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デジタルマーケティング強化に見直したいKPI設計のポイントと落とし穴

作成者: B2B Compass編集部|Aug 22, 2025 5:30:00 AM

デジタルマーケティングは、Martech(マーケティングテクノロジー)を活用して顧客との信頼関係を構築し、商談創出から受注まで一貫した顧客体験を設計する戦略的手法です。

このデジタルマーケティングを成功させるためには、適切なKPI(重要業績指標)の設計と見直しが欠かせません。KPIは、マーケティング活動の効果を測定し、改善するための指標です。しかし、多くの企業はKPI設定の見直しを怠り、期待する成果を得られないことがあります。

本記事では、デジタルマーケティングにおけるKPI管理の最適化を目指す方に向けて、デジタルマーケティングの各ファネルにおけるKPI設定のポイントや、KPIのブラッシュアップの重要性について詳しく解説します。  

デジタルマーケティングのKPI設定はファネルのステージごとに考える    

デジタルマーケティングにおけるKPI設計は、ユーザーの購買行動や関与度合いに応じたファネル(購買段階)ごとに考えることが重要です。ファネルとは、顧客が商品やサービスを認知し、興味を持ち、最終的に購入や契約に至るまでの段階を示します。

ファネルを段階的に分けることで、各フェーズに適したKPIを設定しやすくなり、マーケティング施策の効果をより具体的かつ明確に評価できます。

これらのフェーズごとのKPIは独立しているわけではなく、認知拡大がなければ後の匿名訪問者のリード獲得(実名化)や関係性の成果も得られません。また、獲得したリードの質が関係性フェーズの成果に大きく影響します。そのため、ファネル全体を俯瞰し、各KPIがどのように連動しているかを把握することが重要です。

デジタルマーケティングにおけるファネルの基本構造

デジタルマーケティングにおけるファネル設計は、マーケティング活動の目的と成果を明確にし、適切なKPI設定を行う上で非常に重要な役割を果たします。

一般的にファネルは以下のような基本的な段階で構成されます。各段階は目的が異なり、それぞれに応じた指標を設定することで、マーケティングの効果を正確に把握しやすくなるでしょう。

フェーズ
目的
認知(Awareness) ブランドや商品・サービスの存在をユーザーに知ってもらう
リード獲得(Lead Acquisition) 興味を持ったユーザーの情報を取得し、リード化する
関係性(Conversion) リードを顧客に育成し、購入や契約に結びつける

 

このようにファネルは、単に「認知から購入」までの流れを示すだけでなく、各段階の目的や特徴を明確にすることで、どの指標をKPIとして設定すべきかの判断基準を与えます。デジタルマーケティングにおいては、ファネルごとに適切なKPIを設計し、段階ごとの成果を分析することが、施策の改善と成果最大化のポイントです。

認知→リード獲得→関係性それぞれのフェーズのKPI例

デジタルマーケティングにおけるKPI設定では、ファネルの各フェーズごとに適切な指標を選ぶことが重要です。ここでは、認知、リード獲得、関係性の3つの主要フェーズに対応する具体的なKPI例を示し、それぞれの指標が持つ意味や役割について解説します。

フェーズ
主なKPI例
指標の意味と役割
認知(Awareness) セッション数、ページビュー、ユニークユーザー数(UU)、クリック率(CTR) ブランドやサービスの存在を多くのユーザーに知ってもらうことを評価。アクセス数や閲覧数が増えることで認知拡大を示す。また、積極的にオウンドメディアへの送客を目指す。
リード獲得(Lead Acquisition) お問い合わせ数、資料請求数、メール登録数、コンバージョン率(CVR) 興味を持ったユーザーの情報を取得し、リードとして獲得することを評価。質の高いリード獲得が次の関係性構築につながる。
関係性(Conversion) メールクリック率、コンテンツ閲覧率、ナーチャリング対象リードの商談転換率 獲得したリードを顧客化し、実際の売上や利益に結びつける成果を評価。効率的な顧客獲得と継続的な関係維持が重要。

 

これらのKPIはそれぞれのフェーズで異なる目的を持ち、適切に設定・評価することで、デジタルマーケティング施策の成果を最大化できます。特に数値を定期的にモニタリングし、指標の動向を把握することが重要です。

次の段階では、これらのKPIがどのように連動し、全体のマーケティング戦略に活かされるかについて解説します。

各フェーズのKPIはどう連動するべきか

デジタルマーケティングにおけるKPIは、単に各フェーズで独立して設定するだけでなく、各フェーズの指標が連動し合うことで、全体の成果最大化につながります。認知からリード獲得、そして関係性の各段階で設定したKPIは、互いに影響し合いながら次のステップの成果を支えているのです。

たとえば、認知フェーズでのセッション数やクリック率(CTR)が増加すれば、より多くのユーザーがリード獲得フェーズに進みやすくなります。逆に認知が不足すれば、その後のリード獲得数も大きく制限されるため、全体のパフォーマンスが低下するでしょう。

また、リード獲得フェーズでのリードの質や数は、関係性フェーズでの成約数や顧客獲得単価(CPA)に直結します。質の高いリードを獲得できれば、効率的な顧客化が可能となり、マーケティング施策のROI向上につながるのです。

KPI設計の際には、これらの連動性を意識し、単に数値を追うだけでなく、各フェーズの指標がどのように次のフェーズに影響するかを分析することが重要です。これにより、ボトルネックとなっているフェーズの特定や、改善すべきポイントの明確化が可能となり、効率的な施策の改善につながります。

KPIを連動させるポイント

  • 認知フェーズでのセッション数やクリック率(CTR)の増加がリード獲得フェーズへの移行を促進
  • リード獲得フェーズでのリードの質と数が関係性フェーズでの成約数や顧客獲得単価(CPA)に影響
  • 各フェーズのKPIが次のフェーズの成果を支えるように設計
  • ボトルネックの特定と改善ポイントの明確化を通じた施策の効率化

まとめると、デジタルマーケティングのKPIはファネル全体を俯瞰し、各フェーズの指標が連動して成果を形成することを理解した上で設計・評価することが、成果最大化のための重要なポイントです。

デジタルマーケティングの基本情報はこちらをご参考ください。

【5分でわかる】デジタルマーケティングとは?基本と実施プロセス&手法一覧、成功事例を紹介

デジタルマーケティングのKPI設定で気をつけたい落とし穴 

デジタルマーケティングにおけるKPI設定は、成果を最大化する上で不可欠ですが、設計時にはいくつかの落とし穴に注意する必要があります。

ここでは、KPI設計時に気をつけたいポイントと対処法について解説します。

目的や獲得リードの売上予算(KGI、KSF含めて)から逆算することの重要性

デジタルマーケティングにおけるKPI設計の根幹は、最終的なビジネス成果を示すKGI(重要目標達成指標)と、その達成に不可欠な成功要因であるKSF(重要成功要因)を明確にし、これらから逆算してKPIを設定することです。

目的を明確にしないままKPIを設定すると、成果に直結しない指標を追うことになり、リソースの無駄遣いを招くリスクが高まります。

まず、KGIは売上高や契約件数など、企業の最終的な数値目標を指します。KSFは、そのKGIを達成するために重要な要素や活動を特定したものです。たとえば、リード獲得数や顧客単価向上、リピート率改善などがKSFに該当します。

これらを基に、具体的なKPIを設計し、日々の施策の進捗や効果を測定・管理していきましょう。

以下の表は、KGI、KSF、KPIの関係性と設定例を示したものです。これにより、どのように目的から逆算して指標を定めるかのイメージが掴めます。

指標の種類
役割・意味
具体例
KGI(重要目標達成指標) 最終的なビジネス成果を示す数値目標(例:年間売上高、契約件数) 年間売上1億円、契約件数1,000件
KSF(重要成功要因) KGI達成に不可欠な成功要素・活動
(例:リード獲得数、顧客単価、リピート率)
月間リード獲得数500件、顧客単価5万円、リピート率20%
KPI(重要業績評価指標) KSFを具体的に測定するための指標
(例:問い合わせ数、コンバージョン率、CPA)
問い合わせ数300件、CVR5%、CPA1万円

 

KPIは単なる数値目標ではなく、施策の効果分析や改善につながるよう設計することが重要です。定期的なモニタリングと見直しにより、効果的なデジタルマーケティング施策が可能になります。

短期指標 vs 長期指標、どちらを重視すべきか

デジタルマーケティングにおけるKPI設計では、短期指標と長期指標の両方を理解し、適切にバランスを取ることが成果最大化の重要なポイントです。

短期指標(リード獲得数、メール開封率、ウェビナー参加数など)は即時的な効果や施策の反応を測るために有効であり、長期指標(顧客生涯価値、ブランド認知度、市場シェアなど)は持続的な事業成長や顧客との関係性深化を評価するために不可欠です。

以下の表は、短期指標と長期指標の主な特徴とメリット・デメリットを整理したものになります。

指標の種類
特徴
メリット
デメリット
短期指標 クリック数やコンバージョン数など、即時的な成果を測定する指標。施策の効果をすぐに把握できる。 施策の効果を迅速に評価でき、改善サイクルを早く回せる。 短期的な数値に偏りすぎると、ブランド価値や顧客育成が疎かになるリスクがある。
長期指標 リピート率や顧客生涯価値(LTV)など、継続的な成果やブランドの成長を評価する指標。 持続的な成長や顧客関係の深化を促し、安定した成果につながる。 効果が表れるまで時間がかかり、即時的な判断が難しい。

 

短期指標と長期指標は対立するものではなく、相互に補完し合う関係にあります。短期的な成果を追いながらも、長期的な視点でブランド価値や顧客との関係性を育むことが、デジタルマーケティングの成功には不可欠です。

そのため、KPI設計においては両者のバランスを意識し、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 短期指標は施策の即効性を評価し、迅速な改善を可能にするために設定する
  • 長期指標はブランドや顧客関係の質を測り、持続可能な成長を支える
  • 定期的に両指標の進捗をモニタリングし、必要に応じてKPIの見直しを行う
  • 短期成果に偏りすぎないよう、長期的な視点を組み込む

このように短期指標と長期指標を適切に組み合わせることで、デジタルマーケティング施策の効果的な評価と改善が可能となり、成果の最大化につながります。

指標に表れないユーザー行動をどう評価するか

デジタルマーケティングにおいて、KPIは定量的な指標で成果を測定しますが、指名検索や複数接点といった定量的に把握しにくいユーザー行動も重要です。これらの行動はブランドエンゲージメントや顧客の関心度を示すため、効果的なマーケティング施策の基盤となります。

指名検索は、ユーザーがブランド名や商品名を直接検索することで、ブランド認知や関心が高まっていることを示します。指名検索の増加は、広告やコンテンツの影響がユーザーに浸透している証拠です。

複数接点は、ユーザーが様々なチャネルを経由してブランドと接触することにより、購買意欲が高まるプロセスを把握できます。これにより、単一指標では見えにくい顧客行動を分析することが可能です。

定量的なKPIに加え、定性情報や間接指標を活用することが効果的です。顧客インタビューやフィードバックを通じて、ユーザーの心理や行動背景を理解し、指名検索数や複数チャネルでのコンバージョン率を指標として取り入れることで、より精緻な評価が可能となります。

評価のポイントは、単一の指標に依存せず、多角的なデータを組み合わせて総合的に判断することです。ユーザー行動の変化を定期的にモニタリングし、施策の改善に活かすことで、デジタルマーケティングの効果を最大化できます。

マーケ・営業・カスタマーサクセスの連携によるKPI整合性の確保

デジタルマーケティングにおけるKPI設計では、マーケティング、営業、カスタマーサクセスの各部門が連携し、KPIの整合性を確保することが極めて重要です。これにより、顧客のライフサイクル全体を通じた一貫した成果評価と効果的な施策改善が可能となります。

各部門はそれぞれ異なる役割と視点を持っており、マーケティングはリード獲得や認知拡大を、営業はリードの顧客化と成約を、カスタマーサクセスは顧客維持とリピート促進を担当します。これらがバラバラにKPIを設定すると、目標の不整合や評価のズレが生じ、成果最大化に支障をきたすでしょう。

以下の表は、各部門の主な役割とKPIの例、連携によるメリットをまとめたものです。

部門
主な役割
代表的なKPI例
連携による効果
マーケティング マーケティング
リード獲得、認知拡大
セッション数、CTR、問い合わせ数、資料請求数、MQL数、リードスコア上昇率 質の高いリード提供による営業効率の向上
営業 リードの顧客化、成約獲得 商談数、成約率、売上高、受注単価、営業サイクル期間 マーケティング施策の効果検証と改善提案
カスタマーサクセス 顧客維持、拡大 解約率、リピート率、LTV 顧客の声をマーケティング・営業にフィードバック

 

デジタルマーケティングでのKPI管理には、共通のフレームワークとツールの活用が重要です。CRMやSFAツールを使って顧客情報をリアルタイムで共有することで、部門間の情報断絶を防ぎ、KPIの一貫性を保てます。

定期的なミーティングでKPIの進捗と課題を共有し、全体最適を図ることも不可欠です。これにより、顧客動向を多角的に把握し、迅速な意思決定が可能になります。部門間の連携強化とツールの活用で、マーケティングの成果を最大化し、顧客中心の戦略を実行しましょう。

「KPIがボトルネックを生む」ケースとその対処法

デジタルマーケティングにおけるKPIは、施策の効果を正確に評価し、成果を最大化するための重要な指標です。しかし、KPI設定が現場の実態やビジネスの流れと乖離すると、逆に「ボトルネック」となり、全体のパフォーマンスを阻害してしまうケースがあります。

  • 具体例1:過度な数値目標の設定による現場負荷の増大
    高すぎるKPI目標は、現場に過剰なプレッシャーをもたらし、非効率な施策や短期的な成果偏重を招く。これにより、本来の長期的なブランド価値や顧客育成が損なわれる場合がある。
  • 具体例2:指標の連動性が無視されたKPI設計
    ファネル各フェーズのKPIが独立して設定され、全体の流れを妨げる場合がある。たとえば、認知フェーズでの過剰なアクセス数追求がリード獲得や関係性の質低下を招くこともある。
  • 具体例3:現場の実態を反映しない定量指標の一辺倒な評価
    数値だけに注目し、ユーザー行動の質や部門間の連携状況を無視すると、重要な改善点を見落とし、施策の効果が限定的になることがある。

これらのボトルネックは、KPIが単なる達成目標として扱われることから生じることが多く、数値の追求が目的化してしまう点に問題があります。

対処法としては、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 現場との対話による実態把握とフィードバックの反映
    定期的なミーティングやアンケートを通じて、KPIが現場の実情に合っているかを確認し、必要に応じて柔軟に見直すこと。
  • KPI間の連動性と全体最適の意識
    ファネル全体の流れを意識し、各指標が互いに支え合う設計に調整することで、ボトルネックの解消を図ること。
  • 定性情報の活用による多角的評価
    数値だけでなく、営業やCSからのフィードバック、顧客の声などの定性情報を取り入れて、KPIの背景にある課題を深掘りする。
  • 定期的なKPIレビューと改善サイクルの構築
    PDCAサイクルを回しながら、KPIの妥当性や達成度を評価し、課題に応じて指標の見直しや施策変更を行う。

こうした対処を通じて、KPIがボトルネックとなるリスクを軽減し、デジタルマーケティングの成果を効果的に向上させることが可能です。KPIはあくまで成果達成のための手段であり、その運用においては柔軟性と現場感覚の両立が重要なポイントとなります。

わたしたち電通B2Bイニシアティブでは、BtoB事業活動全般の戦略立案はもちろんのこと、デジタル領域の知見を活用した具体的な施策の実行から最終的な成果を分析・改善し続けるためのサイクルの創出まで伴走支援が可能です。

支援の詳細については、以下をご覧ください。

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デジタルマーケティングのKPI設計で連携・活用したいツールたち     

デジタルマーケティングのKPI設計においては、適切なツールの連携と活用が成果の最大化に不可欠です。ここでは、代表的なツール群について、それぞれの特徴やKPIトラッキングの方法、活用時のポイントを具体的に紹介します。

ツールカテゴリ
代表的なツール例
KPIトラッキングの活用イメージ
活用時のポイント
アナリティクスツール Google analytics(GA4) ウェブサイトの訪問数、ユーザー行動、コンバージョン経路の詳細分析。ファネルの各段階でのユーザー動向を把握し、施策の効果測定に活用。 イベント設定やコンバージョン設定を正確に行い、データの信頼性を確保すること。定期的なレポート作成と共有が重要。
MAツール HubSpot、Adobe Marketo Engage、Salesforce Account Engagement リード獲得から育成、スコアリングまで一元管理。メール開封率やクリック率などのエンゲージメント指標を追い、効果的なナーチャリング施策を実施。 リード情報の質を高めるため、データクレンジングを定期的に実施。営業部門との情報連携を密にし、リードの状態を共有することが効果的。
SFA/CRMツール Salesforce、Zoho CRM 商談進捗や顧客情報の一元管理により、リードから顧客化までのKPIをトラッキング。営業活動の効率化と成果分析に貢献。 営業チームとの連携を強化し、入力データの正確性を保つ。マーケティングとの情報共有体制を整備することが重要。
BIツール Tableau、Looker Studio 複数のデータソースを統合し、KPIの可視化・ダッシュボード作成を実現。経営層への報告や施策改善の基盤として活用できる。 データの連携や更新頻度を適切に管理し、リアルタイム性と正確性を両立させる。ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが効果的。

 

これらのツールは、それぞれの特性を理解した上で連携させることで、より詳細で多角的なKPI分析が可能になります。適切なツール活用は、デジタルマーケティング施策の効果的な管理と改善に欠かせない要素です。

ツール導入時には、運用体制や担当者のスキル育成にも注力し、継続的に活用できる環境を整えることが成功の鍵となります。

Google analytics(GA4)で活用できるKPIとその使い方

Google analytics(GA4)は、ユーザーの行動を詳細に追跡する強力なツールです。特に、トラフィック数、直帰率、平均セッション時間、コンバージョン率などのKPIを設定することで、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスをリアルタイムで監視できます。

これにより、どのページやコンテンツが効果的かを把握し、迅速に施策を改善することが可能です。

さらに、ユーザーのセグメンテーションを行うことで、特定のターゲットグループの行動を分析し、パーソナライズされたマーケティング施策を実施することができます。

MAツールで追えるKPIと活用法

MAツールは、リードの獲得から育成、スコアリングまでを自動化・統合管理し、購買意欲の高いリードを効率的に特定するために活用します。

HubSpotやAdobe Marketo Engageなどを使用することで、リードスコア、ナーチャリング進捗率、MQL転換率などのKPIを追跡でき、マーケティングと営業の連携強化を図れます。

行動履歴やエンゲージメントデータを基にしたパーソナライゼーションにより、適切なタイミングで最適なコンテンツを自動配信し、効率的な見込み客育成が可能になります。

SFA/CRMツールとの連携によるKPIトラッキング

SalesforceやZoho CRMは、営業プロセスを可視化し、顧客関係を管理するのに役立ちます。これらのツールと連携することで、マーケティング活動がどれだけ売上に貢献しているかを定量的に示すことができるでしょう。

たとえば、商談成立率や顧客獲得コストなどのKPIを追うことで、営業部門との連携を強化し、全体の成果を最大化できます。さらに、顧客生涯価値(CLV)を分析し、長期的な顧客関係を構築するための戦略を策定することが可能です。

BIツールでのKPI可視化

BIツールを用いると、複数のデータソースからKPIを統合し、視覚的にわかりやすいダッシュボードを作成できます。

TableauやLooker Studioを使うことで、データドリブンな意思決定が促進され、組織全体でのデジタルマーケティングの透明性が向上。これにより、マーケティング戦略がより一貫性を持ち、効果的なものになります。

さらに、リアルタイムデータを活用することで、迅速な意思決定が可能となり、競争環境に迅速に対応できるようになるでしょう。

デジタルマーケティングのKPIは設計後の継続改善&モニタリング体制も重要  

デジタルマーケティングにおけるKPIは、設計しただけで終わらせるのではなく、継続的なモニタリングと改善を通じて、初めて成果最大化に寄与します。KPIの数値を定期的にチェックし、変化の背景を分析しながら、施策の効果を高めていく運用体制が不可欠です。

まず、KPIのモニタリングは施策の性質や目標に応じて適切な頻度で実施することが重要。一般的なモニタリング頻度の目安は以下の通りです。

モニタリング頻度
目的・内容
週次 短期的な施策の進捗確認や早期問題発見。アクセス数やクリック率、コンバージョン数などリアルタイム性の高い数値を中心にチェック。
月次 キャンペーン全体の成果把握やKPIトレンド分析。中長期的な改善策立案に活用。
四半期 KGIやKSFとの整合性確認、戦略的見直し。経営層への報告や次期計画策定に役立つ。

 

これらのモニタリングを通じて、PDCAサイクルを効果的に回すことが成果向上の鍵です。具体的には、KPIレポートを作成し、数値の推移や目標達成状況をわかりやすく可視化することが重要です。レポートには以下の要素を盛り込むと効果的でしょう。

PDCAを回すためのKPIレポートイメージ

  1. 主要KPIの現状数値と目標値の比較
  2. 前期間との比較によるトレンド分析
  3. 施策ごとの効果検証と要因分析
  4. 次の改善アクションの具体的提案

 


数値変化の分析では、単なる増減の把握に留まらず、その背景にある要因を多角的に検証することが重要です。たとえば、コンバージョン率が低下した場合は、流入経路の変化、ユーザー行動の変化、サイトの技術的問題などを総合的に分析し、根本原因を特定します。

改善アクションに役立つ定性情報の取り入れ方

数値だけでなく、営業コメントやカスタマーサクセス(CS)からの対応内容といった定性情報の取り入れも、改善アクションの質を高める上で欠かせません。現場からのフィードバックは、ユーザーのリアルな声や市場の動向を反映しており、数値では捉えきれない課題やチャンスを発見する手がかりとなります。

効果的な定性情報の活用方法としては、定期的な営業・CSチームとの情報共有ミーティングの実施、顧客インタビューやアンケート結果の分析、CRMシステムに蓄積された顧客コメントの活用などがあります。こうした情報をKPI分析に組み込むことで、より実態に即した施策改善が可能となり、デジタルマーケティングの成果向上につながるのです。

まとめると、デジタルマーケティングのKPIは設計後も継続的にモニタリングし、PDCAサイクルを回しながら数値と定性情報を組み合わせて多角的に分析・改善することが重要です。この運用体制が整うことで、施策の効果を最大化し、目標達成に向けて着実に進めることができます。

ファネルに沿ったKPIの見直しで、デジタルマーケティングの成果最大化を目指そう

デジタルマーケティングにおけるKPIの設計と管理は、成功に不可欠な要素です。適切なKPIは、マーケティング活動の効果を数値で確認し、改善するための道しるべとなるでしょう。しかし、KPIの設定を間違えると、活動の成果が見えにくくなり、最適な戦略が立てられなくなる可能性があります。

このような課題を抱える方は、まずは現在のKPIを見直し、ビジネスの目的に合った指標に修正することが重要です。さらに、ツールを活用してデータを効果的にトラッキングし、定期的にモニタリングを行いましょう。これにより、KPIに基づいたデータドリブンな意思決定が可能になります。

今すぐ行動に移し、KPIを見直してデジタルマーケティングの成果を最大化しましょう。マーケティングチームや関連部署と連携し、持続的な改善を目指すことが、成功への鍵となります。

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