BtoBマーケティングにおいて、効果的な施策を実施するためには、外部の専門知識を活用することがますます重要になっています。特に、競争が激化する現代のビジネス環境では、限られた社内リソースだけで成果を上げるのは難しいです。
外注を活用すれば専門家による戦略的アプローチと最新手法の導入が可能です。また、社内リソースを重要業務に集中させることで業務効率も向上します。
この記事では、BtoBマーケティング施策を外注する際にぜひ知っておきたい、最適なパートナー選びのポイントや考え方を多角的に解説します。外注を検討している方はぜひご一読ください。
INDEX
BtoBマーケティングの6つの外注タイプと特性比較
BtoBマーケティングにおいて適切な外注パートナーを選定することは、企業リソースを最適化し、より効果的なマーケティング活動を展開する上で欠かせません。ここでは、主要な外注タイプについて、その特徴やメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。
- 戦略コンサルティング型(市場分析・KPI設計・戦略立案)
- コンテンツ制作特化型(記事・ホワイトペーパー・動画制作)
- 広告運用・リード獲得支援型(Google広告・SNS広告・リターゲティング)
- MA・CRM導入・運用支援型(HubSpot・Marketo・Salesforceの導入・運用)
- データ分析・アナリティクス型(データドリブンなビジネスインサイトの提供)
- 総合型(ワンストップ支援)(戦略設計~施策実行・運用まで一括支援)
1.戦略コンサルティング型
市場の動向を分析したり、KPIを設計したりして、戦略を立てるお手伝いをします。これにより、企業が市場の変化に速やかに対応できるようになるでしょう。
戦略コンサルティング型のメリット
深い市場分析とターゲット設定を通じて、企業のマーケティング基盤を強化します。専門家の知識を活用することで、競争の激しい市場でも優位に立つことができ、長期的なビジョン作りに役立つでしょう。また、専用チームの立ち上げを支援し、戦略に基づいたROIの最大化を目指せます。
戦略コンサルティング型のデメリット
専門的な知識を提供するため、コストが高くなりがちです。また、戦略の導入には社内のサポートが必要で、組織内での調整も求められます。
2.コンテンツ制作特化型
記事やホワイトペーパー、動画などを作ることに特化しており、ターゲットに響くメッセージを作り上げます。
コンテンツ制作特化型のメリット
質の高いコンテンツを迅速に提供でき、ブランド認知度の向上やリードジェネレーションに効果的です。特に、業界に特化したコンテンツは信頼性を高め、顧客との関係構築に役立ちます。
コンテンツ制作特化型のデメリット
コンテンツの質は高いですが、全体の戦略が欠けることもあり、単体では十分な効果を発揮しない場合があります。
3.広告運用・リード獲得支援型
Google広告やSNS広告を使って、特定のターゲット層にアプローチします。
広告運用・リード獲得支援型のメリット
デジタル広告を使ってターゲットへのリーチを最大化し、短期間でのリード獲得が可能です。最新の広告技術やトレンドを活用することで、競争優位を確保できます。
広告運用・リード獲得支援型のデメリット
広告予算の管理が重要で、効果的なキャンペーンを維持するためには継続的な分析と調整が必要です。
4.MA・CRM導入・運用支援型
HubSpotやMarketoなどのMAツールを活用し、顧客行動データを収集・分析します。さらにCRMを用いて顧客情報を一元管理し、効率的なマーケティング活動を支援します。
MA・CRM導入・運用支援型のメリット
顧客管理ツールを導入することで、顧客との関係をより深く理解し、効率的なコミュニケーションを実現します。これにより、顧客満足度の向上やリテンション率の改善が期待できるでしょう。
MA・CRM導入・運用支援型の デメリット
導入するツールの選定と運用には専門的な知識が求められ、初期投資が高くなることがあります。
5.データ分析・アナリティクス型
大量のデータを収集・分析し、ビジネスインサイトを提供します。これにより、マーケティング戦略の精度が向上します。
データ分析・アナリティクス型のメリット
顧客データを詳細に分析することで、顧客の行動を可視化・予測し、効果的なマーケティング戦略を立案できます。データに基づく意思決定は、ビジネスの成功確率を高めるでしょう。
データ分析・アナリティクス型のデメリット
データ分析には高度な専門知識が必要であり、また、分析結果を活用するための組織的なサポートが不可欠です。
6.総合型(ワンストップ支援)
戦略設計から施策実行までを一括で支援し、部門間の連携を強化します。
総合型(ワンストップ支援)のメリット
戦略設計から実行、運用までを一括でサポートし、企業のマーケティング活動を包括的に支援します。ワンストップサービスにより、外注先とのコミュニケーションが簡略化され、スムーズなプロジェクト進行が可能です。
総合型(ワンストップ支援)の デメリット
幅広いサービスを提供する一方で、特定の専門分野における深い知識や技術が不足することもあります。
それぞれの特性を理解し、自社のニーズに合った外注を選ぶことが、BtoBマーケティングを成功させるための鍵です。特に競争が激しいBtoB市場では、データ分析の活用や顧客との関係構築を重視した戦略がマーケティングの成功を左右する重要な要素となっています。
【チェックリスト】BtoBマーケティングの外注パートナーを評価する重要指標と選定基準
BtoBマーケティングにおける外注パートナーを比較する際に役立つ重要な指標として、以下の5つが挙げられます。
- 実績・専門性(業界経験・成功事例の有無)
- 対応範囲(戦略設計・施策実行・運用サポートのバランス)
- データ活用力(効果測定・改善提案の精度)
- コミュニケーション力(対応スピード・柔軟性・提案力)
- コストパフォーマンス(費用対効果・ROI)
実績と専門性
経験豊富なパートナーなら、業界特有の問題を理解し、効果的な解決策を提供してくれます。これまでの成功事例やクライアントの声を参考にして、信頼性と専門性を確認しましょう。同じ業界や規模での実績があるかも大切なチェックポイントです。
対応範囲
マーケティング戦略の立案から実施、運用サポートまで一貫して対応できるパートナーだと、プロジェクトの統一感が保ちやすくなります。また、最新のマーケティング手法やツールに詳しいかどうかも確認しましょう。
データ活用力
データ分析を適切に実施すると、マーケティング活動の効率化と成果の向上につながります。具体的には、効果の測り方やデータに基づく改善提案の質を見てみましょう。ビッグデータやAIを活用した高度な分析ができるパートナーは、より精密なターゲティングを可能にします。
コミュニケーション力
プロジェクトをスムーズに進めるには、迅速で柔軟な対応が欠かせません。定期的なミーティングや報告体制、提案力がしっかりしているかを確認し、信頼関係を築けるかを見極めましょう。
コストパフォーマンス
ただ単に費用の安さを求めるのではなく、提供されるサービスの質と成果に対する投資効果を重視しましょう。具体的なROIを提示できるパートナーは、信頼性が高いといえます。
これらの指標をベースに、わかりやすく評価するためのチェックリストを、以下にまとめました。チェックリストを活用することで、自社の課題に合った最適な外注パートナーを選べるでしょう。
選定基準チェックリスト
◻︎自社の課題に合った外注タイプか(戦略・制作・広告・テクノロジー・分析・運用のどこを強化するか) |
◻︎過去の事例やクライアントの評価が高いか |
◻︎運用後のPDCAを回せる仕組みがあるか |
◻︎自社内のマーケティングチームと円滑に連携できるか |
◻︎契約内容や成果指標が明確か(KPI設定・レポーティング体制) |
この選定基準や指標は、 企業が持つ課題やゴールによって、どれをより重視していくべきかが異なってきます。しかし社内に明確な課題感やゴールを持てていない場合、優先順位づけが難しいでしょう。
わたしたち電通B2Bイニシアティブでは、BtoB事業最大化のために必要な支援を一気通貫でご提供しており、マーケティング戦略策定からのサポートが可能です。課題部分からの支援も可能ですので、ぜひご検討ください。
自社に最適な外注先を見つけるための検討ステップとポイント
自社にぴったりのBtoBマーケティングの外注先を見つけるためには、次のステップを踏んでいくのが大切です。それぞれのステップでのポイントを押さえて進めることで、より効果的に外注を依頼することができます。
- 目的と課題をはっきりさせる
- 支援してもらいたい領域を決める
- 外注先のタイプを理解する
- 実績と専門性をチェックする
- コミュニケーションの相性を評価する
- 費用対効果を判断する
- 内製化のサポートがあるか確認する
目的と課題をはっきりさせる
まずは、自社が解決したい問題や達成したい目標を明確にしましょう。例えば、新規顧客を増やしたいのか、既存顧客との関係を深めたいのかなど、具体的に考えます。このとき、短期的な目標と長期的なビジョンを分けて考えるのもポイントです。
支援してもらいたい領域を決める
戦略設計や施策の実行、運用など、自社のニーズに合った支援領域を見極めます。具体的には、デジタルマーケティング戦略の構築やリードジェネレーション、コンテンツ制作、SEOなど、どの分野でサポートが必要なのかを洗い出しましょう。
外注先のタイプを理解する
戦略フェーズ、コンテンツ制作、広告・リード獲得、テクノロジー(MA、CRMなど)、データ分析、総合型など、外注先のタイプを理解し、最適なものを選びます。それぞれのタイプが提供するサービスと、自社のニーズがどのように合うかを考えるのが大事です。
実績と専門性をチェックする
同業界や似たような事業での成功事例を重視し、外注先の信頼性を判断します。過去に手がけたプロジェクトの成果や具体的なデータを参考にし、専門性が自社の業界に適しているかを確認しましょう。
コミュニケーションの相性を評価する
外注先の対応力や提案力、柔軟性を評価し、スムーズな協力体制が築けるかを確認します。最初の打ち合わせや連絡のタイミング、提案内容の質などをチェックし、コミュニケーションがうまく取れるかを見極めるのです。
費用対効果を判断する
投資に対するリターンを考慮し、契約条件や長期的な価値を見極めます。コストだけでなく、得られる成果や長期的なパートナーシップの可能性も考慮し、費用対効果を総合的に判断しましょう。
内製化のサポートがあるか確認する
内製化支援や知見共有があるかを確認し、社内の成長につながるかを考慮します。外部のノウハウを社内に取り込むことで、将来的に内製化を進めるための基盤を作ることができるかどうかを検討しましょう。
これらのステップを丁寧に実行することで、BtoBマーケティングの成果を最大化し、競争力を高めることができるのです。
BtoBマーケティング外注選定Q&A
ここからは、実際に外注パートナーを検討していく上で多くの企業が悩む部分を、Q&A形式でさらにわかりやすく解決していきます。
Q:BtoBマーケティングを外注する際に考慮すべきポイントは何ですか?
A:外注を考える際は、業務の特性と自社のリソースをしっかりと見極めることが大切です。特に専門性が高く、社内で対応が難しい場合は、戦略設計や広告運用、コンテンツ制作を外注することを検討しましょう。外注先を選ぶときは、その会社の業界経験や実績を確認し、自社の目標にあったサービスを提供できるかどうかを見極めることが重要です。
Q:外注にかかる予算の目安はどのくらいですか?
A:戦略コンサルティング型の外注では、通常、百万円以上がかかることが一般的です。ただし、具体的な費用はプロジェクトの規模や複雑さによって異なります。広告運用や制作の場合、月に数十万円程度が一般的です。単発の案件は比較的安く済みますが、継続的な施策には継続的な予算が必要になります。
Q:内製と外注のバランスはどのように考慮すべきですか?
A:短期的な施策や技術的に高度なタスクは外注し、企業のコアコンピタンスに関わる長期的な施策は内製化を検討するのが良いでしょう。内製化することで社員のスキルが向上し、将来的にはコスト削減と競争力の強化が期待できます。
Q:失敗しない外注選びのためのKPIポイントは?
外注選びで失敗しないためには、事前に明確なKPIを設定し、それに基づいて候補を評価することが重要です。たとえば、マーケティング施策の場合、「リード獲得数」「コンバージョン率」「CPA(顧客獲得単価)」などをKPIとして設定できます。
また、外注先の実績や成功事例を確認し、自社の課題解決に最適なアプローチを持つパートナーかどうかを見極めましょう。さらに、ROI(投資対効果)やパイプラインへの貢献度も評価基準として加えることで、長期的な成果につながる外注先を選ぶことができます。
Q:期待した成果が出ない場合、どうすれば良いですか?
A:目標とのギャップを分析し、必要に応じて施策やKPIを見直すことが求められます。定期的なレビューを行い、外注先と緊密に連携して改善策を共有することが重要です。
Q:外注契約の期間の目安は?
A:一般的には、戦略の伴走には半年以上、施策の伴走には3〜6ヶ月程度が必要とされています。契約期間は施策の性質に応じて決め、定期的な成果レビューを行うことで、必要に応じて契約の延長や変更を検討することができます。
Q:トラブルを防ぐためには何が必要ですか?
A:業務範囲やKPIの明確化が重要です。定期的な報告とレビュー、責任範囲の確認を欠かさないようにしましょう。契約書には業務範囲や成果物の詳細を記載し、進捗報告の頻度なども明確にすることで、双方の期待値を一致させ、トラブルを未然に防ぐことができます。
自社の成長を支える最適な外注パートナーを見つけ、BtoBマーケティングを成功に導く
BtoBマーケティングの外注は、専門的な知識やスキルを活用し、社内リソースを効率的に使うための有効な手段です。しかし、外注先選びを間違えると期待した成果が得られない可能性があります。まずは、自社の課題と目標を明確にし、必要な支援領域を特定しましょう。次に、実績や専門性、コミュニケーション力を重視して外注先を選ぶことが重要です。費用対効果や長期的なパートナーシップの可能性を考慮し、内製化を視野に入れた支援を求めることも一つの方法です。
外注先を決定したら、契約内容やKPIを明確にし、定期的な報告やレビューを行うことで、期待する成果を得やすくなります。トラブルを未然に防ぐためにも、業務範囲や責任を明文化しておくことが大切です。これらのポイントを押さえることで、自社の成長を支える最適なパートナーを見つけ、BtoBマーケティングの成功を確実なものにしましょう。
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わたしたち電通B2Bイニシアティブは、BtoB事業最大化のためのデマンドジェネレーションを提供しております。電通グループ各社の広範なネットワークとデータ、さらにはBtoB領域の専門チームによるノウハウと経験を駆使して、事業戦略から顧客体験の最適化、マーケティング・セールス支援やDX導入など、BtoB事業最大化のための支援を一気通貫でご提供しています。
BtoB領域における自社事業の「売れる仕組み・仕掛け」作りはもちろんのこと、長期的なビジネス成長や持続的なパートナーシップの構築をお考えでしたら、ぜひご検討くださいませ。

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B2B Compass編集部