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【完全版】インサイドセールスの導入術!手順やおすすめツールをご紹介

作成者: B2B Compass編集部|Jun 11, 2024 4:24:10 AM

インサイドセールスとは、主に電話やインターネットを通じて行われるセールス手法のこと。企業の売り上げや生産性向上に大きく貢献すると近年注目を集めていますが、導入にはしっかりとした準備と計画が必要です。


本記事では、インサイドセールス導入の基本要素から、具体的な導入手順、役割やKPIの設定、人員配置などについて詳しく説明します。また、より効率的な活動を支援するためのおすすめツールの紹介や、導入事例を通じた具体的なイメージもご提供します。


インサイドセールスの立ち上げを検討している方、すでに導入していてさらに効果を上げたい方にとって、一読の価値がある内容となっています。

インサイドセールス導入前に知っておきたい基本要素 

インサイドセールスの導入には、効果的な実装を計画するためにまず基本的な役割や機能を正確に理解することが重要です。


本章では、インサイドセールスの役割とその導入における重要なポイントについて深く掘り下げていきます。

インサイドセールスの役割とは?

インサイドセールスは、営業プロセスの一部としての役割を果たし、見込み顧客の購買意欲を引き出すための情報提供や問題解決、そして信頼関係の構築といった活動を担っています。

インサイドセールスは、見込み顧客への非対面でのアプローチ方法を指します。
従来インサイドセールスは、フィールドセールス(外での営業)とは対照的に、オフィス内で行われる営業活動として位置づけられてきました。しかし、近年ではオンライン商談が主流となり、インサイドセールスの定義は単に「場所」ではなく、営業活動の一つの「段階」として捉えられるようになってきています。

このような変化を踏まえ、企業が今後の成長を目指すにあたり、分業型セールスモデルの一環としてインサイドセールスを導入することが求められています。

インサイドセールス導入にあたって理解しておくべきポイント

インサイドセールス導入にあたって、以下2つのポイントを理解しておきましょう。

  • インサイドセールスの種類を把握する
  • 明確なKPIの設定
インサイドセールスの種類を把握する

まず、インサイドセールスの種類について把握しておくことが重要です。2つの手法と3つの形態があり、見込み顧客の状態やどのようなサービスをどのような企業に提案するかで、導入する手法や形態が異なってきます。

 

インサイドセールスの手法

・SDR(Sales Development Representative):反響型営業。顕在層に効果的。担当者への電話やメール、メルマガ配信などの手法が考えられる。

・BDR(Business Development Representative):新規開拓営業。潜在層に効果的。キーパーソンと接触したり認知獲得のためのアプローチ手法が考えられる。

 

インサイドセールスの形態

・ステージ分担型:営業プロセスをインサイドセールスとフィールドセールスに分け、分業することで生産性向上を狙う手法。大規模な企業や営業チームに適している。

・顧客分担型:企業属性やエリアごとに分担し、一人であらゆる営業プロセスを用いながら遂行する手法。中小規模な企業や営業チームに適している。

・チーム運営型:営業プロセスにかかわらず一つのチームになり、顧客規模や案件状況に応じて分業することで、顧客との信頼関係構築や戦略的な営業活動を狙う手法。中小規模な企業や営業チームに適している。

 

明確なKPIの設定

明確なKPI(Key Performance Indicator)を設定し、チーム内での共通認識を深めることも重要です。KPIは目標達成のための具体的な数値目標であり、チーム全体で同じ目標に向かうことで組織の一体感を高め、売り上げ向上に繋がります。インサイドセールスはマーケティング部門と営業部門の連携も発生するため、スムーズな連携のためにも全体の流れを明確にすることが求められます。

またKPIを設定することでデータに基づいた管理が行えるようになる点もメリットです。数値に基づいて分析ができれば、より戦略的な営業改善が行えたり、組織能力向上も目指せるでしょう。

 

インサイドセールスの導入ポイントについては、以下記事でもご紹介しております。

インサイドセールスとは?非対面式営業を導入して費用対効果を高めよう

インサイドセールスの導入手順   

インサイドセールスを導入する際の手順は、組織の成熟度や目指す目標により変わりますが、一般的には、

  1. 役割とKPIの設定
  2. 人員配置、担当者の確定
  3. 顧客化に向けたシナリオ設計
  4. マーケティング支援ツールの準備
  5. ブラッシュアップの繰り返し

といったステップで進められます。

インサイドセールスの活動は一度設定したら終わりではなく、適宜KPIやシナリオを振り返り検証改善を繰り返すことで、より高いパフォーマンスを実現します。そのためブラッシュアップまで含めたサイクルで運用することが重要です。

役割とKPIの設定

インサイドセールスの導入を成功させるためには、各部門の役割の明確化とKPIの設定が必須です。まずは、主体となるマーケティング部門と営業部門における役割を明確に整理しましょう。理想は、互いの部門が補完し合う形です。一部門が他部門の業務を手間取らず、効率的に進めることができます。

また、現在の課題を整理することも重要です。役割分担を明確にするだけでなく、現状のボトルネックや改善点を把握し、その解消に向けたアクションを明確にするための基盤となります。

次にKPIも設置し、目指すべきパフォーマンスを明確にしましょう。現在の受注率や商談率などを基に、現実的な目標値を逆算して設定します。これにより、業務の進行と結果を定量的に評価し、改善の方向性を見つけられる可能性が高くなります。

人員配置、担当者の確定

各部門の役割やKPIが設定できたら、人員配置や担当者を検討していきましょう。導入成功のためには、顧客の的確なニーズ把握と最適なアプローチスキルを持つ人材の選定が欠かせません。

インサイドセールスでは、商品やサービスの特性を深く理解し、それを顧客がどのように利用するのか、どのような問題を解決するのかを具体的にイメージできる力が必要となるため、経験豊富な営業スタッフや、製品知識に深い理解を持つ技術スタッフが適任となるでしょう。

顧客のニーズに対して最適な提案を行い、説得力のある言葉で伝える力も欠かせません。再度、顧客に対する深い理解と共感力、そして優れたコミュニケーションスキルが求められます。

人員配置と担当者確定は、これらのスキルを持つ人材を適切に配置し、役割を明確にすることで、顧客への最適なアプローチが可能となり、インサイドセールスの成功に繋がります。各メンバーのスキルと経験を十分に活かしながら、チーム全体としてのバランスを考慮することが重要です。

顧客化に向けたシナリオ設計

KPIと担当者が決まったら、シナリオ設計に入ります。シナリオ設計はあらゆるステージの見込み顧客に対して、最適なタイミングで、最適な内容を提供するために欠かせません。具体的には、リードの行動や反応により、次に何を提供し、どのように接触するかを決定します。

まず、ターゲットとなる顧客のペルソナを明確に定義します。そのうえで、各ペルソナが購入に至るまでの旅をマッピングします。各段階で何が必要とされているのか、どのような質問や懸念があるのかを考え、それに対応するコンテンツやメッセージを作成します。

次に、これらのコンテンツを最適なタイミングで提供するためのトリガーを設定しましょう。特定の行動、たとえばウェブサイトの特定のページを訪れる、特定の資料をダウンロードするなどです。このトリガーに基づいて自動的にメッセージが送られるようにします。

以上のプロセスを通じて、シナリオを設計しましょう。これにより、リードが必要とする情報を適切なタイミングで提供し、彼らの購入意欲を引き出すことが可能となります。この結果、インサイドセールスの効果を最大化できるでしょう。

マーケティング支援ツールの準備

マーケティング支援ツールは、顧客対応の効率化と結果の最大化を目指すためには欠かせません。具体的には、

  • SFA(Sales Force Automation)
  • MA(Marketing Automation)
  • CRM(Customer Relationship Management)

などのツール活用が挙げられます。

インサイドセールスにおすすめのSFAツール

SFAは営業活動を自動化し、営業プロセスの効率化を実現するツールです。顧客情報の一元管理や営業活動の進捗管理を可能にし、営業の生産性を向上させます。とくにインサイドセールスでは、大量のリードを効率よく管理する必要があるため、SFAの導入は欠かせません。

おすすめのツールとして、Salesforceが挙げられます。Salesforceは、高度なカスタマイズ性と拡張性を持っていることから、世界トップレベルのシェアを誇るクラウド型プラットフォームです。

SFAだけでなくCRM機能も携えます。営業課題に合わせて多数の機能から自社に最適なものだけをピックアップし、組み合わせて活用できる点が魅力。複雑なビジネスニーズを持った企業に最適なSFAツールです。

インサイドセールスにおすすめのMAツール

MAはマーケティング活動を自動化し、リード獲得や育成、顧客エンゲージメントの向上を支援するツールです。顧客の行動データを基にパーソナライズされたコンテンツを配信することで、効果的な顧客エンゲージメントを実現します。

おすすめのツールとして、HubSpotが挙げられます。HubSpotは、CRMと連携したMA機能が強みで、顧客情報の一元管理から、メールマーケティング、ランディングページ作成、SEOまで、幅広いマーケティング施策に対応しています。マーケティング施策に関する多数の機能に加え、マーケティングからセールス、カスタマーサポートまで関連部門も含めた一気通貫での管理も可能なため、シームレスなインサイドセールスが叶うMAツールといえます。

インサイドセールスにおすすめのCRMツール

CRMは顧客情報の一元管理と顧客との関係の管理を支援するツールです。全顧客を対象としたマーケティング施策の設計や実施、結果分析が可能となり、顧客満足度の向上に繋がります。

おすすめのツールとして、Zoho CRMが挙げられます。Zoho CRMは、使いやすさと低価格が魅力。機能として、顧客をわかりやすく分類できたり、セールスチームの行動状況の可視化や営業活動における定型業務の自動化があります。初めてCRMツールを導入する企業にとっては、手軽に始めやすいでしょう。

 

これらのツールは一部ですが、それぞれがインサイドセールスの運用を支え、よりスマートな施策の実行を可能にします。目的に応じたツールを選定し、導入することで、インサイドセールスの効果を最大限に引き出すことが可能となるでしょう。

ブラッシュアップの繰り返し

インサイドセールスの成果を最大限に引き出すためには、単に導入するだけでは不十分です。仕組みを設けたあとは、ブラッシュアップの繰り返しを続けることが肝心です。

具体的には、定期的にチームのパフォーマンスを評価し、課題を抽出します。コールの品質や対応速度、顧客からのフィードバックなど、さまざまな観点から抽出しましょう。パフォーマンスにおける数値目標を設定しておき、達成度を定量的に把握することも重要です。

次に、抽出した課題に対する改善策を立案します。その際、全員が参加するブレインストーミングを行うと、多角的な視点からのアイデアが出やすくなります。また、一つの課題に対して複数の改善策を考え、それぞれをテストすることで、最も効果的な方法を見つけることができます。

改善策を実行した後は、その結果を検証していきましょう。具体的なKPIを設定し、改善前と後での変化を比較することで、その効果を定量的に評価します。また、新たに浮上した課題がないかも抽出しましょう。

このように、ブラッシュアップは一回きりのものではなく、繰り返し行うことでインサイドセールスのパフォーマンスを持続的に向上させることができます。ただし、改善策の効果は一定期間経たないと明確には現れないこともあるため、慌てず、結果が出るまで待つことも大切です。

 

インサイドセールスの導入事例

インサイドセールスの導入手順について詳しく見てきましたが、実際のビジネスシーンでどのように活用されているか具体的な事例を通して理解を深めましょう。成功事例を知ることで、自社の導入をスムーズに進めるヒントが得られます。

商談率アップの事例

クラウドセキュリティサービスを提供している企業では、インサイドセールスを導入し顧客分析の質を上げたことで、商談数の増加を達成しています。

具体的には顧客分析・市場調査を基にターゲットを選定、ならびに休眠顧客のナーチャリングに取り組んでいます。

事例詳細はコチラ:【成功パターンを分析】インサイドセールス成功導入事例11選&成功事例からわかる運用ポイント

アポ、新規獲得率アップの事例

不動産情報サービス事業を展開する企業では、Salesforceが提唱する営業モデルを自社向けにアレンジしたインサイドセールスを活用する営業プロセスを策定し、営業効率化を推進しています。

合わせて商談ログ蓄積ツールも導入し、トップセールスメンバーの通話内容を分析してトークスクリプトを改良したり、録音データを新入社員研修に利用したりすることで、アポ率の向上を達成しています。

事例詳細はコチラ:【成功パターンを分析】インサイドセールス成功導入事例11選&成功事例からわかる運用ポイント

 

これらの事例から、インサイドセールスをうまく活用することで、顧客満足度の向上、売り上げの増加、顧客化の加速など、さまざまな効果が期待できることがわかります。

 

順序立てた丁寧な導入で、インサイドセールスを成功に導こう

インサイドセールスの導入には、理想的な手順があることやゴール・体制を決めておくなど、さまざまな検討項目があることがわかりました。フローや連携に複雑性があるため、形だけでの導入ではうまく回らない可能性が高く、そのために事前準備が欠かせない取り組みといえます。

もし導入手順や準備に不安があれば、コンサルティング会社を利用するのも手ですので、ぜひ検討してみてください。