様々な産業のグローバルビジネスが交錯し、ビジネス拡大を狙う企業が集まる都市、ニューヨーク。ニューヨークのビジネスを経営する上で、グローバルなビジネスチャンスを掴み、最適なビジネスパートナーと出会うためにも戦略的な人脈構築は必要不可欠な要素となります。
私もニューヨークでビジネスを10年以上経営してきましたが、戦略的人脈作りをするために、長年に渡り多くのイベントを主催したり、イベントに参加したりしてきました。その結果、毎回のイベントで新たなビジネスパートナーを見つけたり、新しいビジネスチャンスを掴んだり、ついには新規顧客の成約までに至るなどして、数千万円から億単位規模のビジネスの成立をネットワーキングによる人脈構築で勝ち取ってきました。
そこで今回のブログでは、新規ビジネスや新規顧客、新規事業などを獲得できるニューヨーク流の人脈作りの手法についてポイントをみなさまに伝授いたします。
ニューヨーク流人脈構築の最初のステップは、自分の目標や目的を明確にすることから始まります。まずは、ビジネス(もしくはパーソナル)ゴールや目標を再確認しましょう。ビジネスリードを獲得したいのか?ビジネスパートナーを探したいのか?それともビジネスチャンスを掴むためのリサーチをしたいのか?もしくは、キャリアチェンジのチャンスを掴みたいのか?まずは行動するよりも、目的や理由を明確にし、どのような人脈や機会を求めたいかを明確にしてから行動するようにしましょう。
ニューヨークのような大都市では毎日多くのネットワーキングイベントが開催されているため、自分の目的に合ったものを選ぶことが非常に大切となります。業界関連のセミナーやネットワーキングイベント、エキスポ・展示会や、業界関連のカンファレンスなどピンポイントで目的にあったイベントをイベントブライトのサイトやミートアップ、そしてオンラインの業界誌やビジネスサイトなどから探してみましょう。
また、アート展示会やサッカー、ゴルフクラブのミートアップなど、直接ビジネスに結びついていなかったとしても、趣味の領域でのイベントに参加すると、より親近感や信頼度が高い人脈構築に繋がり、お勧めです。
人脈作りのきっかけを作る上で重要なのは、アイスブレークとなる「スモールトーク」です。初対面の人との会話が苦手な人もいるかもしれませんが、まずは簡単な質問や共通の話題を見つけることで会話を盛り上げ、相手に親近感や信頼度を持たせる事に努めましょう。
ニューヨークのような世界各国から様々なバックグラウンドの人が多く集まるところでは、まずは些細な共通の話を見つけて話かけるのがニューヨーク流です。
よくあるのが天気の話などですが、私のお気に入りスモールトークは相手の些細なところを褒める事、例えば、相手が女性なら「その靴可愛いですね!どこで買ったんですか?」や、男性なら「そのネクタイ、どちらで買われました?」などで、相手との心の距離を縮めます。そのほかにも同じセミナー参加後に「セミナー内容、どう思われましたか?」など、ちょっとした感想交換なども良いでしょう。そこから少し会話が和らいだら、「ところで今日はどんな事を探しに・勉強しにこちらにいらっしゃったんですか?」など会話をひろげ、なるべく自然な会話を普通に楽しむのがポイントとなります。
イベントでの人脈構築でよくあるのは参加者間での交流と関係の構築です。そうではなく、目的に応じて逆にスピーカーや主催者との関係構築をお勧めします。特に、スピーカーはその分野での専門知識や経験を持っていることが多く、彼らと関係を築くことで今後も貴重な情報や機会を得ることができるからです。
積極的に質問をしたり、イベントが終わった後も直接お話をしたり、連絡先を交換し、イベント後でもリンクドインもしくは他のソーシャルメディアなどで繋がるなどし、積極的に連絡をとり、スピーカーとの関係を深めていきましょう。私はまさにこの方法で新たなビジネスパートナーを見つけ、そのパートナーとはその後多くの新規事業の獲得に成功する事ができました。
さて、ここまでは人脈構築のためのきっかけ作りの話をしてきました。しかし、本当の意味で人脈を作る上で大切なのは、「ギブ(与える)」することです。人脈作りに望んでいる多くの人は自分が何か欲している状態で、「テイク(もらう)」の状態の人が非常に多いのが事実です。ただそうなってしまうと、人脈構築に一番大切で必要な信頼関係ができず、きっかけが作られたとしても、その場のみの会話で終わってしまいます。
ビジネスの目標や目的を達成するための手段として人脈構築をしたいのに、その気持ちが強すぎて、結果、セールス・営業チックになってしまい、土台となる信頼作りができず、人脈構築に失敗してしまっては本末転倒です。
そのため、人脈作りで本来目指すところは、相手に価値を提供する事。会話の中で、自分の経験や知識をシェアしたり、相手の手助けをしたり、問題解決を積極的に提案してあげたり、常に相手に価値を提供し繋がる事で、相手も自然と関心を持ち、信頼を築いてくれるでしょう。
人脈構築のチャンスは、実はイベント後が本番になるにもかかわらず、ほとんどの人がイベント参加後、せっかく知り合った人たちとの連絡をせずに終わってしまっています。
参加した人々やスピーカーとのつながりを深めるためにも、フォローアップをするように心得ましょう。フォローアップ手段としてはLinkedInやメールなどを活用し、相手が気になっているトピックで価値ある情報を相手に送るなどして積極的に連絡をするなどし、相手との連絡をイベント後でも継続するように心がけてみましょう。
例えば、会場で会う時は相手の悩み事を聞き出し、イベント後のフォローアップとして解決策に関する情報などをソーシャルメディアやメールなどで送り、相手の為になるような情報共有をしてみましょう。そうする事でより効果的で自然に繋がりが深まるでしょう。
私は実際、相手の新規顧客になるようなリードを何件も相手に送り、実際に商談をクローズしたりして相手にとっての多大なる価値の提供をしました。その結果、現在でもそのビジネスオーナーとはいつでも相談などに乗ってくれるような非常に近い関係にあります。
いかがでしたか?一見、簡単のようで、やってみると意外と難しい人脈作り。世界中からいろんな人やビジネスが集まるニューヨークではより戦略的に人脈作りに努めないと、時間と労力の無駄に繋がるため、これらステップを踏まえてより効率的、且つ効果的に人脈作りに励んでみてください!ポイントは相手のために動く事。自身や自社の目的に合った戦略的な人や企業を見つけ、積極的に動いていきましょう。