ども〜B2Biニューヨーク特派員のようこです!
新年明けましておめでとうございます!今年はニューヨークから最新B2Bビジネス&マーケティング情報を読者の皆さまへお届けいたしますので、今後とも何卒よろしくお願い致します。
ここ近年、海外のB2Bマーケティングはデジタル時代の急速な進化と共に、多くのB2B企業が、人工知能(AI)や機械学習などのツールを取り入れ、より効率良いB2Bマーケティング施策の模索をする中、新たなマーケティング戦略に挑戦する企業が増えてきました。
そこで、今回のニューヨーク発B2Bビジネスブログの第一弾目では、2024年以降、知っておきたい海外のB2Bマーケティングの変革やトレンド7選としてまとめてみました。
この記事では、7つの注目すべき海外のB2Bマーケティングトレンドと前年度の動向から今後のB2Bマーケティング戦略を考え、国内外のB2Bビジネスを成長させていくために必要なマーケティング戦略の要素やヒントを見つけていきます。
INDEX
B2Bマーケティングは毎年常に大きな変化や動きがつきものですが、特に2023年、B2Bのマーケティング界に関しては特にアマゾン社が牽引するB2BのEコマース分野で注目すべき変化がありました。
最新の調査によると、アマゾン社はB2BのEコマース市場でより大きな成長潜在力に目をつけており、B2C市場での成功を基に、自社のEコマースプラットフォームを使用しB2Bなどの企業間の取引における効率性や利便性を改善するべく、B2B市場に積極的に進出している事がわかっています。
アマゾン社が提供するB2Bサービス、Amazon Business(アマゾン・ビジネス)はヨーロッパでの総売上高が2020年から2022年までの年間成長率で25%増加。アメリカでの総売上高は2023年に350億ドルに達し、2025年には総売上額が約800億ドルにまで達すると予測されており、アマゾン社はB2BのEコマース市場における成長の可能性を見出し、今後も拡大を予定しています。
これによって近年、B2B企業間の取引に関してアマゾン社のEコマースを利用したB2BのEコマース化がより一般化され、アマゾン社がB2B企業にとって戦略的なパートナー、もしくはプラットフォームとしての重要性が高くなる可能性が出てくるかもしれません。
そしてB2Bのデジタル広告に関しては、新型コロナウイルスの影響で一時期急増しましたが、最新の予測によると、徐々にB2Bデジタル広告費の成長が鈍化する可能性があると予測されています。
B2Bデジタル広告費の成長鈍化の要因の一つとして、モバイルデバイスを頻繁に利用し、ソーシャルメディアの画像や動画に反応する若いB2Bバイヤーに効果的にアプローチするために、戦略を調整する必要がある事を指摘。B2Bデジタル広告の主要なプラットフォームとして、LinkedIn(リンクドイン社)とMeta(メタ社)が挙げられ、2023年のB2Bデジタル広告支出全体の37%以上を占めた事も今後のこれらプラットフォームの重要性を物語っています。そして広告メディアとしては今後、ディスプレイ広告が2024年までに検索広告を凌駕する見込みで、なかでもビデオ広告はその成長を牽引すると予測されています。
また、新しい生成型AI(GenAI)ツールを活用し、広告コピーをカスタマイズし、広告のパーソナライズ化をすることで、広告の生産性と収益性を向上させることができる利点から、生成型AIツール(GenAI)を利用し、バイヤーやインマーケットバイヤーにリーチしたり、個別にメッセージを通じて際立つブランド認知を構築する事などに活用が進むと見込まれています。
(データ&グラフ:eMarketerよりーB2Bデジタル広告費の成長が鈍化)
また、新しい調査によるとマーケティングデータはパイプラインの成長や、顧客体験の向上、ROIの実証をサポートする事など、ビジネスの成功に重要な要素として認識されている事から、2023年は多くの企業がマーケティングデータに投資をした一年となりました。実際、2023年の米国B2Bマーケティングデータ支出は2.3%の年間成長率で37.4億ドルに達し、米国B2B企業はマーケティングデータへの投資が増えた事がわかります。
このように、ビジネスの成功に重要なデータインサイトの他にも、顧客行動や市場トレンドをより深く理解するためにデータに頼らざるをえないと言う背景もある事から、多くのB2B企業がデータ駆動型のマーケティング戦略を起用しているため、2024年以降も増加の傾向にある事が予測されています。
さらに、B2Bマーケティングデータ支出が増加する要因として、人工知能(AI)や機械学習(ML)などの技術の進歩により、データ分析や予測がより効果的、且つ効率的に行えるようになったことも、支出増加の要因として挙げられています。
今後は引続き、競争力を維持するためにも海外の多くのB2B企業はデータ駆動型のマーケティング戦略を採用し、データ分析や予測の能力を高めるための投資をしていく事が予測されます。
(グラフ&データ:eMarketerよりー2023年の米国B2Bマーケティングデータ支出予測の最新情報)
インフルエンサーマーケティングと言うと、多くの人が消費者向けのB2C商品などのマーケティング手法を連想されますが、アメリカ大手の広告代理店、オグルヴィによる報告書によると、B2Bインフルエンサーは最も急速に成長しているマーケティングの優先事項の1つと提唱されています。
同調査では、LinkedIn(リンクドイン社)、Dell(デル社)、EY(アーンスト・アンド・ヤング社)、IBM(アイ・ビー・エム社)、Samsung(サムスン社)などのブランドやメーカーなど、計11の異なる市場で550人の最高マーケティング責任者(CMO)からの意見や洞察からデータを収集。その結果、B2Bマーケターの75%が現在、積極的にB2Bインフルエンサーマーケティングを起用しており、うち93%がB2Bインフルエンサーキャンペーンを拡大する計画を立てているという事が判明しました。
インフルエンサーマーケティングが成功する要因の根本的な部分に、共感と信頼の構築があり、 インフルエンサーが共感できるコミュニティと体験を共有することにより、体験したサービスや商品、企業ブランドの信頼がコミュニティを通して築かれると言う特徴があります。そのため、インフルエンサーマーケティングを成功させるには、ブランドやメーカーとインフルエンサーの間に深い、意義ある関係が必要で、単なる広告ではない相互の理解と信頼に基づいた連携が求められます。
インフルエンサーと深く、有意義な関係を築けるブランドやメーカーはそれほど多くないため、慎重に提携の検討をする必要がありますが、本当の意味でインフルエンサーとのパートナーシップ構築に成功できる企業は、業界の会話の一部を所有することができ、これによりブランドの評判が形成される場所や会話内でのブランドのリーダーシップを発揮できるため、多くの海外のB2B企業が現在インフルエンサーマーケティングに着目をし、今後もインフルエンサーキャンペンの拡大を計画していると思われます。
トレンド②でも挙げられた通り、ディスプレイ広告が今後は増えていくなか、B2Bコンテンツや広告のうちの一つとして動画コンテンツが今後も増えていく事が予測されています。
特に、各メディアやソーシャルメディアプラットフォームの検索に最適化された動画は、とても重要で、動画プラットフォーム(YouTube、Vimeo、TikTokなど)上で特定の検索クエリに対する回答を見つけるために使用されることが増えており、短い動画や字幕を利用するなど、これら動画プラットフォーム上での検索エンジン最適化(SEO)が施された動画コンテンツが重要な役割を果たしている事が今後、動画マーケティングが注目される要因の一つとなります。
そしてミレニアル世代のB2Bバイヤーなどを惹きつけるためにも、ソーシャルメディア上での動画マーケティングの効果的な施策が増加しており、短いがバイラル性を持つ動画やついつい見てしまう動画などというフォーマットが注目されています。その他、教育的でインタラクティブな動画の他にも、ハウツー動画、ユーザー生成コンテンツ(UGC)、舞台裏(BTS)の動画などが有効な動画コンテンツのフォーマットとして挙げられています。
また、2020年の調査によるとB2Bマーケターの71%が動画コンテンツを利用したマーケティング施策を起用しており、動画コンテンツはターゲット層や潜在顧客を効果的に引き付けるメディアとして効果的で有効な事から、B2Bの動画コンテンツを利用したマーケティング施策はこれからも増加すると予想されています。
B2Bマーケターにとって、顧客体験(CX)の向上は最優先事項のうちの一つですが、なかでもウェブサイトやオンライン上のCXはB2Bマーケターにとって顧客や潜在顧客との重要なタッチポイントとなるため、多くのB2B企業は常にマーケットの動向を見据え、ウェブサイトの最適化を図っています。
Contentsquare社の調査によると、ウェブサイトの読み込み時間の遅さは最も大きなストレス要因であり、B2Bのビジターセッションの18%に影響を与えていると判明。また、不特定多数のターゲットに向けて構築されたウェブサイトなどは、怒りのクリックなどに繋がりより大きなフラストレーションの要因となるため、ウェブサイトの読み込み時間意外にも特定ユーザーやターゲットに向けたサイトの構築やデザイン、そしてパーソナライズ化などの工夫が必要となる事を指摘しています。
そのため、顧客満足度を向上させ、CXの向上を図るためにも、最適化されたウェブサイトとユーザーフレンドリーなデザインは2024年以降より必要性が高まると予測されており、デスクトップであろうとモバイルデバイスであろうと、顧客や潜在顧客とのやり取りはすべて最適化が必要不可欠になり、あらゆるタッチポイントで一貫したポジティブな体験を提供することが今後も必要となると予測されています。
また、モバイルでのやりとりを楽しい体験にあえてしたりする事で、より多くのB2B顧客を惹きつけ、2024年以降はスマートフォンで閲覧しているバイヤーに対し、よりパーソナライズされたポジティブな体験の提供が、今後もB2Bマーケティングの動向として高まると予測されています。そして、このようなモバイルでのCX向上の施策を実施する事によって、デスクトップ以外の媒体での利用性を高めることへ期待もでき、タッチポイントを広範囲に拡大する事も期待されます。
そして最後となりますが、ABM戦略には欠かせないコンテンツのパーソナライズ化は2024年以降には、テクノロジーとデータ分析の統合でさらに進展すると予想されます。ターゲットを絞りに絞ったアプローチを使うABM戦略では、一般的なテンプレート的なメッセージに個人の名前を貼り付けた手法などではなく、ハイパー・パーソナライゼーションといわれる、個々のニーズや課題に対する深い洞察に基づいた、個人対個人で対話をしているかのようなメッセージングをあらゆるタッチポイントで提供する事が今後は重要となってきます。
多くの場合がDemand Gen Reportの調査の通り、約61%のマーケターがコンテンツを特定の産業やインダストリーに合わせたコンテンツのパーソナライズ化を実施、55%が特定の役職を持つアカウントを引き込むためにコンテンツを調整、また56%が特定の課題やニーズに対応するためにコンテンツをパーソナライズ化している等、いわゆるパーソナライズ化を実施している事がわかります。また、B2Bマーケターの半数以上の56%が、コンテンツのパーソナライズ化がABM戦略の成功には必須と回答しており、2024年にもその重要性が続くことが予測されています。
ただし、2024年以降は、このような単なるパーソナライズ化ではなく、高度なデータ分析やAIを活用してコンテンツやメッセージを個々のアカウントごとによりハイ・コンテキストでより個々の状況やニーズ、課題に対して、よりピンポイントでメッセージングを実施するハイパー・パーソナライズ化する事によって、ABMキャンペーンの効果を向上させ、より効率よく結果につなげていく事が期待されるでしょう。
いかがでしたでしょうか?本記事では2024年以降に知っておくべく海外B2Bマーケティングにおける7つの注目すべきトレンドを探求しました。2024年以降のB2Bマーケティング戦略において、デジタル技術の進化と市場の変動がますます激しくなるでしょう。私たちB2Bマーケターの挑戦は、これらの変化に適応し、柔軟性を持ちながら戦略を実行していくことです。今後も新たなテクノロジーやマーケティング手法の導入、顧客との深い関係構築に注力することが、成功に向けた鍵となるでしょう。B2Bマーケティングの変革への積極的なステップを2024年以降も引き続き踏み出していきましょう。