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テレアポ、訪問営業時代の終焉、これからは文章の力で売る

77冊の営業術を書いた営業コンサルが語る ここだけの話 #02 営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智昭氏

はじめまして。経営者や営業マン向けの営業サポートコンサルティングを行っている菊原と申します。「対人恐怖症」にまで陥りながらも新たな営業スタイルを確立してトップ営業マンになった私の営業の考え方をシリーズで配信していきます。

今回は「テレアポ、訪問営業時代の終焉、これからは文章の力で売る」をテーマにお話し致します!!

新型コロナウイルスの影響で営業方法が従来から様変わりしている中で、営業方法に迷うことが増えてきた方に少しでもお力になれば嬉しいです!

テレアポ、訪問営業時代の終焉、これからは文章の力で売る

迷惑なテレアポをすれば、すぐにネットで叩かれる時代

いきなりですが、質問です!!

スマホに知らない番号から電話がかかってきた、もしくは家に電話に登録のない番号から電話がかかってきた。さあ、どうしますか?

ほとんどの人は「見覚えがない番号だな。怪しい」と警戒して出ないと思います。
そのまま放置する人もいれば、気になってその番号をグーグルに入力して検索する人もいるでしょう。
その検索結果を見て「なんだぁ、セールスの電話かぁ、出なくてよかった」と安心するのです。

今は誰もが情報を発信できる時代になりました。
迷惑なテレアポをすれば

 “○○社からの電話は最悪。注意したほうがいい”
 “この電話番号は△△会社のテレアポ。注意して”

と書き込みされます。
営業にとって本当に難しい時代になりました。

 

間違ったやり方を指示していれば有能なスタッフは去っていく

テレアポはお客様にとっては迷惑以外の何物でもありません。

にもかかわらず“資料請求のお客様に数回電話する”といった営業方法を強制している会社があります。
そういった方法を強制してくる人たちは決まって「1度や2度諦めてどうする。最低でも3回アタックするべきだ」と主張します。

私自身もやった経験がありますが、一度断られたお客様のところに再度電話するのは本当にキツイものです。
そもそも電話に出てくれませんが、たまに出たとしても「もう電話してくるなって言っただろう!」と怒鳴り飛ばされるハメになります。

とてもじゃありませんが、メンタルがもちません。
それでも上司の「とにかく数多くかけまくれ」という命令で渋々やっていましたが、ほんとうに嫌だったものです。

こんなことを毎日させられれば今の若い人たちはすぐに嫌になります。
こうして今日も有能な営業スタッフが会社を去っていくのです。

アポなし訪問をすれば消費者センターに訴えられる

テレアポもキツいですが、アポなし訪問はさらに地獄です。

知人のリフォーム会社は新規のお客様を取得するために、かなりのお金を払いネット広告を出して個人情報を手に入れています。

問題はそのアプローチ方法です。

営業スタッフたちにアポなし訪問をさせていますが、まったく結果が出ていません。
やみくもに訪問し、貴重な新規情報を潰してしているのです。
訪問となればテレアポ以上にネットに悪い口コミを書かれてしまいます。
これではお金をかけてわざわざ悪い口コミを増やすことになってしまったのでは、踏んだり蹴ったりです。

私は夜の21時過ぎまで普通に毎日アポなし訪問をしていたことがあります。
今、冷静に考えればかなりおかしなことをしていたと思います。
今、この時代にアポなし訪問などしていれば、すぐに消費者センターに訴えられるでしょう。

なんの戦略がないまま営業スタッフに行動させればするほど悪評を広めてしまうことになるのです。

 ・何度もしつこくテレアポをする
 ・アポなし訪問でアタックする

こういった行為を営業スタッフに命令したらどうでしょうか?
数の原理で、100件、1,000件とこなせば結果が出ることもあります。
しかし、無理やり買わせたお客様の満足度は限りなく低くなります。
クレームやキャンセルも多くなるでしょう。
これでは営業スタッフのメンタルも会社の体力も持ちません。

従来のテレアポや訪問で売るという営業スタイルは終焉を迎えるということです。

 

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テレアポ、訪問で自分の価値を下げてしまう

こういったハードなアプローチのデメリットはお客様から嫌われることだけではありません。
一番怖いのは、そうすることで自分の価値を下げてしまうことなのです。

地元の交流会に参加した時のことです。
名刺交換した男性は翌日に電話をかけてきて「昨日お会いさせて頂いた〇〇です。ぜひ顧問料の見積もりを出させてください!」とグイグイ迫ってきます。
もしかしたら能力が高いのかもしれません。

しかし「この人、大丈夫なのかな?」といった印象しか持てなかったのです。
ハードにアプローチすることで自分の価値を下げてしまうと仕事が依頼されにくくなるのです。

これが最大のデメリットです。

お役立ち情報で、そっとアプローチする

テレアポもアポなし訪問も迷惑だ。

ではどうやってお客様にアプローチしていればいいのでしょうか?

それは、これから見込み客になるといった中長期のお客様に対して“役立つ行動”を地味に繰り返していくということです。

私は営業研修で”営業レター”という手法を紹介しています。
営業レターとは”定期的にお客様に役立つ情報を送る”というやり方です。
方法は

 ・リアル媒体のハガキ、手紙

 ・デジタルツールのメール、SNS

などになります。
お役に立つ情報でそっとアプローチするといったイメージです。

お役立ち情報、具体例

イメージが湧くように実際の住宅営業の例で説明します。
「将来的に家が欲しいな」という検討度の低いお客様に対して”すでに住んでいるお客様の後悔している事例を送ります。

 ・図面で見るよりトイレが狭かった
 ・駐車場が狭くて使いにくい
 ・収納が思ったより少なかった

などなど。
こういった本当に意味で役立つ情報です。
多くの会社が”当社のメリット”や”キャンペーン情報”を送っている中、こういった内容は目立ちますし、役に立ちます。
私はこの方法でお客様へアプローチしていたところ、お客様から徐々に反響が出るようになりました。

 

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信頼関係を構築したお客様との商談はスムーズに進む

営業レター戦略での一番目メリットは“お客様のほうから「相談があるのですが」と声がかかる”ということです。
「この人なら信頼できそうだ」とお客様の方から声が掛かるとその後の展開は非常に楽になります。
アポも取れますし商談もスムーズです。
すでにお客様と信頼関係が構築できているため、競合も少なく無理な値引きもしてきません。
こうして契約になったお客様は満足度も高く、紹介もよく出るようになります。
この方法に変えたことで今までの4倍以上の契約を取ることができたのです。

お客様から選ばれる存在になる

営業レターなら文字情報ですから、時間と手間をかげずに、しかもお客様から嫌われずそっとアプローチできます。

現代のお客さまは昔のお客さまと違い、警戒心が強く、セキュリティも高くなっています。
その点文字情報でしたら、セキュリティもかいくぐり、ソフトに歩み寄ることができます。
そして、お客様が手が空いた時にじっくり見ることができます。
お互いにメリットがあるのです。

これからはハードな営業ではなく、文字情報でソフトに伝えるスキルが必要になってきます。
強引に数字を上げようとするのではなく、じわじわと信頼関係を構築することを心掛けて欲しいのです。
今は時代も変わり、お客様も変わりました。
営業スタイルも進化させ、お客様から選ばれる存在になってください。

 

次回は「文章で“あなたらしさ”を伝えるコツ」というお話をいたします。
次回もお楽しみに!!!

 

PROFILE

プロフィール写真

営業サポート・コンサルティング(株)代表取締役

菊原 智明(きくはら ともあき)

群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない”“お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て4年連続トップの営業マンに。約600名の営業マンの中においてMVPを獲得。