や検索エンジンのアルゴリズムの変更により、検索順位は常に変動します。
専門的知識の必要性
SEO対策を行う上で専門的な知識も必要となります。Google Analyticsなどのツールを使用して得られるデータは非常に多岐にわたり、取得されたデータが何を示しているのか、どのように評価すべきなのかを理解しなければなりません。
得られたデータを基に最適化策を立案/実行するためには、Webサイトの構造やHTML、CSSなどの基本的なコーディング知識も求められます。
SEO対策は専門的な知識を必要とするため、自社での対策が難しい場合は専門のコンサルタントやエージェンシーに依頼することも一つの選択肢となります。
リスク対策
SEOを進める上で注意すべきリスクとして、ブラックハットSEOという不適切な手法が存在します。これは検索エンジンのガイドラインに反する行為で、過度なキーワードの使用、不適切なリンクの作成、重複したコンテンツの使用などが含まれます。ブラックハットSEOは一時的な効果を得る可能性がありますが、長期的にはペナルティリスクを高めます。
さらに、検索エンジンのアルゴリズムへの不対応、モバイル最適化不足、ページのロード速度の遅さ、セキュリティの問題などもSEOを阻害するリスクとなります。これらのリスクを避けるためには、SEOの最新トレンドを常に把握し、サイトのユーザビリティとセキュリティを確保することが大切です。
コストの確認
SEO対策には様々なコストが伴います。まず、専門的な知識を持つ人材の採用や研修が必要ですし、コンテンツの制作費用、Webサイトの構造やパフォーマンスを最適化するための技術導入コストがかかります。
社内で専門家育成に取り組むよりもアウトソーシングで補う方がコストを抑えられる場合があります。社内リソースに限りがある場合にアウトソーシングは有効な選択肢といえます。
万能ではないという認識
SEOはWebマーケティングを成功させるための重要な手段ですが、依存するのはリスキーです。SEOは時間がかかり、検索エンジンのアルゴリズムの変更によって予測不能な影響を受ける可能性もあります。
また、SEOはあくまで「見つけられやすさ」を最適化する取り組みです。ユーザーがサイトに訪れた後の行動(購入、登録など)に直接影響を与えるものではありません。SEO対策と並行して、ソーシャルメディアマーケティングやコンテンツマーケティング、有料広告などを活用しましょう。
SEOと合わせて活用すべき手法
SEO対策を効果的に行うためには、他のデジタルマーケティング戦略やツールと組み合わせることが非常に重要です。MEOやコンテンツマーケティングを強化しユーザーに価値ある情報を提供することで、自然な形でのリンク獲得やトラフィック増加が期待できます。
- MEO
- コンテンツマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング
- PPC(Pay-Per-Click)広告
- Eメールマーケティング
- リンクビルディング
MEO
MEO(Map Engine Optimization)は、地図検索エンジンで上位表示を目指す手法です。具体的には、Googleマップなどの地図サービスにビジネスの情報を正確に登録し、ユーザーレビューを管理するなどの活動を指します。MEOは地元の顧客をターゲットにするビジネスにとって特に重要です。地元のインターネットマップに自社/店舗が表示される可能性が高まります。
マップ上のビジネス情報が常に最新で正確であることを確認し、ユーザーレビューに対して適切に対応していきましょう。また、地図サービス以外のローカルSEO※10 戦略と組み合わせることで、より大きな効果を得ることが可能です。
※10 ローカルSEO:特定の地域に焦点を当てたSEO。地域名や地域に関連するキーワードで検索された際に検索結果の上位に表示されることを目指す。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、ターゲットオーディエンスにソリューション情報を提供し、信頼と関係を築くための戦略です。専門的なブログ記事、ハウツーガイド、ホワイトペーパー、インフォグラフィックなどでユーザーの問題解決をサポートします。高品質なコンテンツは検索エンジンによって評価され、SEOに役立ちます。コンテンツは長期的視点で一貫性をもって作成し、逐次更新していきましょう。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングはブランドの認知度を高め、コミュニティを形成し、直接的なWebサイトへのトラフィックを増加させるための強力な手段です。
各SNSのプラットフォームは独自のユーザーベースとエンゲージメントの形式を持っており、それぞれで異なるマーケティング戦略が必要になります。例えば、Instagramはビジュアル重視のコンテンツが求められ、LinkedInはプロフェッショナルな情報共有が主となります。
ソーシャルメディアからのリンクはSEOにも寄与します。検索エンジンのランキングを向上させる可能性がありますので、適切に利用しましょう。
PPC(Pay-Per-Click)広告
PPC広告は、特定のキーワードに対する検索結果の上位表示を確保するための手段です。具体的なサービスとして「Google AdWords」や「Bing Ads」などがあります。
PPC広告最大の利点は、広告主がクリックごとに料金を支払うシステムであること。見込み客がWebサイトに訪れた場合のみコストが発生します。
PPC広告を最大限に活用するためには、適切なキーワード選択、広告文の作成、ランディングページの最適化など、専門的な知識と経験が求められます。PPC広告は短期的な効果をもたらす手段ですので、長期的な視点でSEO戦略と組み合わせて利用しましょう。
Eメールマーケティング
Eメールマーケティングは、既存顧客や見込み客との関係を深め、Webサイトに誘導するための効果的な手段です。定期的に配信されるメールマガジンなどで顧客の関心を維持し、新製品やサービス、特別なオファーなどの情報を提供します。
顧客の行動やニーズを理解し、それに基づいてパーソナライズされたメッセージを作成したり、メールの開封率やクリック率などの指標を追跡し、戦略を調整することも大切です。
一方、Eメールマーケティングはスパムメールとの境界が曖昧でもあります。送信するメールの内容や頻度、送信先の選定などには注意を払いましょう。
リンクビルディング
リンクビルディングは、他のWebサイトから自社のWebサイトへのバックリンクを増やすことで、検索エンジンのランキングを向上させる戦略です。バックリンクは検索エンジンがWebサイトの信頼性を評価する上で重要なポイントとなります。
リンクビルディングは繊細なプロセスであり、質の低いリンクや不適切なリンクビルディング戦略は逆にペナルティを与えられる可能性もあります。信頼性と関連性を重視した魅力的コンテンツ制作に注力し、フェアなリンクビルディングに努めましょう。
Webマーケティングを成功させるためにもSEO対策に力を入れよう
SEOは、Webマーケティングを成功させる上で非常に重要なソリューションです。インターネットにおいて企業の知名度を向上させ、リードの獲得のチャンスを創出します。
本記事ではSEOの概要や評価基準、導入プロセス、対策のポイントについて詳しく解説しました。皆様がSEO対策を導入する際にお役に立てる情報となれば幸いです。
電通B2Bイニシアティブでは、企業のSEO対策を強力にサポートしておりますので、既存サイトの評価からキーワードリサーチ、SEOパフォーマンスのモニタリングまでぜひお任せください。
PROFILE
B2B Compass編集部